らっかみ桃太郎伝説｜リアクション

らっかみ桃太郎伝説

●モモタロウ・アクト６
　前のパートを読み飛ばした人のための、これまでのあらすじ。
　タイヘンダ！　ボスガシンダ！。
「まさか殺してしまうとは。機密情報を聞き出そうとしたのに……仕方ないね」
　サキリはゆっくりと首を振ってため息をついた。
　そんな彼の携帯電話がバイブレーション。
　取り出してみると、巴からだった。
「突然だが、鬼ヶ島に核を搭載したミサイルを発射した。もしまだいるなら、いますぐ逃げて欲しい」
「え……」
「秘密を知る人間はひとりたりとも生かしておけないのだよ」
　そこまで言って通信は途絶えた。
「いまなんて言いました！？　ミサイルくるんですか！？」
　大量に仕入れたわりにあんま使わなかったきびだんごを一人でもふもふ消費していた美咲紀（そういえばあんま戦闘してない）がハッとして振り返った。
　ミサイルという単語に場は大混乱となった。
　おにぎりもふもふ消費するまほろ。
　種籾をまく亮。
　肉球のぷにぷに具合を楽しむ夏朝。
　釘バットの素振りにいそしむ莉鳥。
「……あまり混乱してないな、この人たちは」
　刀や修、零や海斗たちはちゃぶ台でお茶すすりながらきびだんごをもーぐもーぐしていた。
　そんな彼らのほっぺに保湿液を塗ったり健康に良さそうなお茶をいれたりする美咲紀。
　いやだって、アクションに『桃ちゃん達には加齢に勝ってもらいたい』って書いてあるから。誤字だってわかってるけど万が一本気で言ってるかも知れないから！
「逃げなくてはならんのか」
「そうはいっても、ミサイルから逃げられるような船はないのです。普通に手こぎボートで来ましたし」
「よく来られたな……」
「今こそ真央ちゃんの出番なのだ！　もとい、浦島太郎の活躍パートなのだ！」
　襖をガラッとあけて（押し入れから）出てきた後木真央。
「どちらさま」
「昔話三太郎がひとり、浦島太郎が助けに来たのだ！」
　真央がヒヨコちゃんの水笛をぴょろぴょろ吹くと、建物の屋根をふっとばしてなんかめちゃくちゃデカい亀が下りてきた。
　下りてきたっていうか、回転しながら空を飛ぶ亀のオバケみたいなやつが降下してきたのだった。
「……」
「……」
「ねえ、これってガメ――」
「黙って。言わなきゃ気づかないから」
「勿論運賃はいただくのだ！　ひゃっはー！　出発なのだー！」
　こうして、真央がなんかしらないけど空を飛ぶ亀を使ってみんなそろって鬼ヶ島を脱出したのだった。

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