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霧の中に佇む花
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●緑の中の再会●
桜の群生地を進み、奥へと向かった一行。
トレッキングの際生徒たちが昼食を摂ったり花見を楽しんだりした場所を抜けて、更に奥へ。
「さあ、ここからが本番だ」
傾斜が少し上がってきた辺りで、泉先生は一度立ち止まって振り返った。
群生地に入ってから山道のようなものはなくなっていたが、この先は更に地面が凸凹していてなだらかな坂を登るようにはいかない。
山に慣れた者には難関とも言えない程度の変化だけれど、慣れていないと足にくるものがある。
能美子
は完全にぶすくれていた。
「化粧もネイルも、森の中でボロボロだしマジムカつく……」
「汗もいっぱいかくからね」
「円さ……じゃなくて、桜庭さんは平気なの?」
モデル体型の能美子より頭ひとつ分以上小さい円は、少なくとも見た目はまだ元気そうだ。
「ボクは大丈夫だよ。早くおキヌさんに会いたいし。
にゃーくんもおキヌさんに挨拶したいよねー」
「にゃー」
休憩後うとうとしていたにゃーくんも、今は自然の奏でる音に耳を忙しく動かして、目をくりくりさせている。
「メイク崩れないように、街でお買い物や遊びに行く時お洒落して出掛けるのも良いよね!
ボクは体型とかもあんまり女の子っぽくないから、能美子ちゃんみたいに女の子の魅力いっぱいにはならないかも知れないけど」
「そんな事、別に……」
円の笑顔が眩しい。
上手く本当の気持ちを表現出来なくて、能美子は周囲の風景に視線を逃がしながらついぶっきらぼうに答えてしまうのだった。
「おや?」
泉先生の声に、その視線を辿ると赤い紐が括り付けられた桜の木が見えた。
まだしっかりと結びつけられたままのそれを見て、刀が口を開く。
「春に来た時、俺が結んだものです」
「目印にか。役に立ったかい?」
「それが……太陽の影で方位を確かめていたのに、同じところに戻ってきてしまったんです」
あの時、刀が探索の為に行った策は山の規模と予想される範囲からすれば万全だったのに、結果は芳しいとは言えなかった。
それを聞いた泉先生も「そうだろうなぁ」と笑って見せた。
「俺もな、あの頃は色んな手立てを考えたが、お手上げだったよ。
人間の手には及ばない何かがあるとは思っていたが、その正体をこの目で確かめるチャンスが訪れるとはな……
まったく、『落神様』さまさまだ」
話をしながら歩を進めるうちに、緑を蓄えた桜の木々の合間から静かに霧が忍び寄ってきていた。
「……ほら、おいでなすったぞ」
声のトーンを下げた泉先生は、少年のように目を輝かせたままだけれど。
霧はまるで、三百年桜を探し求めて森を彷徨う者を更に惑わせようとするかのように、ゆっくりと人の視界を狭めていく。
初めての現象に遭遇して戸惑った顔をする生徒もいるけれど、心得ているという表情もちらほらと。
『春のトレッキングの時と同じです』
小淋は周囲の学友たちにメモを見せ、その時の状況を説明した。
幻の桜を求める人々を惑わせるかのように、タイミングよく発生する霧は、やはり人知を超えた何かを感じさせる。
『まるで、私たちの事を探っているようですね……』
「浅山様、お疲れでしょう……足に痛みはありませんか?」
本人も心許ないと感じている小淋の体力を気遣って、極夜が労わるように声を掛けた。
『疲れてはきましたが、まだ大丈夫です』
筆談で伝え、彼女は仄かに笑みを浮かべる。
(三百年桜の伝説……思えば、トレッキングの時はあまり信じられませんでしたが……)
小淋は淡く映る緑と霧の中、花を綻ばせる桜と霧に包まれた景色を重ねていた。
あの時霧の中で出会った女性は、確かにおキヌさんだったのかも知れない。
そうであれば、三百年桜へと案内してくれたお礼もしたいし、色々と話も聞いてみたい。
「……草薙はどうした?」
泉先生と話して後方に戻ってきた刀は、さっきまで肩を貸していた龍八の姿がない事に気付いた。
「おかしいですね……先程までは近くにいらした筈ですが」
極夜は訝しげに顎に手を当てる。
「……ん? そういや骨削は?」
「俺様は知らんぞ!?」
鋭二と花太郎も、一緒に歩いていた瓢を見失っており、最後尾の櫻も眉を顰めた。
「私より後ろには行っていない筈だが……」
群生地の奥に入ってからは、先頭組も速度を落として歩いていた為、泉先生から櫻までの距離もたいしたものではなかったのに。
『これは……』
一体何が起きたのかと、微かに困惑を見せる小淋たちを他所に、泉先生は口端を吊り上げた。
「あいつらか。悪戯小僧どもだ、何か悪さでも考えていたのかもな」
「……何かご存知なんですか?」
霧けぶる緑も味があると、写真を撮っていた月詠がふと振り返る。
「そのうち分かるだろう。まあ、ガキの頃の万能感を打ち砕くような事なんて、何処にでも転がってるものさ」
含みのある言葉を残し、泉先生は歩き続けた。
皆それに付いてはいくものの、行けども行けども霧の中。
次第に、同じところをぐるぐると回っているような気がしてくる。
「このまま歩いて、本当に……ええっと、本当に辿り着けるんでしょうか?」
一度は小淋に尋ね掛けた後、洋志はモゾモゾして矛先を刀に向けた。
「あの時は確か、みんなが集まっている時にあの女性が迷子を連れて現れたんだ。
そこから案内して貰って……浅山部長も覚えてるよな?」
刀に話を振られ、小淋はこくりと頷き、ペンを走らせる。
『はい。それに、あの時強く願ったからあの桜に出会えたのなら、もしかしたら……』
「そうだな。今度はあの女性……キヌさんに会えるよう、願ってみようか」
「は、はい」
頷いてそう告げる刀に、洋志も首を縦に振った。
(もし、昔話が本当だとしたら……
おキヌさんは、千年もの間……誰の目にも見えない存在として、独りでいた事になる)
思いを馳せるように、誉は霧の向こうを眺める。
修も、彼女が何を思い過ごしてきたのか、知りたいと思った。
流れる汗を拭いながら、果てしなく思える坂を歩む。
この辺りを訪れた人は少なくなかっただろうが、キヌからは見えても、誰もキヌを見る事が出来ず、気付く者もいない。
それは誉にとっては、想像もつかない孤独だ。
永い孤独を癒せるかなんて分からない。
それでも話したいと、彼は願った。
カサリと、草を踏む音がした。
陽光に照らされ明るい霧の中、前方にぼんやりと人影が浮かんだのが見えて、一行は歩みを止める。
近付くにつれはっきりとしていく姿は――
「あの」
優しげな女性の声が聞こえた。
何人かは聞き覚えのあるその声の主は、以前とは違う着物を着ているものの、その顔立ちと艶やかな長い黒髪はそのままに佇んでいる。
娘は少し不思議そうな顔をしていた。
「私にご用、なのですか? 桜ではなくて……」
「きゃー! それじゃ、あなたがキヌさん?」
嬉しそうに後ろの列から顔を出した葵に、娘――
キヌ
は「はい」と頷いた。
「わあ! おキヌちゃん、会いに来たのだー!」
きゃっきゃと声を上げる真央にも引っ張られ、笑みを綻ばせる皆を見回して、春にまみえた面々に目を細め……泉先生の顔をじっと眺める。
「あなたは……以前にもいらっしゃいましたね」
「ほう、俺の事を覚えているのかい?」
泉先生が片眉を上げると、キヌはその老いた姿にしみじみとした目をする。
「ええ、何度もいらして下さったので……そうですか、人の世界ではもうそんなに時が経ってしまっていたのですね……」
つい先日の事のようなのに、とキヌが呟いていると。
「……さーん、おキヌさんはいらっしゃいますかー!」
何処かから呼び声が聞こえてきた。
行方の知れない龍八や瓢とは違うが、男性の声だ。
「聞いた事ある声な気がするのだ」
真央がむむ? と首を傾げた。
「迷っていらっしゃるのかしら……すみません、皆さん。少しここで待っていて頂けますか?」
キヌは怪訝な顔をしつつ、一同に断りを入れて声の方に向かっていった。
時はちょっとだけ遡って。
釣り人と別れた竜司は、闇雲に我武者羅に前進を続けた。
いや、前進していたと思ったのは、竜司本人だけだったのかも知れないけれど。
意気揚々と鼻息荒く登ってきたのはいいものの、はたと気付いた。
「……ここはどこだ?」
本日二回目の「ここはどこだ?」頂きました。
勿論、答える者はいない。
というより、人どころか小動物一匹いない鬱蒼とした森の中っぽかった。
一応、周りに生えているのは桜の木のようだが……。
周囲を見回した竜司の顔色が、サッと変わる。
「やばい! 完全に遭難してんじゃねーか!?」
やばいも何も、なるべくしてこうなっただけなのだが、残念ながら突っ込む人はいない。
霧が忍び寄る九夜山の奥で~、ぼっちぼっちひとりぼっち♪
あっという間に竜司は霧に包まれた。
「……どいひー!?」
口癖が飛び出て、彼のメンタルの弱さが露呈した。
陸上で鍛えた精神力は何処へいったんだよ!? と突っ込んでくれる人は勿論いない。
「くそぅ……あえて単独行動に出たのが、裏目にでたのか……」
目尻にキラリと光が差す。
だって男の子だもん☆
もうこうなったら、この手しかない。
(霧の中でしか生きられないなら、逆に霧が出ている場所なら会える可能性があるって事だよな?)
意外とその辺はちゃんと考えていた竜司は、めいっぱい胸に息を吸い込んだ。
「おーい誰かー! 助けてー!
噂のおキヌさーん! おキヌさんはいらっしゃいますかー!」
……という訳で、魂の叫びを耳にしたキヌが現れた。
「おおおお! 本当に来てくれるとはっ!」
竜司感激。
キヌはちょっと戸惑った笑みを浮かべる。
「あの……他の皆さんと逸れた方でしょうか?」
「いやぁ、俺は単独で……ん?」
清楚な雰囲気の彼女を前に、デレっとしていた竜司だったけれど、ふと気付いた。
このまま案内を頼むと、泉先生たちと合流する事になるだろうと。
(むっ……その前に目的を達成してしまった方が良いのでは!?)
竜司の頭の中は、ピンク色に染まっていた。
「おキヌさん!」
「はい?」
真顔になった竜司に姿勢を正したキヌを見て、彼はいきなり両手を突いて這いつくばった。
「おキヌさんの胸を揉ませてください!」
「……え?」
何を言われたのかよく分からない、という顔でキヌは瞳を瞬かせる。
「素敵な女性には『胸を揉んでもいいのか』と聞くのが紳士の務め……ぶわ!?」
急にぴきっと音がして、頭を上げて説明し出した竜司に桜の枝がヒットした。
「だ、大丈夫ですか?」
キヌが枝を取り払おうと近寄る。
「なんのなんの、この程度……ってうおおぉ!?」
うぞぞぞぞぞっ。
竜司の首の辺りを、何かモジャモジャしたものが這っている……。
「うひょおおおお!? 痒い! いや痛い!? 痛痒いっ!?!???」
「まあ……」
キヌが口許を手で押さえて見守る中、竜司は遮二無二腕を振るって首でモゾモゾしていた奴らを払い落とした。
「……毛虫ぃ」
地面で蠢いている物体を、竜司は恨めしそうに見下ろす。
いくら幼女が好きだといっても、虫の幼生体は専門外だ。
しかも、毛虫を取り除いた後も首周りはじんじんピリピリと異常を訴えている。
「大変……お待ち頂いている方たちなら、人を手当をする道具もお持ちかも知れません。急ぎましょう」
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グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
動物・自然
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月08日
参加申し込みの期限
2013年05月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年05月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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