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寝子島高校
霧の中に佇む花
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●あの桜の許へ●
日も昇り、次第に気温が上がってきた頃。
春にトレッキングを行った時よりも少し遅い時間帯に、寝子島高校の校庭の片隅に生徒の一団が集まっていた。
季節は移り変わり、初夏にしてはやや暑い気温の中、休日でも部活動に励む運動部の声が抜けるような青い空に響いている。
彼らの声を耳にしながら、
泉 竜次
先生の言葉や伝聞に誘われ集まった生徒たちは、出発前の確認を行っていた。
「それじゃあ、行って来ます」
泉先生の携帯番号をメモし、もそもそとポケットにしまい込んだ
雨水 待雪
がほんわりと微笑む。
彼は山登りの一行とは別れ、お年寄りたちに昔話を聞きに行く為に市街地へ向かう事にしたのだ。
(お年寄りって、こういうの詳しいし、な。
ゆっくりお話聞いて、それ以外のお話も、色々したいな)
「饅頭に煎餅か。それは喜ばれるだろうな」
のんびりと思考を巡らせていた待雪に、泉先生は提げた袋を見やって笑みを浮かべた。
「はい、とっても、楽しみです」
故郷でもお年寄りが親友だった彼には、この役割は打ってつけだろう。
「んふふー。たまちゃんたちは、エリザさんって人のところへお宅訪問だよん♪」
平日と同じように、ラフに着崩した制服姿の
回転院 環
の姿を見て、泉先生は片眉を上げる。
「普段着で良いんだぞ?」
「たまちゃんのいつも通りの服装って感じで、着の身着のままなんです。ハァンッッッ!」
喋っているうちに、段々テンションが上がって奇声を上げる環。
待雪はちょっと驚いているけれど、泉先生は面白そうに、そしてカジュアルなスーツを着こなす
添木 千唐
もへらへらと笑みを浮かべて眺めている。
「TPOというやつを考えてましたが、お気に入りのパーカーでも良かったですかねぇ」
「ま、制服も冠婚葬祭に使える、学生のフォーマルスーツみたいなモンだ。
君のスーツも決まってるし、今日はそんな感じで良いんじゃないか?」
そう笑って送り出す泉先生を背に、ハイテンションな環を伴った千唐は星ヶ丘へ、待雪はゆっくりとした足取りで旧市街へとそれぞれ向かった。
「さて……我々もぼちぼち出発するとしようか」
「泉先生、私がしんがりを勤めましょう。……あまり先に行き過ぎないようにお願いしたい」
最後尾に付く事を申し出た
楪 櫻
に、泉先生は「ああ、分かってるさ」と頷き、手元の地図を示した。
「霧が出てくるまではまだ各々のペースで登れば良いが、足並みが早い奴も遅れがちな奴も、あんまり離れすぎないようにしなければな。
休憩は皆の調子を見て一回か二回……ここか、こことこの辺りなら取り易いだろう」
年の功か教師歴の長さ故か、泉先生がそういうところも結構ちゃんと考えている事に櫻はほっとした。
「君は春のトレッキングでも、後輩の面倒をよく見てくれていたと高野先生から聞いている。今回も頼んだぞ」
「はい」
信頼の篭った眼差しに、櫻は力強く頷いた。
「あ、泉先生」
「どうした?」
櫻との話の切れ目に、ちょっと遠慮がちに声を掛けてきた、艶やかなボブカットの少女は
綾辻 綾花
だ。
「私、体力には自信がないんです……でも、キヌさんには会ってみたくて。
出来れば、山登りのコツを伝授して頂けませんか?」
「なるほどな、山登りのコツか」
切実な願いを聞いた泉先生が顎に手を当てる様子を見て、
東雲 人里
も耳をそばだてる。
人里は体力的な面では自信はあったものの、日常の暮らしではそうそう山に登る機会はない。
御年75歳にも関わらず健脚な泉先生に秘訣を聞けば、山登りも楽しくなるかも知れない。
「山登りに大切なのは、計画と実行か。事前にルートを確認して、何処がどんな道なのかとか、休憩を取るタイミングや場所を知っておく必要があるな」
絵に色を付ける前に、下書きやアタリを付けておくようにな、と先生は例える。
「岩場や急な斜面があれば、そいつを登れるようにしとかなきゃならんが……今回は、そこまで難儀する道はないからな。
歩幅を狭く、一定の速さを保つように歩くと良い。
もし前の奴らや予定の時間から遅れてきても、焦らず自分のペースを守る事だな」
後は、エネルギーの消費を抑えて疲れ難くする為にはカフェイン入りの飲み物を摂ると良いとか、逆に力の要る難所を越える時には、少し前に糖分を摂ると抑えていたエネルギーを乗り越える為に消費するとか、手短に薀蓄を教えてくれた。
「後は体調か。具合が悪くなったりしたら、無理は禁物だ。
すぐに俺か楪君に伝えてくれ」
「はい! ありがとうございます」
嬉しそうに礼を言う綾花の影で、人里はちょこんと頭を下げた。
(もしかしたら、この中にイタビさんの子孫の方がおられるんでしょうか?)
人里はそう思いつつ、談笑している学友たちの姿に視線を巡らせる。
もしそうなら、素敵だなと思いながら。
「桜庭は、まだ幻の桜の女性には会った事がなかったっけ?」
「そうだよー、刀くんは会っててずるい! ボクも友達になりたい! 紹介して!」
「ずるいって言われてもな……」
初めての三百年桜探しの時には、そんな女性がいる事は知らなかったんだと、
御剣 刀
は子猫のにゃーくんを抱えた
桜庭 円
に詰め寄られて頭を掻いた。
「とにかく、あの人がキヌさんなのかはまだ分からないけど、世話になった礼も言ってないし……」
話がしたいと口にする彼の顔も、心なしか嬉しそうだ。
再び会えるとしても、来年の桜の季節だと思っていたから。
二人の遣り取りを、しかめっ面で眺めているのは
弘明寺 能美子
。
別に話の内容が気に入らない訳じゃなく、不機嫌そうな顔をしているのが常だったりするのだけれど。
そんな彼女にも、円はにっこり笑い掛ける。
「能美子ちゃん、スマイルスマイル! 笑ってるだけでも、きっと楽しくなるよー」
「……円さ……桜庭さん」
一緒にチアのダンスを踊った時も、笑顔で照らしてくれた円。
けれど、能美子はどうしても笑顔を返す事が出来なくて、視線は逃げ眉間のシワも増すばかり。
傍目から見れば、折角綺麗なメイクをしているのに勿体無い。
尤も、山登りをする事から大体の生徒は円のようにジャージや動き易い服装で、能美子のようにお洒落を決めている生徒は見ないようだ。
素っ気無い態度がなんとなく冷たいように感じるものの、
「にゃー、にゃ!」
「はいはい」
煮干をねだるにゃーくんに応じつつ、刀は人それぞれだろうとあまり気にしなかった。
今日の事だって、能美子は泉先生が山登りすると聞いて「何かあったら危ないし、桜庭さん達も行くって言うし付いて行ってあげるわよ」と同行を申し出たのだ。
さり気なくにゃーくんに水を準備している辺りからしても、捻くれた表面とは違う部分がちらりと顔を覗かせている。
「そうだ……御剣君、あの時はすまなかったな」
「あの時? ……ああ」
その様子を見守っていた櫻が、ふいに口にした謝罪の言葉に、刀は初めて三百年桜を探した時の事を思い出す。
一年生たちに付き添っていた彼女は、霧の中から近付く影にろっこん【姫鶴一文字】で呼び出した日本刀の切っ先を向けた事があったのだ。
結局、姿を現したのは単独で三百年桜探索に挑んだ刀だったという寸法なのだけれど。
刀は元々鋭い眼差しを僅かに和らげ、あまり気にしていなかった事を伝える。
「得体の知れないものから、後輩を守ろうとしたんでしょう? そういう気概を感じました」
「……そうか」
真剣を扱うという事を重く考えている櫻は、それを人に向けたのも含めて引っ掛かっていた胸の澱がすっと解けていくのを感じた。
「律儀な人ですね」
と刀は口角を上げる。
剣術に心得のある彼は、櫻の構えを見ただけでそれが素人のものではないと分かった。
彼女の得意とする抜刀術のものではなかったが、思い出すと頼もしさと共に挑戦心のようなものが沸いてくるのを感じていた。
「ところで君たち、そのスコップで一体何をするつもりだね?」
泉先生は
骨削 瓢
と
民谷 鋭二
、
山田 花太郎
らに目を留める。
彼らは、帰りに桜の群生地から穴を掘って猫鳴館の地下に繋げるという壮大な計画を立てていた。
「それは面白いな。だが俺の立場からは、止めておきなさいと言うしかないなぁ」
楽しげに笑った後、泉先生は釘を刺した。
「え、なんでだよ先生」
右にぴょんと跳ねた髪を揺らして鋭二が目を丸くして尋ねると、彼は口角を上げたまま説明する。
「トンネルを掘るには、ただ穴を掘れば良いってモンじゃない。
人の手で掘れる範囲なんてたかが知れているし、地質によっては掘るのも難しい場所もあるだろう。
固い岩盤なんかに当たっちまえば、お手上げだ。
水脈にでもブチ当たれば水浸しになっちまうし、ただ掘っただけじゃあ上からの重みで潰れかねないぞ」
付き添う教師としても、許可する訳にはいかないと告げる。
他にも自然保護やら土地の持ち主との折り合いなど、様々な問題があったりするが、若者の勢いやそれ故の若気の至りを愛する彼は、あえて口にしなかった。
「スコップやツルハシは荷物になるからな、職員室に預かっておこう」
こうして、地下帝国拡大の野望は潰えた。
はあと息を吐いて、鋭二は肩を落とす。
「登る前に終わっちまうとは……」
「まあ、まだ他にも目的はあるしねぃ」
腕を組んでにぃと歯を見せる瓢に、花太郎はフッとスカした顔をした。
「キヌという人物……千年以上を生きた者か。興味があるな」
「確かにおキヌさんの事も、彼女が知っている昔の事も気になるな」
日頃寝子島の民間伝承を調べて回っている鋭二も、密かな伝承にある人物やその背景には興味津々のようだ。
三人も、泉先生を先頭に歩き出した集団に続いた。
「この程度の山、難なく登りきってやるぜ!」
山に向かってビシッと指を差す花太郎。
その横には、変な奴だと思いつつ面白がっている様子の鋭二が歩いていた。
この時、あんな悲劇が起こるなんて、誰が想像しただろうか……。
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羽月ゆきな
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
動物・自然
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月08日
参加申し込みの期限
2013年05月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年05月15日 11時00分
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