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霧の中に佇む花
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●五里霧中●
もうもうと立ち込める霧で、前も見えない。
「大丈夫かい? テロリストはん」
瓢
は進むうちに距離が開き、その影を薄くしていく
龍八
を振り返った。
傷の痛みかこの状況にか、龍八は微かに眉をひそめながら視線を巡らす。
「……ここはどの辺りだ?」
三百年桜を目指していた一行から逸れた二人は、霧に巻かれて迷ってしまっていたのだ。
これ以上下手に動き回っても、体力を浪費するだけだろう。
「霧が晴れるまで待つか……」
立ち止まった龍八の許へ、ひょいひょいと瓢が戻ってくる。
「それにしても、なんであっしらはみんなと逸れてしまったのかねぇ」
――それは、あなた方が邪な考えをお持ちだったからです。
「……!?」
瓢は跳ねるように声のした方を見遣った。
霧の向こうに人影が見える。
――もう少し……霧を薄めて頂けませんか?
女性の声に応えるように霧は少しずつ晴れていき、薄っすらとキヌの顔形が分かるようになってきた。
龍八はその顔を凝視する。
「この霧は、あんたが操ってる訳じゃないのか」
「私にそんな力はありません」
キヌは伏し目がちに、穏やかに答えた。
「あんたがおキヌさん?」
「ええ」
瓢の問いにも、素直に頷く。
「邪な考えって言ったけど……あっしらが何か悪い事でも企んでると思ってるのかなぁ?」
「桜は不純な心を嫌います」
ニタリと吊り上げた口のままの瓢に、キヌは取り付く島もない様子で返す。
そして、何処か戸惑ったような面持ちで息を吐いた。
「それにしても、そこまで嫌われてしまうなんて一体……」
「どういう事だぃ?」
キヌは瓢の問いには答えず、龍八に目を向ける。
「そちらの方……お怪我をなさっていらっしゃるのでしょう?
落ち着いてゆっくり、前方へ歩を進めて下さい」
「……」
じり、と龍八の踵が地面を擦った時、足許の小石が背後に転がってパラパラと下方へ落ちていく音が聞こえた。
「なっ……」
瓢も気付いた。
深い霧のせいで見えなかったが、自分達が今まで歩いていたほんの数十センチ横は崖になっていたのだ。
「きっと、脅かすつもりだっただけでしょう。
森に危害を加えなければ、これ以上の事はありません……無事にお帰り頂けるところまで、ご案内致します」
「待て」
背を向けるキヌに、崖っぷちから離れた龍八が声を投げる。
キヌは足を止めて振り返った。
「今の落神は野々ののこと言う。こいつは『フツウ』を望んでる……押し付けがましい……。
『フツウ』を有り難がり盲信して守ろうとする――その『フツウ』に入れない追い出された奴などは排除……――殺すことすら躊躇わない奴もいる。
この怪我はそいつにやられた……。
ののこがいなければ、俺は俺の『フツウ』の中で暮らせた……それを邪魔するなら戦って勝ち取る……」
痛みを堪え淡々と語る龍八の言葉を、彼女はただ静かに聞いている。
「質問に答えて貰う……かつて平穏を望んだ為に人前から消えし者よ……。
今、落神の存在によって平穏は乱れている」
「……私は望んで人の前から消えた訳ではありませんが。
私に答えられる事であれば、お答えしましょう」
了承の声に、龍八は問いを紡ぐ。
「千年前……当時の朝廷は落神の討伐の命を出したか?
寝子島が記録に残る状態なら放置してるとは思わん。『土蜘蛛草紙』に描かれた源頼光が動いたように」
不穏な質問の内容に、キヌは表情を曇らせ着物の袖で口許を覆った。
「落神様の討伐など……出される由もありません」
きっぱりと言い放つキヌに、龍八は微かに目を見開く。
「何故だ?」
「人がそれを行う道理がありませんから。
……あなたは自らがもれいびである事をご存知で、かつ相応の知識をお持ちのようです。
でしたら、そのような事を私に問わずとも、自ずと理解していらっしゃる筈です」
キヌは静かに告げると再び背を向けた。
龍八がテオの事を話した上でカラスについて訪ねても、彼女は何も知らぬという。
「以前にいらした落神様にも、お会いした事はありませんでしたから……」
「ちょ、ちょっと待ってよぃ」
スタスタと歩き出したキヌを、今度は瓢が呼び止める。
ちょっと彼女を怒らせてみたいと思った瓢だったけれど、何をしたら怒るか見当もつかず、具体的な手段を講じている訳でもなかった。
「霧を操るのがあんたの力じゃないなら、あんたはどんな力を持ってるんだい?」
歩みを止めぬまま、ややあってキヌは答えた。
「私には、何の力もありません。出来るのは、ただ
大切な方々のご無事や幸せを祈る
事くらいです」
話しながらも歩き続けるキヌを見失わないように、後を追う二人を背に感じているのか、彼女は再び口を開く。
「――ただ、私にも分かる事はあります」
そう言って紡がれたのは、龍八に対して投げ掛けた言葉のようだった。
「あなたは目の前に答えがあっても、正しく見ようとはしていない……私にはそう思えます。
筋を違えた願いの為に動いても、本当に望むものは得られませんよ」
それが、彼女からの精一杯の忠告だったのだろうか。
以降は無言のまま、霧の立ち込める山を下っていく。
桜の群生地の南西側の入り口付近で、龍八と瓢は泉先生と生徒たちの姿を発見した。
「お前たち……! 今まで何処に行ってたんだ?」
「あ、そうだった! 骨削迷子になってたんだっけ!」
「忘れてたのかよ、民谷……いや俺様も忘れていたがな。はははは!」
二人の姿を見付けるや否や、刀と地下帝国の面々が早足で歩み寄って来る。
振り返っても、もう霧は薄くキヌの姿もない。
「……」
何処か険しい眼差しの龍八を横に、小淋がメモ帳にサラサラと文章を認めた。
『とにかく、そろそろ山を降りましょう。お怪我にも触りますし……』
「今手当てが必要な傷でもない限り、手の出しようもありませんしね……」
極夜も静かに微笑み、肩を竦めた。
●島の川釣り・その後●
バケツに揺れる水の中で、小振りな魚が尾をひらひらとくねらせている。
ヤマメ3匹、イワナ1匹。
猯利
の今日の釣果だった。
そろそろ日も傾いてきたし、潮時か……と移動しているところで、彼は桜の群生地を去ろうという泉先生たち一行と遭遇した。
「お、釣れたのかい? ……ほう、ヤマメにイワナか」
どれどれとバケツの中を覗き込む泉先生。
「ヤマメは今が最盛期だからな。こいつはあんまり食いでがなさそうだが……」
泉先生は呟きながら顎を摩る。
伝説や他人の言動にはあまり興味のない猯利も、釣りの話には強い関心を示す。
「だが、これは君の腕の問題じゃあないな。
源流近くの水が綺麗すぎて、魚の餌になるものが少ないんだろう。
そうだね……もっと下流の方、変電所の辺りなら大きく育った魚が数多くいるんじゃないか?」
墓地の側は、そういったものを気にする者には向いていないけれどと添えながら、泉先生は猯利と肩を並べ歩いていく。
(……おキヌさんの方の結果を聞くの、忘れてたな)
猯利はふと思い出したが、彼にとっては有力な釣り場の情報の方が重要だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
羽月ゆきな
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
動物・自然
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月08日
参加申し込みの期限
2013年05月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年05月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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