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六年三組
白石 妙子
は出掛ける用意を始めた。テーブルの上には新聞の折り込みチラシが置いてある。特価品に赤い丸印が小さく添えられていた。
「出掛けましょうか」
チラシを折り畳んでポケットに入れた。いそいそと玄関に向かってパンプスを履く。そこで動きを止めた。黒いエプロンに視線を落とす。
――近所に買いに行くだけですから。
そそっかしい自分を笑って妙子は家を出た。
「そろそろ行きましょうか」
職員室にいた先生が妙子に声を掛ける。はい、と少し泳ぐ目で答えた。その横には
桃川 圭花
が呆然とした様子で突っ立っていた。
「どうしました? 桃川さんも付いてきてください」
「え、はぁ?」
気の抜けたような声を返した。二人は揃って歩き出す。圭花が慌てて後を追い掛けた。
廊下では先生が先を歩いた。妙子と圭花は後ろから静々と付いていく。
「……ちょっと、これってどういうことなのよ。なんで私達が寝子小の転校生になってんの?」
「どうしてでしょうね。私は近所のスーパーに買い物に出掛けたはずなのですが」
「だからエプロンなのね」
「桃川さんはランドセル、とても似合っていますよ。いいですね、小学生らしくて」
妙子はにっこりと微笑んだ。圭花は苦笑いを返した。
――いやいやいや、良い訳ないでしょ。なんで高校生の私が小学生なのよ。白石さんなんて、どう見ても主婦でしょ。
眼鏡の奥の目を細めた。妙子の顔を食い入るように見る。
「……やはりエプロンはヘンでしょうか。私も出来ればランドセルが良かったです」
「そういう問題じゃないかな」
言いたいことを呑み込んで息を吐く。
前を行く先生の足が止まった。
「ここが私達のクラスです。少し待っていてください」
先生は六年三組のクラスに入っていった。
圭花はプレートを見上げた。
――六年かぁ。まだマシかなぁ。でも、目立つだろうなぁ。私の身長って173もあるんだよねぇ。
それとなく目が斜め下に向かう。
――小柄な白石さんが羨ましい、ってことはないわね。エプロンの印象が強烈すぎて。
間もなくして二人は先生に呼ばれた。
「行きましょうか」
「行くしかないわね」
意を決した二人が教室に入ると生徒達のけたたましい声が飛んできた。
「でっけぇ!」
「おさげの色がヘン!」
「エプロンってなんだよ!」
端的でいて的確。圭花は歪な笑みを返した。見た目を少しでも改善しようと髪に手をやる。指先が耳朶に触れた瞬間、表情が強張った。
――ピアスが付けっぱなしになってる!? 没収されたらたまんないんで、おさげはやめてストレートみたいな感じで耳を隠せば誤魔化せるかな。
「海から出てきた人っぽい!」
「頭にワカメが乗ってる!」
「ストレートって言いなさいよ!」
圭花が遣り返すと生徒達は即座に反応した。
「ストレートに言ってんだろ!」
「ストライク!」
頭が痛いという風に圭花は額に手を当てた。傍らでは妙子が生徒達を微笑ましい目で眺めていた。
先生に促されて二人は簡単な自己紹介を済ませる。
「良い自己紹介でしたよ。二人が早くクラスに馴染めるように委員と係を担当して貰います。そうですね。白石さんは保健委員とプリントを配る係をお願いします。桃川さんは図書委員と配膳係でいいですね」
「わかりました」
「わかったわ」
二人は用意された席に向かった。小さな机とイスに戸惑いながらも座る。
「それでは次の授業の用意をしてください」
退出後、別の先生が教室にやってきた。一時間目は国語であった。
妙子はおろおろして机の中に手を入れる。教科書とノートが用意されていて途端に表情が和らぐ。圭花も同じでランドセルの中から教材を取り出した。
「国語ねぇ」
机に出した教科書の頁をパラパラと捲る。圭花は問題を見て鼻で笑った。
――ま、小6なんて、こんなもんよね。すらすらと解けるわ。
眠気を覚えたのか。小さく欠伸をした。目元を指で拭うと急に表情が引き締まる。
――これってゲームでよくある、『強くてニューゲーム』ってヤツじゃないの?
そうよ、絶対にそう! この状態で勉強していったら、姉妹達を抜くことだって夢じゃない!
黒板に問題が書かれた。圭花はにんまりとする。わざと背筋を伸ばして目立つようにした。
しかし、先生に当てられることはなかった。別の生徒が次々に答える。
――なんでよ。答えはわかっているのに。早く当てなさいよ。
心中の思いは届かず、授業は終わってしまった。圭花は力ない笑いを見せた。
その時、他のクラスの女子が教室を覗き込んだ。
「ねえ、プリント係の人いる?」
「はい、私ですが」
教科書を机に戻した妙子が急いで向かう。女子はA4くらいの大きさの封筒を差し出した。
「職員室で頼まれたから渡しておくね」
「わざわざ、ありがとうございます」
一礼して封筒を受け取った。表面には算数の答案用紙を示す言葉が書かれていた。
「早く配らないと……」
言葉に反して動きが鈍い。誰かを探すように目だけが動く。ちょうど顔を上げた圭花と視線が合った。
妙子は圭花の元に走った。
「あの、桃川さん。テストの答案用紙を配らないといけないのですが、転校生の私には皆さんの名前がわからなくて。どうしたらいいのでしょうか」
「あのね。私も転校生なんだけど」
「ああ、そうでしたね」
妙子の表情が緩んだ。圭花は苦笑いで席を立った。
「配ろうとするからダメなのよ」
「はあ、そうなんですか」
「まあ、付いてきなよ」
圭花は教卓に向かった。妙子は封筒を胸に抱えて付いていく。
「はいはい、そこらのちびっ子は、こっちに注目してね!」
「あ、あの、何をするつもりですか?」
妙子は小声で圭花を見上げる。
「心配しなさんな。封筒を借りるわよ」
「あ、どうぞ」
受け取った封筒から適当に一枚を引っ張り出す。点数は無視して名前欄の書き込みに目をやる。圭花は答案用紙を高々と上げて振り始めた。
「上田浩二君、算数の答案用紙を取りに来てねー」
隅の方で談笑していた男子が目を剥いた。
「お、おい、点数が見えてるって!」
慌てて駆け出した。圭花が差し出した答案用紙を必死の顔で奪い取る。
「ね、簡単でしょ」
「そうですね」
名前を呼ばれると即座に飛んできた。待機する生徒も出て来て物の数分で配り終わった。
余裕を持って算数の時間を迎えた。
圭花は頭を下げていた。開いた教科書から目を離さない。片方の足が小刻みに動いている。
――これはマズイ。何となく解き方は覚えてるんだけど、自信が持てない。小6の問題で、こんなに苦戦するなんて。
もしかして、この頃から進歩してない? いやいや、それはないって。たまたまだって。次の授業からが本番よ。
誰にも等しく時間が進む。大きな波乱はなく、たまに生徒が問題を当てられた。その都度、圭花の肩がビクッとする。
「今日はここまでにしよう」
先生の一言に圭花は天井を見上げた。全身の力を抜いた状態となる。
「なんとか乗り切ったぁ~」
「お疲れ様でした」
妙子がやってきて労いの声を掛けた。
「次は家庭科室に移動になるらしいですよ」
「そうなんだ。私は目が悪いから細かい刺繍は苦手だなぁ」
「奇遇ですね。私も裁縫は苦手でした。体育よりはいいのですけど」
二人は見合って笑う。他の女子に声を掛けられ、家庭科室へと案内された。
家庭科室にはミシンがあった。必要な生地や綿、裁ち鋏の道具類も揃っていた。長机に座った妙子はホワイトボードに目を移す。先生の手によって課題が書かれていた。料理に使う鍋掴みの制作に自然と顔が綻ぶ。
――家でも使えるので重宝です。頑張って作りましょう。
先生の手順で生地から手袋の形を切り出した。早くに終わった者から順にミシンで縫い合わせる。
妙子も番が回ってきた。二枚の生地を重ねて縁を縫っていく。
――あ、少し曲がってしまいました。
修正の為に反対に曲げる。更に手を加えた。ミシンの縫い目が微妙に波打つ。
――恥ずかしい、こんなに歪むなんて。使い慣れていないミシンのせいにしたいのですが、わかっています。家で練習しないと、ダメですね。
静かに奮闘する中、圭花の声が聞こえてきた。
「ああ、また歪んだ! ミシンの調子が悪いのよ!」
「……本当に似ていますね」
穏やかな表情となって妙子は授業に打ち込んだ。
その後の給食を二人は見事に平らげた。残りの授業では眠気と戦い、溌剌とした様子で掃除に励んだ。新しく出来た友達と笑顔で別れ、転校生としての一日を終えるのだった。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月06日
参加申し込みの期限
2016年09月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月13日 11時00分
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