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モノクロームと老婦人
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▼君とかくれんぼ
すとんと明かりが落ちるように、突然色彩を失った街。
気づいたら、
霧谷 朧
は独りだった。
いつもおどけた笑顔を浮かべている彼であるが、誰にも見られていないなら話は別だ。
「これまた不思議な世界に、巻き込まれたなぁ……」
真顔でひとりごちる朧の前を、すうっとサイズを無視した猫の影が連れ立って走り去った。
影が向かった方へ、なんとなく付いていく。
小さな児童公園。
踏み込めど。平時なら、わらわらと朧の足元に寄って来て、ブランコの後ろに立って背中を押して欲しいとせがむ、子供の姿もない。
「さっきから影は横切るけど、姿はないってどういうことなんよ?
公園も普段と変わらないのに、色がないだけでこんな寂しい世界になるんだな……」
多感な子供達の目を楽しませる、色鮮やかだったはずの滑り台が、暗く寂しい表情に見え。
すねた子供がするように、朧はブランコの鎖に手を伸ばし、揺らす。
揺れるブランコは無彩色。現実味を感じないのに。
伝わってくる金属の冷たさと質感は、確かな存在を主張している。
朧は、そこだけが切り取られたかのように浮いて見える、自身に視線を落とす。
「自分だけ色がついてる。……自分ってなんだ? なんで自分は存在している?」
誰一人、聞いていない言葉を無意味に紡ぐ唇を、引き結ぶ。
なんで自分はここにいる? いらないから、あそこに入れられたのに!
色を失った風景。
オーバーラップするのは、生みの親である両親に厄介者として、施設に預けられた幼い日。
両親が去った門扉は、開かれるたび、朧が期待を籠めて顔を上げても。
迎えは来なかった。
焦燥と諦めが、ないまぜになった傷みを覆い隠すように、ただ若い日々を詰み上げて。
今、朧はここに立っている。
「なんでまだ自分は……くそっ、もう忘れたはずなのに。思いだしたくもないのに……!」
僅かに軋んだ音を立てて、朧の手の中で灰色の鎖が、キィと鳴いた。
もういいかい?
「ニャー」
戯れに発した声は、仕込まれた変声機越しのもの。
幼い子供を思わせる、独特の甲高さ。
無人のショッピングモールを散策する、場違いに鮮やかな巨大なピンク頭のネコ着ぐるみ。
蜂須賀 ルド
だ。
頭だけ着ぐるみを被った姿だが、驚いて振り返る人影も今日はない。
「なんじゃこりゃあ、だぜ」
キョロキョロと辺りを見回しながら。
ワゴンに積まれたまんまの雑貨を手に取るも、いつもならすぐに声を掛けてくる店員の姿も、着飾ってデートを楽しむカップルの姿も。
ルドを指差して、声を上げる子供も。
達観して、ベンチでまどろむ老人も。
誰かに連れられた、ペットの犬も。
いない。いない。
いない。
まるでどこかに、かくれんぼ。
もういいかい?
手に取った雑貨も、やっぱり無彩色。
「色がねぇぜ。こう言うのはよ、ものくろっつーんだったかよ」
ロゴの入ったウィンドウに移ったルドは、変わらずピンクのネコ頭で。
モノクロームのポストカードのような世界の中で、ひときわ浮いて見えて、まるで心象風景のようだ。
ルドの着ぐるみネコの、ビー玉のような瞳の表面を、鳥の影がすうっと横切る。
「まあ、折角だからよ、ちょっと遊んでみるか、だぜ」
本人が称した通りに、お遊びを試す。
人目に触れない、今のうちに。ルドは帽子屋の前で立ち止まる。
ショーケースの中から、お気に入りを見つけると、ルドはしっかりとそれを視界に入れる。
そうしてろっこん『ディクテイターの物々交換』で、被っていたネコ頭と、ショーケースの中の帽子を入れ替えた。
体積に差があるので、少し時間がかかってしまったが、ショーケースにさも当然といった顔で鎮座する、ピンクネコと見詰め合って、くつくつと笑う。
「超目立ってんじゃねーかよ、この、ニャー」
視線を流して、次は同じくらいの大きさの、少し違うデザインの帽子を入れ替える。
今度は、ほとんど時間はかからなかった。
おしゃれな帽子を矯めつ眇めつ。
しかし、不意に誰かが現れる事がないだろうかと、ルドの視線は一点に留まる事は無い。
曰く。
「何があってもおぼろ以外に素顔を見られるのはよ、アカンだぜ。恥ずかしいぜ」
だ、そうである。
ルドの素顔を見て許されるのは、ルームメイトの朧だけなのだ。
「あ、でもよ、もしかしておぼろもここにいんのかよ?」
逡巡し、ルドは再びネコ頭を取り戻すと、帽子屋を後にした。
「なんだよおぼろ迷子かよーだぜー。仕方ねぇからよ」
もういいかい?
「探してやるぜ」
ちょっと不遜で、尊大な友人がそよそよとネコ髭をそよがせながら、歩き始めた。
公園から、朧は動けずにいた。
のんびりと流れる雲を、見上げて。不釣合いなブランコに腰掛けて。
もうすっかり、ブランコを漕ぐには、長すぎる脚。
「いっそこのまま。自分の色もなくなって、モノクロに溶け込んでしまえば、楽になるんかな……」
独りでは、もてあましてしまう日々。
もういいかい?
朧は、その目を手で覆う。
消えてしまって、もういいかい?
「おぼろぉーみーつけたーだぜー!」
ぬっと現れた、ピンクネコ。
「うぉっ?! なんだルドか……いきなりカラフルな頭があったから、驚いたんよ」
口から心臓が飛び出ると思ったんさ、胸を押さえて朧は言う。
「なーに言ってんだ、おぼろだって、からふるだぜ」
ネコ頭が幼子のような声で、揶揄った。
「ちょっち考え事してたんさ、自分もモノクロになれたらなぁって……」
ルドから目を逸らし。朧は、ちょっと物悲しげに笑う。
「なー!? 裏切り者ぉ! それじゃ俺だけが、仲間はずれだろ、だぜー!」
「冗談だって」
がくがくと、肩を揺さぶるルドは、いつも通りだ。
「この俺が心配して、探しに来てやったんだ、だぜ」
「へ? 心配してたって、そんなしなくて良かったんに……」
「なんでだよ? おぼろは俺とずっと一緒だろ、だぜー。勝手は許さんぞ、ニャー!」
当然と言わんばかりに、ルドは主張する。
朧の気鬱など、どこ吹く風に。
「ともあれ! ちょうど腹も減ってきたしよ、帰って寮で飯食おうぜ。ペコペコだぜ」
お腹を撫でれば。
「ん、わかった。帰るか、甘いもの食べたいんよー」
キャラキャラと笑いながら、よく喋り、先を歩くネコ頭の背中を追いかけながら。
朧は自然と、前を向く。
自分を心配してくれる人がいる。
自分の居場所は、ここにある。
「……ルド、ありがとな」
「あー、なんか言ったか、だぜ」
「別に、なんも言ってないんよ」
もういいかい?
まーだ、だよ
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
メシータ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
冒険
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年06月14日
参加申し込みの期限
2013年06月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年06月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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