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▼月詠のキャンバス
つんと澄ました、コミカルでちょっと毒のある猫の似顔絵の下に、『犯人はテオ』の赤文字が目立つ。
描いた
旅鴉 月詠
は、この事態にほとんど動じていなかった。
差し迫る危険があるなら、テオから何らかのアクションがあるだろう。
鴉のクローネが、ちょっかいを掛けて来ている形跡も無い。
「大方、うっかり発動し『まあ大丈夫だろ』と放置しているのだろう」
月詠の言葉を裏付けるように、テオは現実世界で、肉球をピンクにして寝ていた。
「神と猫は気まぐれと決まっているが、無関係の者を巻き込んだ責任は、取ってもらおう」
そこで、この指名手配である。
効果はてきめんだったようで、最初に見た
桜井 ラッセル
などは、腹を抱えて笑っていた。
そんなラッセルは、先ほど電車の窓に四月を見かけて追いかけたが、諦めて舞い戻ってきていた。
「やっぱ電車は、はえーな……」
飛び回って疲れたのか、シーサイドタウン駅のベンチで、ぐったりと座り込む。
「間に合わなかったか。ほら、飲むといい」
月詠がソフトドリンクの入ったペットボトルを、寄越してきた。
ラベルは白黒だが。
「うお、サンキュー……」
凝視するラッセルに、月詠は足元の塗料を移動させながら、事も無げに言う。
「心配はいらない。私も飲んでみたが、味は変わらなかったぞ」
「さ、さよでっか……」
タハーと苦笑するラッセルも、一口。
火照った身体に、染み込んでくるようだ。長く息を吐くと、気持ちも落ち着いてくる。
「さて。無彩色ばかりで、閉鎖された空間だ。
いつ時間切れになるか解らないが、色のない世界はヒトを狂わせる。
幸い、有限とはいえ私の手には画材がある。
動いても仕方ないし、此処に来た者達が狂わぬよう、彩色していこう」
ペンキで汚れないよう、月詠は慣れた手つきで長い髪を束ねると、お気に入りのキャスケットの中に仕舞った。
「あ、ペンキ運ぶのくれーは、俺も手伝うよっ!」
お手伝いを志願したラッセルに、月詠はガーネットの瞳を、しらっと向けた。
「何を言ってるんだ?」
「え? ……お、俺、邪魔かな?」
本当は絵が好きだが、イマイチ自分に自信を持てないラッセル。
月詠の言葉に、つい物怖じしてしまうが。そんなラッセルに、月詠はペンキ缶と刷毛を渡して言い放つ。
「君も描くんだ。それとも私一人に、短時間でこんな広いスペースに、描けというのか?」
「え……えええええ???」
「ギャグはいい。この道路には、朝顔を描こう。もう夏になるし。異論はないな?
描き方なら私が教えるから、ラッセルはその通りに描いてくれればいい。頼んだぞ?」
「は、はひっ!!」
力一杯返事をする弟子に、追加のペンキを渡すと、月詠はざっと道路のスペースを見渡す。
大きな絵を描くには相当の勘が必要になるが、月詠は迷う事無く朝顔を立てる支柱と、自由なセンスで斜めに走る絡む蔓、花と葉の構図を決めていく。
「まずは葉から。こうして形を決めたら、乾く前に濃い色を重ねて流しながら、グラデーションを作るんだ。
刷毛の水分量に注意して、暗い方から明るい方へ。まずは画面の奥、目立たない所から練習だ。
慣れたら、最後に手前の大きな花を仕上げてくれ」
「お、おう!」
見よう見まねで、ラッセルもグラデーションを作っていく。
扱い慣れない刷毛に最初こそ苦戦するが、元より好きなジャンルの作業。すぐに順応して、次第に葉の枚数を増やし。
一枚一枚の葉に、楽しみながら個性と命を吹き込んでいく。
ラッセルの手元も覗き込んだ月詠も、こくりと頷いて。
「やるじゃないか」
桜色の唇に、薄い微笑みと、賞賛の言葉を乗せた。
そんな彼女は、朝顔をラッセルに任せて、壁面に海や跳ねるイルカを描いていた。
彼女が魅せる青の深い表現力に、ラッセルの胸も熱くなる。
(やっぱ、絵を描くのは楽しいなー……)
猫型付箋を童話の主人公達が、パンくずを落とすように貼りながら。
トシコについてやって来た、
普堂 しおり
をはじめとするメンバーは、シーサイドタウン駅を目指していた。
笹暮 真秋
は
吉祥寺 黒子
と交代で、トシコを背負っている。
無口で無愛想な真秋だが、ここにいたって世話好きの一面を露呈していた。
神薙 焔
と
畑生 言嗣
は、相変わらず会話が噛み合わないが、端から聞いている分には漫才のそれに似ていなくもなくて、微妙に和む。
しおりもトシコを不安にさせまいと、ここまでずっと喋り通しだ。
「鈍色の世界……テオの毛並み色だね。虹とか青い花びらが舞ったら、綺麗だろうな~」
しおりが頭の中に思い描いた世界は、ロマンに満ちている。
そんなロマンも、時々通り過ぎる大小さまざまな鳥の影が、鴉に見えて怯えてみたり。
猫の影付近へ、ろっこん移動してみようとして、実体がないから失敗したり。
皆の疲れを察知した黒子の提案で、休憩のため借りたレストランの厨房で、パスタやじゃこと豆腐サラダを作ってもらって食べたり。
案外、冒険でもあった。
「おいしい! 将来は、いいお嫁さんになれますね」
「……あん? 別にモノ作りが好きだからやってるだけで……いい嫁さんとか、目指してねーつうの!」
唇を尖らせる黒子姉さんの、ちっちゃい頃の夢は、ズバリかわいいお嫁さんだった。
「顔に嘘だと書いてあるようだが?」
「なっ!? 畑生、適当な事を……」
「……おばちゃん、美味しい?」
「ええ、本当にいいお嫁さんになれそうね」
「だって、トシコさんのお墨付きよ。良かったわね」
「……お、俺を、からかって遊ぶな――っ!」
素直じゃない黒子に、一同の明るい笑い声が響いた。
そして。
「ようこそ落書きの世界へ」
月詠とラッセル、そして出迎えた大キャンバスに息を呑む。
「まあ、凄いわ! あなた達が描いたの?」
「綺麗ー!」
「さすがだな」
「朝顔の花言葉は『平静』、見たものが落ち着くように。そして『儚い恋』。
今はハプニングで色はないが、じきに何とかなるから。トシコさんも終わるまで、此処にいたら良い」
「ふむ、思いがけずいいものを見せてもらった。
しかしトシコ婆さんは、何か目的があって、ここまで来たんじゃないかね?」
真秋におんぶされたまま、目を輝かせているトシコに、言嗣が問う。
「いいのよ。私が用があったのは、ここの駅だから」
トシコはおっとりと笑った。
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担当ゲームマスター
メシータ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
冒険
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年06月14日
参加申し込みの期限
2013年06月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年06月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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