this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
パーフェクトワールドⅢ ~迷い仔達は異界の城に踊る~
<< もどる
1
…
17
18
19
20
21
…
24
つぎへ >>
鍵を求めて別の部屋へ向かった者もいれば、『傲慢の温室』に残った者もいる。
後者を選んだひとりが、
呉井 陽太
である。
「――癇癪は収まった?」
クローネへと掛けられた声は、どこか硬質なもので。
場に幾らかの緊張が走る中、犬杜 初が険のある眼差しで陽太を睨みつけた。
「何? クローネ様に何か用?」
「そう、話があるんだ。大事な話だよ」
陽太の声の、常ならばのんびりとした調子がかなり薄くなっている。
初が何か言い返そうとするのを、その肩に止まったクローネが漆黒の翼で押し留めた。
「いいわ、聞いてあげる。初、あんたは……」
「じゃあ初ちゃんは、ボクとお話しよう! ねっ?」
横から初の手を握ったのは、吸血ぬいぐるみのきゅーちゃんを連れた
桜庭 円
だ。
初の顔に逡巡の色が乗ったが、クローネに目で促されて、
「よーし! じゃあ行こう、初ちゃん!」
と、円に連れられるままに初はクローネの傍を離れた。
しきりにクローネの方を気にする初へと、円は明るく声を投げる。
「初ちゃんって、可愛いものが好きなんだっけ。ねえ、きゅーちゃんは好き?」
この子可愛くない? ときゅーちゃんを初の目前にずずいっと近づける円。
今はそう見えるわね、と、初は吐き捨てるように言った。
その反応に、苦笑を漏らす円である。そして、
「……ねえ、クローネに何を救われたの?」
円は、天気の話でもするような調子で、ずばり核心に切り込んだ。
呆れたようなため息が、初の唇を震えさせる。
「……それ、ういが話すと思った?」
じとりとねめつけられて――円は赤の双眸をきらと輝かせると、
「GO、きゅーちゃん! ズバッと!」
と、思い切りよく初の首筋に、無理矢理口を開かせたきゅーちゃんの牙を突き立てた。
(人との関わりを恐れるような何かが、あったと思うんだ……)
痛みに、初の肩がぴくりと跳ねたのは一瞬のこと。
ぼんやりと表情を弛緩させる初を前に、円は先に異空間でも零した問いを繰り返す。
「初ちゃん、君には一体何があったの?」
「皆……ういから、離れていった……嘘吐きだ、って」
「嘘吐き?」
「……苺になんて、ならないじゃない、って……」
その言葉に、円は何となくの事情を察した。
ろっこんは、発動条件を満たしていても上手く働かないことがある。
人前で能力を行使しようとするならば、それはなおのこと。
瞳に正気の色を取り戻した初が、暫しの混乱の後、円を睨みつけた。
「あんた、何するのよ!? ういは、その生き物のこと知って――」
「……きつかったね、初ちゃん。周りが手のひらを反すのは辛いよ」
紡がれ掛けた怒声が、ひゅ、と初の喉の奥に引っ込む。
「ボクも同じ環境だったら、自棄になってたかも。でも、孤独になろうとしちゃ駄目だ」
周りもきっと解ってくれる日が来ると、円は真摯に言った。
また険しくなる、初の眼差し。
「あんな奴らに――ういを裏切った奴らに、解ってなんて貰わなくていい!」
「だとしても、居場所は勇気を出せば幾らでも作れる。諦めたら、ずっと変わらないよ」
諦めてなんか、と呟く初の声は既に勢いを失くしている。
「一閃さんもボクもいるし……ねえ、うちの高校に来ない? もれいびも沢山いるし」
「っ……」
「クローネの協力者でもいいんじゃない? 公私分けるって大人じゃん」
一度一閃さんとお話してみなよ、と締め括れば、初は、ようやっと少し笑った。
「クローネ様の言う通り。あんた、変わってるわ」
微かな笑みに、円は満面の笑みを以って応じてみせる。と、その時。
「初ちゃん」
初へと、背後から声が掛かった。ノートを手にした
大天使 天吏
だ。
「植物の中に、宝石の森やお菓子の森に関するものがないか探しているの」
手伝って貰えないかしらと小首を傾げられて、初は天吏の元へ。
天吏の傍ら、初が潜めた声を投げた。
「それって、何か役に立つの? クローネ様がお喜びになる?」
問いに応える代わり――天吏は優しげな微笑をそのかんばせに纏わせて、音を紡ぐ。
「何を言われたのかわからないけれど……大丈夫よ、初ちゃん」
――クローネ様は貴方を、貴方達を、私達を受け入れてくれるわ。
「……わかってる。クローネ様は、ういの味方だもの」
良かった、と天吏は笑った。甘く、柔らかく、絡め取るように。
「あのね、初ちゃん。一閃さんがいない時も、貴方のろっこんは、存在は、十分この世界の役に立っていた」
天吏は、初の手を両の手のひらでそっと包み込んだ。
真っ直ぐに、初の目を見つめる天吏。
初が欲しいものを、求めるものを、天吏はきちりと知っている。
(だから、クローネ様の手のひらの上で精々上手に踊って頂戴ね)
真なる目的は胸の奥底に上手に仕舞って、天吏は人形を操る為の歌を歌う。
「私は、貴方が誰かのおまけなんかじゃないことをちゃんと知ってるわ」
理解者の顔を綺麗に作って、初の心を呑み込もうとする天吏。
初の瞳の奥で、揺れる色があるのを天吏はしかと見留めた。
「……あの、ね」
初が、今にも掻き消えてしまいそうなか細い声で言った。
「うい、寝子島に戻ろうかなって思ってる」
天吏の目が、仄か瞠られる。初の手を掴む力が、知らず強くなった。
殆ど喉元を捉えていた獲物が、そんな血迷い事を吐くだなんて。
「初ちゃん、騙されないで。貴方は、クローネ様の元に残るべきよ、それが一番いい」
クローネ様を裏切るような真似はしないわよね、との言葉に、初は確かに頷いてみせる。
「そんな、そんなことはしない。それから、あんたのこともきっと裏切らないわ」
それは約束する、と初。再び声を重ねようとした天吏だったが、
「あっ、初ちゃん! 見つけたのです!」
その試みは、
椿 美咲紀
によって遮られた。
(もし日記の内容を知ったら、初ちゃんはショックだよね……このままじゃ危険だし)
と、仲間の治療を終えた後、初の姿を探していた美咲紀である。
「……何?」
初が、怪訝な顔で美咲紀に問う。
咲き誇る花のような笑みをそのかんばせから消して、ごく真面目な表情で美咲紀は声を零した。
「あのね、今からどうするのかが大事だと思うの。間違っていた事は償う事もできるし」
「間違い? ういが間違ったって、誰が決めたの? 今からどうするのかだって、うい、もう考えてるから」
頑なな態度に、眉を下げる美咲紀。
目の前の相手を案じる気持ちは本物なのに、想いが上手く伝わらないのは歯痒い。
(じっくりお話するの、初めてだもんね。警戒されてるのかも)
だとしても――ここで彼女のことを諦めてしまいたくない。
美咲紀は、懸命に言葉を紡いだ。
「とにかく、ここから皆が無事に帰れることが何より大切なのです! 勿論初ちゃんも一緒に、ね?」
初は、何も応えない。
美咲紀が表情を曇らせるのを目に、天吏は聞きそびれた初の発言の真意について思いを馳せた。
<< もどる
1
…
17
18
19
20
21
…
24
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
パーフェクトワールドⅢ ~迷い仔達は異界の城に踊る~
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
前回シナリオ
パーフェクトワールドⅡ ~苺の宮殿に堕天の鴉は嗤う~
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年10月15日
参加申し込みの期限
2016年10月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!