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道すがら ――冬、2月の頃――
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一面の雪だった。
「わー! 雪だ、来島! 獅子目! 僕らが映画見ている間に降ったのかな?」
玄関を開けた
ロベルト・エメリヤノフ
が白い息を吐き出し、歓声を上げた。夏になったり雪が降ったり寝子島は忙しいが、一々新鮮で驚くばかりだ。
コートを羽織っていても寒く、マフラーを持っていてよかったと後ろを振り返る。
「朝日が眩しい」
次いで出てきた
獅子目 悠月
は喉を守るようにマフラーを巻き直し、暖房の効いた家から出た瞬間外のその寒さにうんざりしつつ、夜更かし仲間に視線を移した。
「うー、夜更かししたから眠い、ぞ……」
最後に出てきたコートに手袋、マフラーと完備防寒スタイルの
来島 アカリ
は、逆にぬくい為か眠気が増した様である。降り積もる雪に心密やかにそわそわしていたりするが、ふたりの手前表情に出さないように努めているのもあり、アカリが三人の中で一番眠たげに見える。
「ま、確かに。どうも眠いな……夜更かししたからかな」
ロベルトにふたりは頷く。
「誰だっけ最初に言い出したの」
確か水族館でアカリから貰ったコップをせっかくだから使うぞと言うことで集まり、コップに飲み物だけでは味気無いと彼らはミュージカル映画を観ようと悠月の部屋で盛り上がったのだ。ただ盛り上がり過ぎて夜通しになってしまった。
「いいじゃん。面白かったんだから」
ロベルトの振りにアカリは些細な事と欠伸を噛み殺す。
最初こそ雑談交じりだった鑑賞会が後半になるにつれて演出に驚き物語に引きこまれ無言になり気づけばテレビ画面に釘付けになってしまって、時間の感覚を忘れ心ゆくまで三人は楽しんだ。
「次の日も学校だったのを忘れてたのが問題だったな」
アカリの言葉に悠月も頷く。
映画を見終わってそのまま寝ればまだ間に合うはずがそのまま映画についてああだこうだと言っている内に朝を迎えてしまったのだ。
話に夢中になって頭はフル回転で休まる時間があるはずもなく、正に三者三様の寝不足加減である。
「じゃあこのままサボっちゃう?」
眠いし、寒いし、とぼやくと損なわれるのはやる気で、それが三人分集まれば勢いもつくというものか。美少年にモテる為にも模範生を気取りたかったロベルトが損なう気分に流されたのか、いい事思いついたとばかりに二人に提案した。このままサボって三人で日常からはずれた冒険がしてみたいと心揺さぶられているのはミュージカル映画の影響も多少はあったのだろう。
「サボっちゃダメ、です……ちゃんと学校は行かなきゃ」
しかし、学生は学生と、アカリは不良は良くないと断った。
「眠いから寒いから、だからと言ってサボるのは……惹かれはするが、煩いからな」
悠月も提案には乗れないと自分の気持ちを濁した。
「ダメー?」
自分の船に乗ってくれないふたりを見送るロベルトが雪を弄びながら残念そうにしているのを眺め、悠月は苦笑いを浮かべた。
悠月にとってサボるという行為自体は非日常を伺わせ惹かれはするものの、それを実行に移すには煩わしさを感じてしまうのだ。煩い、と思ってしまうその理由を見出そうとすると実家を思い返してしまい、悠月は少し苦い顔になるのを隠すように先に行く。
「ほら先輩、早く行かないと遅刻しちゃいますよー?」
「そうだけどね……えいっ」
「ひゃっ…!?」
悠月に遅れてはならないとアカリはロベルトに振り返り、加減されながらも直線的に投げられた雪球をもろに受けた。
「ろ、ロベルト先輩、なにするんですか……」
ロベルトに非難したアカリは愕然とする。
「もー、コートに雪ついちゃったじゃないですか……遊ぶにしても今じゃなくていいでしょ、ほら行きますよ」
「雪合戦しようよ!」
遅刻しちゃいますよとアカリにせっつかれるロベルトはめげなかった。「二人にそう言われてしまったなら、仕方ないね」とサボるのを止める代わりとロベルトは新しい遊びへとふたりを誘う。
「体動かそうよ」
「何故?」
雪投げの不意打ちという強引さに雪を払うアカリに変わって悠月が問うた。
「寒いでしょ?」
「……。 そうか」
「行かないでくれ! 運動するとあったかくなるよ!」
「室内に行けばもっと暖かくなるぞ」
ジト目になった悠月に一蹴されたロベルトはしょげた。それはもうしょげた。雨に濡れる、ダンボールに両前脚を引っ掛ける捨てられた子犬のように、しょげた。がっくりと両肩を落として一瞬だけ思い描き抱いた妄想を実現するには現実はなんて厳しいんだと大きな溜息と共に噛みしめる。
先に行くのもほんの数歩のみで、ロベルトが顔を上げるとふたりはきちんと待っていてくれた。立ち直ったロベルトにそれぞれが「行くぞ」「行きますよ」と促してくる。
それに気を良くしたロベルトは追いつくと、
「どっちかとぎゅーしてしまおうかなー……だって寒いし」なんて、懲りずに続ける。
事実寒いのは寒い。雪が積もったのだ。足元からの底冷えは寂しさも引き連れて人肌さえ恋しい。
しかし、訴えられた方は、雪合戦よりもハードルが上がったかと身構える。
「ぎゅーするなら獅子目にしてください」と恥ずかしささえ覚えてアカリはそれを拒否した。速やかに流れるようにパスされた悠月は僅かな沈黙を挟み、ロベルトに向き直る。
「5秒だけだぞ」
「え?」
「抱きしめてさっさと歩くならしてやらないこともないが、5秒だけだ。
早く暖かい場所へ移動したいからな」
やるなら早くしろ。
悠月から滲む甘さにロベルトは素直に喜んだ。前からか後ろからか悩んだのはそれくらいで許可が降りた手前遠慮も照れも無くロベルトは悠月に抱きつく。
密着と圧迫で空気が逃げ場を失った。
それを暖かいというのなら、体を動かす強引さが無い分だけ優しく、心地良い。
「……ああでも、意外と暖かくていいな」
小さく笑って呟いた悠月はなるほどと納得した。
「あれか、子供体温?」
「違うって」
くすりと笑い含むふたりを眺めるだけのアカリは、ふたりともよく堂々とハグできるな、と思い見てるのも恥ずかしいと目を背けた。5秒だけだしすぐに追ってくるだろうと彼らから背を向け歩き出す。
「て、もう5秒か」
囁き合う時間も許されず真面目に測っていたロベルトは惜しんでしまった。
「あっという間だったな」約束は約束と悠月は素っ気ない。
「五秒以上したいな……」
このままくっついていたい。寒いからか続けるロベルトの我が儘に、俺とは堪能したんだから次はあっちと悠月は標的を指差した。
「ほら、向こうが今なら隙だらけだぞ」
「そうだ……ね!」
「わっ……!?」
ね! のタイミングで背後から遠慮の欠片も無く抱きつかれたアカリは羞恥よりも驚愕が勝り、驚いて跳ね上がった心臓を押さえて声を張り上げた。
「ちょっと、誰がやっていいって言いました!?」
「獅子目!」とロベルトはけしかけた首謀者を指差すものの、
「獅子目が言っても俺がいいって言ってないじゃないですか!」
確か許可制のはずだったではないか! とアカリは趣旨をすり変えるなと、断固抗議する。
しかし、
「やめてくださいこんな誰が通るかわかんないとこで……」一人だけ慌ただしくしていることに気づいたアカリは、
「べっ、別に恥ずかしいわけじゃねーもん、いいから離してください……」平常心を持てと声のトーンを落とした。
我に立ち返ったアカリに、こちらも5秒かと、嫌がらせを目的にしていないロベルトはあっさりと離れた。
「そろそろバレンタインかぁ……」
それなりに満足したのか、2月の寒さに改めて気づいたのか、しみじみと零したロベルトにふたりはどうしたのだろうかと視線を送る。
誰が言い出すのでもなくごく自然に三人肩を並べて歩き始めた。
「いやぁ……僕、美少年からチョコ欲しいなぁ! なんて」
その呟きはどういう意味だろうかと疑問の目をしているふたりにロベルトは人懐っこい笑みを浮かべた。
「そろそろバレンタインだね……僕チョコほしいな。手作りチョコ」
言い直されても、疑問符は消えず、アカリは言葉を探す。
「チョコが欲しい、ですか……? えっと……頑張ってください?」
「どうして疑問形で僕が応援されるのかな? 欲しいって言ってるんだよ?」
「もー、どんなのがいいんですか、買ってきますから……」
「違うよ。手作り。それも美少年の! 美少年からほしいんだよ!」
「え、美少年の手作りチョコ……? どこで売ってんですか、それ……?」
煮え切らないアカリに、一歩大股に先に出て、くるりと振り向いたロベルトは二人にそれぞれ両手を差し出した。
「ちょうだい」
両手を広げ、ロベルトはふたりにねだる。
バレンタインだからチョコが欲しい。それはもう単純明快で。微笑ましいほどにも清々しかった。
お歳暮のようにチョコを配る行事じゃないのかアレは、と実家にいる時は毎年それなりに貰っていた悠月は少しだけ考えこむと「なるほど……まあ、世話になっていることもあるからな」と、たまにはチョコを配る側も悪くないかと興味を抱く。
「いいだろう用意してやる」
無論。
「買った方がうまいものは食べれるが、まあ……そこまでいうなら作ってもやろう」
「本当? よかった。もちろん二人の分は用意してあるよ! 来島にはイチゴの……獅子目にはビター……――」
なにも欲しいとただ口を開けて待っているわけではない。
その日の為にと構想は有るし、現物は言わずもがな。ロベルトには日頃の感謝を行事に則り形にして返す用意が整っている。
「先輩がそこまで言うなら作らないこともない、ですけど……あんま期待しないでください、ね?」
遣り取りの中、アカリは何度驚かされているのだろうか。疑問が疑惑に変わり、切に望まれると無碍にも出来ず、希望に叶うのならとアカリは無理矢理自分を納得させる。
「来島のチョコよりは期待していいぞ」
期待しないでというアカリを見て悠月はにやりと笑う。それを横目にしたアカリは「……獅子目よりはよっぽどマシなもん作れるっての」と真面目に思う。
「ふふ。二人とも期待しているよ!」
確約を得られば寒さも吹き飛ぶというものだろうか。サボろうなんて提案したはずのロベルトは早く学校に行こうと二人を呼ぶ。
バレンタインを過ぎれば雪が積もることは、もう少ないだろう。
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保坂紫子
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月25日
参加申し込みの期限
2016年09月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月01日 11時00分
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