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寝子島高校
道すがら ――冬、2月の頃――
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玄関を抜けると、そこは雪国であった。
「……ってかクソ寒い!」
モノローグに思わず大声でツッコんだ
新田 亮
は盛大にくしゃみをし、「あー」と身震いした。
某小説では雪に覆われた世界を美しくを綴っているのだが、今の彼はとてもそんな気分に浸れない。
何故ならば、寒いからだ。
見事な雪景色に、こんな日に外出等したくない亮はどうして今日みたいな日にも学校があるのだろうかと呪わずには居られない。
だからと言ってズル休みは論外だ。理由を聞かれて――どんなに嘘を重ねて体裁を繕っても、寒いから休んだとバレるようものなら周囲から寒さに負ける軟弱ものだと思われるのは必至。それだけは嫌だった。体面を気にして嘘をつくのも当然、嫌だった。
自分が許せなくなる。
律する心は自然と己自身に厳しさを求めるもので、寒いからどうこうとする甘さや弱さを認めなかった。
「はぁ~」
ため息と共に憂鬱な気分を吐き出した。
まぁ、嫌なものは嫌だし。憂鬱ではあったのだ。
「せめてジョギングで登校しよう」
心の折り合いをつけるように妥協する。弱気を吐き出して己を奮起させた。
ジョギングをすれば体は温まる。血行が良くなって頭には十分血液が回るし、適度なストレスは体にとって逆に良い刺激になる。学校には早めに登校できるだろうし、一石二鳥だ。
軽く両手を持ち上げた亮は、
「よし、行こう」
と、自分の両頬をバチンと叩いて気合を入れる。
眼差しも鋭く、前を向いて、力強く地面を蹴った。蹴散らした雪に見送られて、亮は学校へ向けて走り出した。
無論。全力疾走で。
だって、寒いんだもん。
…※…※…※…
布団の中で、もぞ、と動く。
もぞもぞと、まるで布団の端を捲るのは危険とばかりに、もぞもぞと動き、
「なんかさむい!?」
がばり、と
小島 海美
は起き上がる。
もしやと思い外を見てみようとカーテンを開ければ、そこは白一色の銀世界だった。
「ゆきだー!」
感動に台所に立つ母親の元に一直線に向う。
「おかあさん、ゆきだよ!」
年に数回の十分に遊べるだけの積雪を目の当たりにして、海美の興奮は最高潮だ。そんな彼女の感動を受け止める母親は、落ち着くように宥め食卓に座らせると朝食を摂るように促す。一番に行動を起こすだろうことを見越して海美が朝食を頂いている内に彼女の外出の用意と夫である海美の父親を呼びに行った。
朝食や歯磨き、身支度をさくっと終わらせ、出勤する父親よりも先に海美は玄関へと走った。
「おとうさん、おかあさん、いってきまーす!」
黄色い長靴に、赤色の手袋。準備は万端にいざ出陣!
手始めに玄関にうっすらと吹き溜まった雪を掻き集めて小さな雪だるまを作る。
「うん!」
試作品は上々の出来。
「んーと。んーと。こっちからこっちのゆきをあつめてーごーろごーろって」
雪だるまの作り方くらい海美は知っている。
玄関と道路の間の空間を何度も往復し、海美は小さな雪の玉から大きな玉へと転がして大きくさせた。こうすれば雪かきの代わりになって一石二鳥だろう。
「おとうさんとおかあさん、びっくりしてくれるかなー?」
なんて期待も膨らませつつ玄関脇に海美よりちょっとばかり小さな雪だるまをこさえた。雪だるまの頭の上に試作品のミニ雪だるまを移設して、「じょーでき!」と絶賛する。
夢中になりつつも気をつけていたお陰で、手袋の中まで濡らさずに済んだことも自分なりに誇らしく感じる。
もう一度玄関に向かって「いってきます」と海美は手を振った。
いつまでも遊んでられないので名残惜しいが、どこを向いても三百六十度全てが雪景色で、楽しみはまだまだあることを知り、小学校へ向かって歩き出す。
ただ歩くだけなのも勿体無いと、車道と歩道の間の石に積もる雪を踏みながら行こうと海美は縁石に上がった。
積もった雪は、ふわっとして、靴底できゅっと鳴った。
解けかけた雪で滑りやすくなっている歩道とは違って、縁石の上は滑らずバランスさえ崩さなければ大丈夫な気がする。
「って、あぶないからちょっとおりる!」
道の向こうから自動車が来ているのを発見し、すかさず縁石から降りた。歩道の真ん中まで移動し、車が通り過ぎるのを待って、また縁石に戻る。
運転手さんだって雪道は不慣れなはずで、子供が縁石の上を歩いてるのを見るのは心臓に悪かろう。
安全に楽しくを心がけて縁石と歩道の真ん中を何度か往復しつつ、時々それぞれの家の玄関先に置かれている大きな雪だるまを海美は羨ましく思い眺め通り過ぎる。
…※…※…※…
旧市街の漁港近くにある自宅からどれだけ走り続けただろうか。
暖まればいいなと期待していた体は今や噴き出た汗でびっしょりに濡れている。ここまでやるつもりはなかったが後の祭りだった。
学校まで途切れること無く走り続ければと願っていた亮は「ああ!」と足を止めざるを得ない状況に出かかった悲鳴を奥歯を噛んで殺した。
「なんで……赤信号」
裏道ならいざ知らず、ここは車通も激しいし、交通ルールは守らないといけない。
「この信号変わるのが長いんだよな」
タイミングが悪いと己の不運にうなだれる。
長いと言っても十数秒の我慢である。青に切り替わったらまた走りだせばいいかと思考を切り替えた亮は息を吸って、
「はっくしゅんッ」
本日二度目の盛大なくしゃみをかました。
急速に冷えた汗に体の震えは激しく、体を抱きしめ「おおお」と戦慄く亮は、すぐ隣りで自分を見上げる小学生の女の子に気づいた。
「だいじょうぶ?」
上目遣いのつぶらな瞳で心配されて亮は喉の奥で言葉が詰まったのを自覚する。
「おい、亮、子供に心配されんのか?」
偶然とは重なるのか、天候を気にして早出したらしい学友にからかいの声を飛ばされた。
「風邪か? 寒いなら仕方ないよな」と言われたので、「この程度は寒いうちに入らないさ」と強がって見せたものの、汗に濡れた体は冷える一方で。
「はっくしゅんッ」
くしゃみ二連発。
説得力は最早皆無だろう。
体調を気にされ、服装を気にされ、お前らしいなと背中を叩かれた。
信号が青に切り替わる。
「先行く」
亮は再び駈け出した。
「おう、学校でな」
何が何でも走って辿り着く。そう決めたし、こうして醜態を晒した以上、寒さがどうこうの問題ではなくなった。
男の沽券に関わるとばかりに、亮はただ腕を振り、ただ足を動かした。
ジョギングとは名ばかりの全力疾走で学校を目指す。
…※…※…※…
早起きの人が作ったのだろう海美よりも大きい雪だるま。海美だってもっと早く起きていたらもっと大きな雪だるまを作っていたのに、と悔しい。
悔しいと感じると俄然やる気が出て、小学校に着いたら友達皆ともっともっと大きなおっきな雪だるまを作ろうと決心する。
小学校が近づくに連れ、児童は増えていき、「おはよう!」と声を掛けられれば、「おはよう!」と海美は元気よく挨拶を返していく。
そして、見えてくる小学校の校庭を見て、「わぁ」と顔を輝かせた。
校庭と言わず学校の周囲そこかしこで雪だるまを作っている児童に海美は歓喜した。
「わたしもいっしょに作るー!!」
飛び上がらんばかりに主張し、駈け出した。
始業のチャイムが鳴る頃は小学校は多くの雪だるまに囲まれているだろう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
保坂紫子
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月25日
参加申し込みの期限
2016年09月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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