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道すがら ――冬、2月の頃――
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滑り込むように忍び入る冷風に
千堂 結
は首を竦めた。
「雪残ってる……、うう、寒い……」
今日は快晴だったのにも関わらず気温が低かったせいか、朝から積もっていた雪は放課後になっても残っていた。
「雪積もってる……! って朝は感動したの。寒いけど雪が残っていてなんか嬉しい」
「そうだな。俺は結とこうして普通に帰れるのが嬉しいけどな」
隣りを歩く
鵙海 甫
は驚いて自分の顔を見る榛色の瞳に「だろ?」と悪戯の帯びた表情で返した。
「そ、それは……独りで帰るよりはよっぽど……だから」
「なに?」
尻すぼみに言葉を濁す結が視線を外すと甫はわざと彼女を追求する。
「あー、もう、一緒に帰るの楽しいなって、私だけ思ってたらちょっと恥ずかしいかなって……」
まさか面と向かって言われると想像もしておらず結は変に意識してしまった。返答に窮したのは意表を突かれたせいである。
「俺だって楽しくなきゃ結と帰らないって」
毎日毎度ではないけれどこうしてふたりで下校するのも自然になっていた。
「少し前まで秋だったよな気がするのに、もう冬なんだね……」
甫が結を見つけて、甫が声をかけて結が頷き、そうして一緒に帰った。あの秋の頃がまるで昨日のようである。
「それにしてもこんな時間でもまだ真っ白だな、凄えや」
「……ね、ねえ。ちょっと、寄り道……っていうか、雪遊び、しない?
ちょっと遊んでみたかったんだ」
折角ふたりで帰るのだから、一人の時では出来ないことをしたい。
へへっと小さな我が儘にはにかむ結に甫は首を傾げる。
「雪遊びってどんな? 結が雪球投げるようには見えないし、滑ろうにも流石にそれだけの雪は残ってないし――」
「雪だるま」
「ん?」
「雪だるまを作りたいの」
「作り方知ってるか? こうやって転がしてさ」
雪球を握った甫は、散々遊び尽くされた空き地に入り込み、雪が残っている場所を目ざとく見つけると早速雪だるまの作成に取り掛かった。
「もちろん、知ってるよ」
鞄から手袋を取り出しそれを手に嵌めて、結も雪球を転がす。
友達と雪遊びをするなんて童心に返ったようで楽しく、結は快活だった自分を取り戻したかのようにはしゃいだ。
ひとりで帰ることが多くなった昔は帰り道で遊ぶことも少なく、いつか大きな雪だるまを友達と作りたいなと想像を抱いていただけにそれが叶うと思えば結はわくわくを抑え切れなかった。
小さな雪玉をコロコロと転がし、だんだんと大きくしていく。ひとつの雪だるまをふたりで作る。自然と声を出して笑う結に甫もつられて笑った。
最後は転がしても貼りつく雪が無くて、掻き集めた雪を押し付けるように球形に成形してりして、結が作った頭の部分を甫と共に胴体の上に乗せてみたり。
「石とかあればいいのになー」
「こっち使おうぜ」
その辺から小枝を甫が集め、それで腕と顔を作った。
「よし、出来たッ」
小枝で作った糸目で緩く微笑む雪だるまを前に完成を喜ぶ結は、うーんと小さく唸る。
「暖かくなったりすれば崩れて溶けちゃうけど……雪遊びは冬の醍醐味だしね」
日陰になりそうな場所に置き直したい気もしないでもないが、今更動かせるだろうかと悩む。夢中になって作った為か雪だるまは結構気合の入った大きさになっていた。
「だな。でも、もうすっかり遅いや、暗くなってきた」
調子に乗って雪うさぎなんかも作ってそれを雪だるまの上に乗せた甫は空を見上げて告げる。
またねと雪だるまに別れを惜しみふたりは道に戻った。
「固まってきたから滑る、転ぶなよ」
そう言って手を取ろうとする甫をきょとんと彼を見た結は、ぶっきらぼうにしている彼の優しさが嬉しく、結は喜びに頷いてその手を取った。
「ふふ、濡れた手袋越しでもあったかいねっ――て、わわッ」
「おいっ」
同時に足を滑らせてよろけた結を甫は握った手を引っ張り倒れないように抱きしめて支えた。
(……あ)
(うそ……)
咄嗟の行動で抱きしめてしまった甫はそのあまりの柔らかさとふわりと漂う香りに、どきりとして固まる。
受け止められた結も何も喋らず微動だにしない甫に、返す反応のタイミングを失いこちらもまた動けずにあった。
心音が聞こえそうな程近いが為に、回避心理にか長いことふたりは互いに黙したままであったが、先に冷静さを取り戻したのは甫だった。
「結、冷たいよ。寒いんだろう?」
沈黙に費やす時間は長かったが、結の冷えに気づき心配が上回った甫が両腕を解いた。
解放する結の顔は赤く、甫は自分のマフラーを彼女に巻き、行こうと離さずに居た手を握り直して歩き出す。
手は繋いだまま、照れ隠しに目を逸らす甫に緩く笑んだ結は、歩調を合わせてくれる優しさに瞼を伏せた。
「もう2月だなんて、早いなって思うの」
あのね、と結は続けた。今月、2月は結の誕生月でもある。
「寝子島に来る前、お父さんとお母さんに誕生日を祝われたばかりのような気がするのに、1年って早いなあ……って思っちゃう……」
ひとりで帰ることが少なくなって、楽しいと思えることが増える毎に、時間の速さを惜しんでしまう。悪いわけではないが、複雑ではあった。
「時間ってあっという間だね」
また1年大人になる。果たして自分は1年前と比べてどう成長し、何を得たのだろうか。考えれば、尽きない、そんな詮ないことに結は気落ちしそうな自分を追い出すように息を吐いた。
「そうだな」
対して、相槌を打つ甫は迫り来る彼女の誕生日に何を贈ろうかと考え始めてしまい、上の空だった。幸いしんみりとする結は呟くことすら止めて静かになっていたので考え事をして話を聞いていなかったという醜態は晒さずに済みそうではあった。
ふたりで手を繋ぎ、星を浮かべ始める空に見送られ家路へと消えた。
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あとがき
担当マスター:
保坂紫子
ファンレターはマスターページから!
皆様初めまして、またおひさしぶりです。保坂紫子です。
今回のシナリオはいかがでしたでしょうか。皆様の素敵なアクションに、少しでもお返しできていれば幸いです。
季節柄バレンタインの話題も多く、これが間に合わなかったらどうしよう等と一人ドキドキしておりました。ま、間に合ってますよね? まだ本番来てないですよね?
保坂は小中高と冬季はバス通(玄関前)だったので皆様の寄り道が羨ましくて羨ましくて仕方なかったです!
また、推敲を重ねておりますが、誤字脱字等がございましたらどうかご容赦願います。
では、ご縁がございましたらまた会いましょう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
保坂紫子
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月25日
参加申し込みの期限
2016年09月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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