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道すがら ――冬、2月の頃――
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「雪、か……」
今朝の冷え込み具合に予感を覚えカーテンを開けると滅多に見られない風景が広がっていた。
「うん。積もったね。白いふわふわしたもので庭が覆われているから、気になるのかな」
同じく窓から外を確かめた愛猫達が「みゃうみゃう」と三者三様の主張をしてるのを
ジェレミア・ベルトーニ
はいつものように相槌を打って宥めつつ、カーテンをタッセルに纏め、空気の入れ替えに少しだけ窓を開けた。
「故郷の南イタリアでも、雪は降るのだけれど連日降るってって程ではないから、なんか見入っちゃうね。
って、みんな寒くないの? 寒いよね?」
物珍しさに窓から離れないものの、冷風が吹き込むと身を縮める三匹――すみとこはくとるちるが毛糸玉よろしく丸まり互いに身を寄せ合っていながらも興味に首を伸ばしては寒さに引っ込めるので、ジェレミアはこれからどうしようかと思案を巡らす。
ジェレミアが動けば三匹が一斉に鳴き始めてしまって、彼は「もうちょっと待ってて」とお願いするが、早くしてと急かされた。
用意に掛ける時間は短めに、すぐに猫達の元に戻ってきたジェレミアは彼らの首輪にリードをセットしていく。
「これは念の為だからね。 ……嫌がらないのは偉い偉い」
それぞれの頭を平等に撫でてリードの端を外れないように固定し、そわそわとしている三匹を開けたままの掃き出し窓から新雪に埋もれた庭へと放した。
我先にと助走を付けた灰色毛並みのすみと茶トラのこはくが、ぴょいんと跳ねて雪面にダイブし、ぽふんと埋まった。
二匹は雪まみれの顔をジェレミアへと一度だけ向けて、それからまたぴょいんと跳ねて、ぽふんと雪面に着地する。踏み心地を楽しんでいるのか、それを何度も繰り返している。
まだ真新しい誰の足跡もついていない綺麗な雪だからだろうか。新しいエリア新しいエリアと勢力拡大に勤しんでいるかのようで、微笑ましい。
「楽しそうだね」
言外に可愛いなぁと和む彼の呟きが聞こえたのだろうか、目の周りに大黒ぶちがある三毛猫のるちるが、ジェレミアから離れると、雪に恐る恐る前脚を突っ込み離し、突いて硬さを確認し、意を決してすみの後を追いかけてダイブした。
「るちる?」
「ぴゃっ!」と驚いたように飛び上がってそのまま部屋へ飛び込んできたるちるはジェレミアに「うにゃうにゃ」と抗議し始めた。
あれは駄目だ。本当に駄目だ。こんな話は聞いていない。真剣な眼差しで訴えられてジェレミアは彼女の側に座った。
「冷たかったのかい?」
るちるを膝に座らせ冷たい毛並みを撫でる。そうしていると気持ちが収まったのかるちるは機嫌を直したようだ。ただもう一度庭に行く様子はないようであった。
…※…※…※…
2月上旬のある日。
仙藤 紫
は通い慣れた道を寝子島高校に登校する為に歩いていた。
三年生の紫は、大学受験に関していえば彼女はすでに去年の夏に木天蓼大学のAO入試に合格し、受験からは完全に解放されていて、受験を控えた三年生が自由登校になっているもあり、学校に顔を出すのは週に一度程度になっていた。
今日は一面の銀世界。寝子島にここまでの雪景色も珍しい。雪を踏みしめて登校するのは今日が最後になるのかもしれない。
だからこそ、登校する気になったのか。
自問に自答を返さず、緩んだ箇所から忍び込む冷気に気づき紫はマフラーを首元で抑える。
普段は自転車通学なのだが流石にそれは無理と判断し徒歩通学に切り替えていた。冬仕様ではない自転車のタイヤでは綺麗に転ぶのが目に見えている。
靴も普段履いているものではなく底が溝の深い滑りにくそうな物を選び、コートに手袋としっかりと防寒に身を固めてきた。
それでも寒さは足元から這い上がって、紫の歩みを遅くする。
だからか、いつもの景色、いつもの風景が、すこし違って見え、また感じる。
高校への道は普段は自転車で過ぎ去っていくのみで、よくよく見る機会はあまりなかった。
それでも、これまでの三年間。この道を様々な思いで通り過ぎたことを紫は思い返す。
入学してから、様々な事があったし、些細な事も多かった。
日常という糸と非日常という糸が織り交ざり、浮き上がる色彩はただ紫の心の中に。
几帳面な彼女が律儀に登下校を繰り返した通学路は、今朝の冷え込みと積雪にはしゃぐ学生達で賑わっている。それを静かに眺め、紫は黒い瞳を隠すように瞼を物憂げに伏せた。
「あと少しで、この道を行くこともなくなるのね」
大人びた声音の吐息で、道の先に思い馳せる。
高校生活も残り一ヶ月程となり、こうやって制服に袖を通し、学校へ向うのは本当に両手に数えるくらいになるのだろうか。
淡々としているというのが彼女の人と成り。
それは変えられない根幹ではあるけれど、それでもそれなりにさまざまな思い出を作ってきたことも確かで。
紫は一つ一つ思い返しながら、雪の街をゆっくりと歩く。
歩いて行く。
静かに、学生達のさざめきを聞きながら。
ふ、と。
小さな雪だるまが目に入った。
誰かが作った、道沿いに佇む雪だるま。
引っ掛けられたのだろうか手代わりの小枝が片方取れかかっているのに気づいて紫はそれを挿し直した。
ついでに落ちていた手袋も枝に被せ、雪だるまの視線が気になりそちらの方向に目を転じれば、
そこにはいつもと変わらない寝子島高校が在った。
…※…※…※…
常とは違った朝の時間を過ごし、時計はそろそろジェレミアの出勤時間を指そうとしている。
三匹を部屋へと戻し、戸締まりに鍵をかけた玄関を背にしジェレミアは少しだけ考えた。
「確かこっちも……」
ジェレミア自身もまた雪の踏み心地を楽しんでみたく、自宅に隣接した職場である病院へは庭からぐるっと外を回って出勤することに決める。
靴の下で柔らかい雪が踏み固まる独特の感触は土の地面とはまた違って、猫達が繰り返し試したくなる気持ちがわかるような気がした。
あんな寒い中夢中になれるだけはあるかもと視線を上げたジェレミアはふと疑問を抱く。
「島の野良猫達はどこかでこの雪と寒さをしのいでいるのかな」
雪が積もる日は寝子島では相当寒い日でもあるということだ。
「少し心配だね」
人間よりかは冬の過ごし方について心得ているだろうが、職業病というか、元来の性格からか、気づいてしまうと放ってもおけずジェレミアは家の裏手に回り戻ってくると庭の風があまり強く当たらない場所に発泡スチロールで小さな猫の家を拵える。
野良猫が緊急避難に使ってくれれば幸いと木の根本に隠れるように置かれたお家に「頼むよ」と声を掛けて、ジェレミアは仕事場へと向かった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
保坂紫子
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月25日
参加申し込みの期限
2016年09月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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