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洋菓子店『Raton』の日常
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【5】寄り道は『Raton』で
御剣 刀
と
橘 千歳
、
小山内 海
の三人は、今日も一緒に学校から帰る途中だった。
(今日は部活でがんばったから、腹が減ったな……)
刀はふとそんなことを思い、千歳と海に声をかける。
「なあ、『Raton』でケーキ食べて行かないか?」
「私はかまわないけど……」
言って、千歳は海をふり返った。
『私も賛成』
海が、スケッチブックに素早く書いて二人に示す。
幼いころに病気で声を失った彼女は、常にこうやって周囲とやりとりしているのだ。
「よし、じゃあ行こう」
刀がうなずいた。
そんなわけで、『Raton』にやって来た三人である。
ショーウインドーの中を眺めながら、刀が思いついて言った。
「せっかくだから、全員別々のものを頼んで、交換しようぜ」
「いいわね」
うなずく千歳に、『私も賛成』と海もスケッチブックのさっきのページを示して見せる。
そこで三人は、それぞれ違うものを選ぶことにした。
「私は、定番のショートケーキとダージリンのストレートティーを……アイスで」
「俺は……ミルフィーユとブルーベリーソースのレアチーズケーキ、二月のオススメのハートのチョコムースケーキにするか」
千歳の言葉に、刀はショーウィンドーを見回して言う。
「刀君は、ミルフィーユ?」
軽く目を見張って尋ね、千歳は思い出したように口を開いた。
「ミルフィーユは、フランス語で『千枚の葉』という意味なの。パイ生地を幾重にも重ねていることに由来しているのよ。もっとも、フランス語の発音だと、フィーユよりフイユの方が言語に近いそうだけど。フィーユだと、女の子の意味になるから」
「へー、そうなのか」
刀が感心した声を上げる。海も、感嘆のまなざしで彼女を見やって、スケッチブックに綴った。
『ミルフィーユの意味は知ってたけど、フィーユに女の子って意味があったなんて、知らなかったなあ。千歳ちゃんって、やっぱり物知りだよね』
そんな二人に、千歳は笑う。
「もの知りというか、姉さんほどじゃないけど、フランス語は私もちょっと知ってるから」
言って、ふいに彼女は眉をひそめた。
「日本語発音だと、千人の……女の子に……」
低い呟きを漏らすと、彼女は勢いよく刀をふり返る。
「……刀君、他のにした方がいいんじゃないかな」
「ミルフィーユはやめた方がいいのか?」
きょとんと問い返した刀だが、千歳の真剣な顔つきにうなずいた。
「じゃあ、別のにしよう。千歳は何がいいと思う?」
「シュークリームかしら。焼き立てって書いてあるし、これなら女の子は関係ない……いえ、美味しいと思うわ」
尋ねる刀に、ショーウインドーの中を見やって千歳は言った。
「じゃあ、それにしよう。飲み物は、コーヒーをブラックで……と」
「小山内さんは?」
千歳がふり返って問う。
『私はアップルパイのアイスクリーム乗せと、ダージリンのストレートティーで』
海は、ショーウィンドーを覗き込んで最初に目に留まったメニューにしようと決めて、返した。
暖房が効いて温かい店内で、アイスクリームを食べるのはなんだか少し贅沢な気分になれそうだと感じたのだ。
(それに、何より美味しそう)
胸に呟き、彼女は小さく笑う。
彼女の答えに刀が、ちょうどカウンターにいた彰尋に、三人分をまとめて注文した。
それが終わると、彼らはちょうど空いていた窓際の席へと移動する。
ほどなく、彰尋が頼んだものを運んで来た。
刀は、さっそくレアチーズケーキを一口食べる。
「うん、美味い!」
大きくうなずき、彼は続いて切り取った一切れをフォークに刺して、千歳と海のどちらにともなく差し出した。
「ほら、二人とも食べてみろよ」
「って、刀君。また行儀の悪い……」
千歳が言いかける傍から、海があーんと口を開け、刀が差し出すフォークの先からチーズケーキを食べる。そして、お返しにとばかりに、パイのひとかけらにアイスを乗せたものを、こちらもフォークに刺して刀の方へと差し出した。
「俺にもくれるのか? ありがとう」
言って刀も、口を開けてそれを食べる。
「ああ、小山内さんまで……」
それを見やって千歳は、小さくかぶりをふった。
その彼女の口元に、アイスの乗ったパイの刺さったフォークが差し出される。海だ。
「小山内さん……」
呟いたまま眉根を寄せて固まる千歳に、『いや?』と書いたスケッチブックを示して海は上目遣いに彼女を見やる。
それへ小さく吐息をついて、千歳は言った。
「二人とも……フォークを人に向けるのはマナー違反だと思うのよ」
「あ、ごめん。……たしかに行儀が悪かったか。危ないもんな」
謝る刀に、海もしかたなくフォークを下ろす。
「いえ。これからは、気をつけてね」
返しながら千歳は手早く、自分のショートケーキを切り分け、二人の皿に乗せた。そして、紅茶のグラスをストローでかき混ぜる。
(フォークに刺したケーキを差し出されてあーんなんて、さすがに今の私には無理)
波立った心を鎮めようとしながら、彼女は胸に呟いた。
(だいたい、あーいうのは、小山内さんみたいに可愛い子じゃないと、似合わないだろうしな……)
冷たい紅茶を一口飲むと、ようやく心が落ちついた。
そこで、ケーキの方に手を伸ばす。
(美味しい……)
ケーキのほどよい甘さが、心にわずかに残っていた苦さを払拭してくれた。
ただ。
「酸っぱい……」
思わず声が出た。
そんな彼女を、海が心配げな顔で見やっている。
気づいて、千歳は笑った。
「ちょっと、イチゴが酸っぱかっただけよ」
『そっか』
安心したように返して、海は改めてアップルパイの一切れにアイスを乗せたものを、千歳の皿に置いた。
「ありがとう」
言って、千歳はアップルパイを口にする。
こちらは、文句なく甘くて、美味しかった。
(舌は、いつも正直ね)
美味しい、と海に告げて、胸の中で呟く。
その彼女の皿に、刀もレアチーズケーキを一切れ乗せた。
「ショートケーキも、美味かった。これは、お返しだ」
「ありがとう」
礼を言って、こちらも口にする。
それへ、刀が笑って言った。
「イチゴ、酸っぱかったんだ? じゃあ、また来ようぜ」
「……そうね」
小さく目を見張ったあと、千歳はうなずいた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月21日
参加申し込みの期限
2016年08月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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