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洋菓子店『Raton』の日常
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【6】甘い幸せ
椎井 莉鳥
は店内に入るなり、真っ直ぐカウンターへと向かった。
「すみません。バレンタインのケーキの予約をしたいんですけど」
あたりを見回し、ちょうどそこにいた春彦に声をかける。
「はい、いらっしゃいませっす」
答えて春彦は、すぐにカウンターの中に入ると、予約用の伝票を広げた。
(……ったく、元カノにチョコをたかる元カレなんて、最低だよ)
それへ、問われるままにケーキの大きさやメッセージの有無、引き渡しの日付などを答えつつ、莉鳥は胸に呟いて嘆息する。
というのも、このチョコレートケーキは、元カレと一緒に食べるためのものなのだ。
二月のこの時期は、毎年少しばかり出費がかさむ。それはもちろん、バレンタインデーがあるためだ。
義理チョコについては、渡す相手をしぼって、コンビニで適当にネコルチョコを買って済ませる手もある。
だが、問題は元カレだ。
去年は付き合っていて彼女だったから、本命チョコを渡したけれど、今年はすでに別れている。
腐れ縁の友人と化しているとはいえ、義理でいいだろうと莉鳥は考えていた。
ところが、その元カレから今朝、メールが来た。
『「Raton」のチョコケーキがほしい』
などと書いてある。
(元カノに堂々とチョコレートたかるとは、いい根性してるじゃない、あのアホ)
それを見た瞬間、そう思ったのは本当だ。
けれど、無視するのも面倒だった。
それに、『Raton』のチョコレートケーキはとても美味しい。
(どうせなら、二人で食べようか。ちょっと値の張る友チョコだって思えば、悪くないかも)
ふと、そう思った。
元カレの行動は行動として、自分もここのチョコレートケーキを食べられるとなれば、少しは気も晴れる。
それで、学校帰りにここに立ち寄ったのだ。
予約を済ませてホッとしたら、なんだかスイーツが食べたくなって来た。
(ついでに、何か食べて帰ろう)
胸に呟き、ショーウィンドーを覗き込む。
「ロールケーキのいちごと、紅茶をダージリンでお願いします」
「了解っす」
春彦がうなずくのを見やって、彼女はイートインスペースへと移動した。
店内で食べている客も多かったが、幸い窓際の二人掛けの席が空いていたので、彼女はそこに腰を下ろす。
ややあって、春彦が彼女が注文したものを運んで来た。
莉鳥はさっそく、ロールケーキを口にする。
(……美味しい)
小さく目を見張った彼女の口元はゆるみ、気難しげなその表情は、幸せそうなものに変わっていた。
小学三年生の
東条 あんず
は、小遣いとしてもらった千円札を握りしめ、飼い犬と共に『Raton』にやって来たところだった。
「わー! きれいなお店!」
店の外観に思わず声を上げると、期待に満ちた目を輝かせる。
「お店の中にチビは入れないから、ちゃんとおすわりして待っててね!」
飼い犬を入口から少し離れた場所につないで言い聞かせると、あんずは中へと入って行った。
「わー、おいしそうなお菓子がいっぱい!」
ショーウィンドーの傍に来て、再び声を上げる。
「何食べようかな~。うーん……。ショートケーキも食べたいけど、ベリーベリータルトもおいしそう……」
中を覗き込み、何にしようか、悩み始めた。
う~ん、う~んと悩むうち、頭の中がちょっとぐるぐるし始める。
と、そんな彼女に彰尋が声をかけた。
「何を食べるか悩んでいるなら、こちらのラヴルくんチョコはどうですか? この店のマスコット、ラヴルくんの形をしたミルクチョコレートですが、二月の限定商品なので今だけしか食べられない品物です」
「わー、すっごくかわいい! おいしそう!」
たちまち彼女は目を輝かせて叫ぶ。
「じゃあ、うち、これにする!」
「承知しました。……飲み物は、どうしますか?」
彰尋に問われて少し考え、ココアを注文するとあんずは、イートインスペースに移動した。
どの席も一杯だったが、ちょうど莉鳥の向かいが空いているのに気づいて、そちらに歩み寄る。
「ここ、座っていいですか?」
「どうぞ」
声をかけられ、莉鳥がうなずいた。
「ありがとう!」
ちょっと怖そうなお姉さんだ、とは思ったものの、あっさり了承してくれたのに気をよくして、大きな声で礼を言うと、あんずはそこに腰を下ろす。
そこへ、彰尋が頼んだものを運んで来た。
さっそくチョコを一口食べる。
「甘い! おいしい! こんなおいしいの初めて食べた!」
おいしい、すごい! と連発しながら、あんずはあっという間にラヴルくんチョコを完食した。
最後のひとかけらを飲み込んで、ふうと一つ吐息をつく。
そんな彼女に、莉鳥は思わず口元をほころばせた。
「甘いもの好きなの?」
「うん! チョコもケーキも大好き!」
問われてうなずくあんずに、莉鳥は小さく笑う。
「ここのお菓子は、特に美味しいものね」
「うん、とってもおいしい!」
あんずはまたうなずき、言った。
「おいしかったから、お土産に何か買って帰ろうと思ってるよ」
「そう……。それはいい考えね」
「うん!」
相槌を打つ莉鳥にうなずいて、あんずはココアを飲み干した。
立ち上がると、「バイバイ。ありがとう!」と莉鳥に声をかけ、あんずはカウンターへと向かった。
それを見送り、莉鳥は紅茶と共にショートケーキの最後のかけらを飲み込んだ。
一方あんずは、お土産にどうぶつクッキーとにくきゅうマカロンを買って、会計を済ませた。
その彼女に、景貴がもう一つ箱を差し出す。
「こちらは、お店からのサービスです。チョコレートケーキと餡子のガトーショコラ、チョコ淡雪かん、それに店でもお出ししているチョコチップマフィンの詰め合わせです。どうぞ、お持ち帰り下さい」
「え? もらっていいの?」
目を見張るあんずに、「はい、どうぞ」と景貴が笑顔でうなずく。
「わーい、ありがとう!」
あんずはたちまち顔を輝かせ、差し出された箱を手に取った。
そのまま店を出た彼女は、笑顔で叫ぶ。
「甘い香りに囲まれて、幸せだった~! 今度は友達と一緒に来たいな~!」
そして、大人しく待っていた飼い犬のリードを手にすると、弾む足取りで家路をたどり始めるのだった。
あんずの会計が終わるのを待って、カウンターに伝票を出したのは修と美咲紀だった。
修は、チョコムースケーキの他にもいろいろケーキやお菓子を頼んで食べ、作り方や材料、工夫点などを喜びと共に美咲紀に語った。
何事にも詳しい彼は、それぞれのケーキやお菓子の名前の由来やそれにちなんだ故事なども知っていて、美咲紀にそうした知識も披露した。
それは、彼にとってはもちろん、美咲紀にとっても美味しく楽しい時間だった。
会計を済ませた二人に、景貴があんずに渡したのと同じものが入った箱を、それぞれ差し出す。
「こちらは、お店からのサービスです。どうぞ、お持ち帰り下さい」
「いいのか? ありがとう」
「美味しいケーキを食べて、お土産までもらえるなんて、ラッキーなのです!」
修と美咲紀は、それぞれ言って、箱を受け取った。
そのまま、二人は肩を並べて店をあとにする。
(今度の模試でも成績がよかったら、また食べに来よう)
美咲紀の胸には、そんな思いが広がっていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月21日
参加申し込みの期限
2016年08月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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