this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
洋菓子店『Raton』の日常
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
8
つぎへ >>
【4】チョコレートケーキを作ろう
ショーウインドーのところで三人を待っていた景貴は、彼らを厨房に案内すると言った。
「僕も、美幸さんにチョコレートケーキの作り方を教えようかと思います。せっかく頼って来てくれたのに、何も手助けできないのは、心苦しいですからね」
「……ありがとうございます」
美幸は、彼の申し出に驚いて頭を下げる。
「私の方こそ、ご迷惑かけてしまって、すみません」
「いいんですよ。これも、乗りかかった船というやつです」
景貴は恐縮する彼女に、笑って返した。
「それなら、先にチョコレートケーキの作り方を教えてもらった方がいいんじゃないかしら。チョコ淡雪かんは、寒天をふやかすのに時間がかかるから」
二人のやりとりに、紫が言う。
「あ……そうですね」
和菓子の材料については多少知識のある美幸が、うなずいた。そして、景貴の方にもう一度頭を下げる。
「それじゃ、店長さん、よろしくお願いします」
「はい。じゃあ、こちらへどうぞ」
美幸にうなずいて、奥の調理台を示したあと、景貴は望春と紫をふり返った。
「望春さんは、そちらの調理台を使って下さい。紫さんは、そちらをどうぞ」
「はい。じゃあ、遠慮なく」
望春がうなずき、景貴が示した調理台の方に向かう。
紫も言われた調理台へと移動する。
幸いにも、と言うべきか。餡子も寒天も、景貴が新商品の開発のために買って来たものがあったので、二人はそれを使うことにした。
調理台の上に必要なものをそろえたあと、望春は餡子を使ったガトーショコラを作り始める。
紫の方は、寒天をたっぷりの水にひたしたあと、景貴と美幸のいる方に足を向けた。
「私も、見ていていいかしら」
「はい、どうぞ」
尋ねる彼女に、景貴がうなずく。そして、彼から借りたエプロンをつけた美幸をふり返った。
「恋人さんは、どんな果物がお好きですか? あと、甘さの好みなどはありますか?」
「果物は、マンゴーが好きですが……チョコレートと合わせるなら、バナナが最高だっていつも言ってます。少し苦いめのチョコに、甘いバナナとか美味しいって」
「なるほど……。では、ビターチョコとバナナをメインにしましょうか」
美幸の答えにうなずいて、景貴は小麦粉やチョコレート、卵など必要なものを用意し始める。
それらを計って粉類はふるい、チョコレートは湯煎して溶かした。
やがて、ボウルに無塩バターを入れると美幸にそれを泡だて器で混ぜるように言う。
真剣な顔で作業を始めた美幸に、彼は混ぜるコツなどを教えたあと、告げた。
「僕はいつも、『美味しくなりますように』と願いながら作っています。良い材料を使うことや技術ももちろん大事ですが、気持ちも必要だと僕は思っているんです」
「気持ち……ですか」
「ええ。食べる人のことを想う気持ちとか、そういうものですね。……だって、自分が作ったお菓子を、美味しいって笑顔で食べてくれる人がいたら、うれしいでしょう? ましてや、恋人のために作るのなら」
うなずいて言う景貴に、「そうですよね。がんばります」と美幸は大きくうなずいた。
柳霞は、厨房の入口の邪魔にならない場所に立って、チョコレートケーキの作り方を美幸に教える景貴を、じっと見守っていた。
美幸の事情については、景貴から聞いた。
先入観で、せっかくの美味しいものを嫌ったり、ましてや敵対視するなんてもったいないし、悲しい――とその時思ったものだ。
景貴が、美幸にケーキ作りを教えると言い出したのを聞いて、彼らしいと思いつつ、もしかしたら彼も自分と同じ気持ちなのだろうか、とも柳霞は思った。
ケーキを教える景貴はいつもと変わらないように見えるが、その口元や目元は引き締まり、実際には真剣にケーキ作りと向き合っていることが伺える。
美幸の方は、必死に彼が教えることを覚えようとしているのが、見て取れた。
やがて、どうにかチョコレートケーキの生地は出来上がり、あとはオーブンの中で焼き上がるのを待ってデコレーションするだけとなった。
小さく吐息をついて額の汗を拭う美幸に、柳霞は声をかける。
「今、ちょっと話してもいい?」
「あ、はい」
うなずく美幸に、柳霞は思い切って言った。
「あのさ、なんにでも先入観ってあるものだけど、それに囚われてて新たな出会いの機会を逃すのって、もったいないと思うんだ。和菓子にとって洋菓子は敵じゃないし、逆も同じ。とりあえず、自分でたしかめてから判断を下すのは大事だと思う」
「はい……」
何を言い出すのだろうかと訝るように、美幸は彼女を見つめてうなずく。
それへ柳霞は続けた。
「それと、優れた職人さんであればあるほど、相手の力量ってわかると思うんだ。美幸ちゃんのおじいさんも、優れた職人さんでしょ? 景貴さんのお菓子食べたら、彼の力量わかってくれるんじゃないかな。そしたら、和菓子も洋菓子も関係ないってわかってくれると思う。……甘いもの好きにとっては、和菓子も洋菓子も大好きなものだから、作り手さんがケンカしていると、悲しくなっちゃう」
「そう……ですよね」
うなずいて小さく唇を噛みしめると、美幸は顔を上げた。
「私、祖父にも洋菓子を好きになってもらえるよう、チョコレートケーキ作り、がんばります」
「うん、がんばってね」
わかってくれたのだと、柳霞も笑顔で返す。
そのあと、焼き上がったケーキにチョコレートクリームやバナナ、削ったチョコレートでデコレーションをほどこして、チョコレートケーキは出来上がった。
続けて、今度は紫からチョコ淡雪かんの作り方を教えてもらう。
「まずは、鍋に牛乳と寒天を入れて、中火で煮溶かして行くわ」
紫に言われて、美幸はあらかじめ計っておいた牛乳と、これもしぼってちぎっておいた寒天を鍋に入れ、火にかけた。
軽く沸騰する牛乳の中、寒天が溶けて行く。
寒天が完全に溶けたのを見計らって、紫は砂糖と小さく割ったチョコレートを入れるよう指示した。
美幸がそれらを入れる。
「チョコレートが完全に溶けたら、三分間ほど煮てね」
「はい」
紫に言われて、美幸はキッチンタイマーをセットした。そのまま、真剣な顔で鍋の中を見つめる。
そんな彼女を見ながらふと、紫は去年の今頃のことを思い出した。
(……去年は、彼に好きなガトーショコラを作ったんだっけ……)
胸に呟き、紫は少し遠い目になる。
というのも、その彼とはすでに別れてしまっていたからだ。
(今年は、誰かのためにチョコを作ることもないと思っていたけれど……彼のためにがんばる誰かを応援する、というのも悪くはない経験かもね)
アラームの音に現実に引き戻されて、彼女は少しだけ苦く笑って胸に呟いた。
「火を止めて、鍋はそのままにしておいて、次は卵白よ。角が立つまで泡立てて」
紫に言われて、美幸が緊張した顔つきで卵白の入ったボウルと泡だて器を手にする。
卵白が泡立ったところで、鍋の中身を熱いまま濾しながら少しずつそれに加えて更に泡立てて行く。
鍋の中身が全てボウルに加えられ、全体がもったりした感じになって来たところで、美幸は紫に言われてボウルを水を張った更に大きいボウルに浸した。
そうやって粗熱を取ったところで、ボウルの中身を水で濡らした流し缶の中に全て入れてしまう。
「あとは、冷蔵庫で冷やし固めるだけよ」
紫の言葉に、美幸はうなずいて流し缶を冷蔵庫の中に入れた。
ドアを閉め、思わず吐息をついて額を拭う。
「固まったら、チョコレートや生クリームで飾って、洋菓子っぽくすれば、充分チョコレートケーキで通ると思うわよ」
そんな彼女に、紫が言った。
「はい」
美幸が、大きくうなずく。
一方、望春の餡子のガトーショコラも、ちょうど焼き上がったところだった。
「浜田さん、なんならデコレーションをやってみる?」
望春が美幸に声をかける。
「いいの?」
「うん。デコレーションだけでも、洋菓子作りの練習にはなると思うんだ」
「ありがとう」
うなずく望春に、礼を言って美幸はそちらに駆け寄った。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
8
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
洋菓子店『Raton』の日常
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月21日
参加申し込みの期限
2016年08月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!