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寝子島高校
扉のその向こう
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止める間もなく真ん中の扉に飛び込んだ黒髪の少女の背中を眺め、
御剣 刀
は黒い瞳を瞬かせる。あー、と困惑気味の声が洩れた。
「鬼が出ちゃったかー……」
友人の言葉を耳に、
猫島 寝太郎
は思わず小さな笑みを零す。確かに、彼女は怒るととんでもなく思い切った行動に出る。
夕暮れの元廃屋に呼び出された人々に状況を説明して回る黒髪の青年を栗色の瞳に捉え、寝太郎は元より柔らかな目元を尚更に和らげる。
あの黄昏空の町での出来事の後、寝子島に立った二人がどうしていたのかずっと気になっていたけれど、
(二人とも元気そうで良かった)
頬にえくぼを刻みつつ、掌の中に握り込んだ小さな和紙を見る。幼い文字で書かれた『たすけて』の文字に、黒髪の少女――夕が口走った言葉を思い出す。
(座敷童?)
話を聞こうにも、夕の姿はもう疾うに扉の向こう。
(本当に座敷童なら仲良くなれたらよさそうなんだけどなぁ)
思案顔で立つ寝太郎より少し離れて、
神薙 焔
は夕陽よりも鮮やかに紅い髪の下の翠珠の瞳を細める。
焔が少しばかり険を帯びた瞳に見据えるのも、今しがた着物姿の少女が飛び込んで行った真ん中の扉。
(事情もあるかもしれないけど)
ちらりと唇を尖らせ、半紙以外に何も持っていない自身の手を見下ろす。
今の今まで、楽しみにしていた新作ゲームを手にしていたはずだった。学校からの帰宅途中に行きつけのゲームショップに立ち寄り、予約していた新作ゲームを受け取り、急ぎ足で星ヶ丘寮へと帰った。自室に入るなり、着替える間も惜しんでわくわくとパッケージを開き、――たすけて、と書かれた文字を眼にした途端、見知らぬ家の廊下に立っていた。
(着替えるべきだったかしら)
自分と同じように突如としてここに呼び出されたらしい人々を周囲に確かめ、焔は制服のスカートの裾をちらりとつまむ。
(まあいいわ)
むしろ着替えながらパッケージを開いていたりすれば大惨事だった、と思い直す。
「厄介ごと巻き込んでしもて。すまんなあ」
「その引きこもり娘を連れてくればいいのね」
そう広くはない廊下に立つ人々に事情を説明して回っている黒髪の青年の言葉に、焔は小さく息を吐く。
(目の前には三枚の扉)
ちょっとゲームみたいだと思えば、好奇心も湧いた。気を取り直し、半紙を制服のポケットに畳んで仕舞う。
「んー」
「どこへ行く?」
どの扉の向こうに目当ての引きこもりが隠れているのか迷う焔の隣、部屋着らしいTシャツ短パン姿の少女がぽつり、呟く。
うなじに切り揃えた薄茶の髪を揺らし、
羽生 碧南
は髪と同じ色の瞳を大真面目に顰める。
(確かこんな不可思議なシチュのゲーム、あったよね)
暖房のよく効いた桜花寮自室の二段ベッドの下段、カーテンを引いてちょっぴり薄暗くしたいつもの場所から、突如として見知らぬ謎空間に転移させられても、碧南はもう驚かない。この一年の間に、こういう謎現象にはすっかり慣れた。
だからいつものように携帯ゲーム機のイヤホンを耳にねじ込んで、いつものように没頭していた乙女ゲームのロード画面に『たすけて』の文字が浮かんでも、
(……いや、あれはびっくりした)
最終攻略対象である難攻不落な黒髪軟派王子をあと一歩で陥落させ、全イベントとスチル回収が叶う、そう思ってほくそ笑んだ隙をつくように現れた『たすけて』の文字。
(びっくりした、けど)
おっとりとした栗色の瞳にほんの少し怒りが籠る。もう少しで感動のエンディングが見られたのに。もう少しであの王子の本当の笑顔が見られたのに。
(いやいやそれよりもこの状況)
これはまるきりあの幻想乙女ゲームの選択肢そのもの。
少し前にプレイした乙女ゲームで手に入れたスチルやご褒美ボイスをうっかり延々脳内妄想しそうになって、碧南は栗色の髪を乱して大きくかぶりを振る。それよりも、ここを突破しなければ自室には戻ることができない。手元にゲーム機がないということは、ベッドの上に放り出して来たということなのだろう。
(ポーズボタン、押せてた?)
もしも押せていないとしたら。お楽しみのエンディングが誰も居ないベッドで寂しく流れている場面を想像し、碧南は温和な眉をぎゅっと寄せる。
「ゲームの恨みはコワいわよ」
己の心情そのままの台詞を傍らに聞いて、思わず首を巡らせれば、緋色の髪した寝子高生が真剣にゲームに挑む瞳で呟いていた。
焔と碧南は言葉も交わさぬまま、まるで同士のように力強く頷き合う。
交えた視線を外し、
「せっかくだから、あたしはこの真ん中の扉を選ぶぜ、っと」
どうせ分かんないし、と焔は真っ直ぐに進むことを決断する。
「右の扉に決定!」
第六感じみた女の勘に従い、碧南はその勘がピピッと来た扉を指し示す。
行先を決めてから、ゲーム好き女子ふたりはもう一度目を合わせる。互いの健闘を祈るとばかりに頷きあい、同時に扉の中へと飛び込んだ。
先陣を切るふたりの背を見送りつつ、
椿 美咲紀
は高く結い上げた黒髪を大きく揺らして頷いた。向かう先はもう決めている。
(今朝のTVで見たのです)
いつもみる朝の情報番組の中のお気に入りの占いコーナーで言っていた。
(ラッキーなのは右手方向だと!)
勉強に飽きて新聞部の活動をしようとカメラ片手に夕暮れの町を歩いていたのが幸いした。胸にはカメラを提げている。うまくすれば、何かいいネタが拾えるかもしれない。
(ということで)
「右の扉にしましょうそうしましょう」
迷うことなく右の扉を開き、張り切って身を滑り込ませる。
「美咲紀、」
元気いっぱいに扉の向こうへ進む友人へと伸ばそうとした手を下ろし、
八神 修
は睫毛を伏せた。掌に掴んでいたメモ紙をポケットに押し込み、小さく小さく、息を吐く。
(これも何かの縁だ)
自宅の机の上に広げた英語の参考書が脳裏を掠める。辞書を広げた途端にひらりと滑り落ちたメモ紙を手にして、その次の瞬間にはここに立っていた。できるのなら、早く帰って勉強の続きがしたいけれど、日暮から聞いた事情を思えば仕方がない。
「ところで」
廊下に集められた人々へ大体の説明を終え、どうしたものかと扉を眺める日暮に、修は話しかける。
「その先住民に対して、引越した時に挨拶とかどう同居するとか、そういう話し合いはしたのか?」
「うん。あっちこっち酒撒いたり塩水で拭いたり、台所に塩と味噌と醤油置いたりしてな、……そうそう、それで一階の奥の間立った途端、デッカイおっさんのおとろし顔が天井から落ちて来たんや。そこで夕がもう烈火の如く怒ってな。あんじょう挨拶しとんのになにさらすんやー、て。こう、袂から匕首出してな」
「……決裂したのか」
「話し合いする間もなかったな」
遠い目をする日暮の傍ら、修は頬を掻く。そうかと短く頷き、美咲紀の後を追う格好で右の扉へと足を向けた。
「すまんなあ、頼みます」
「やっほー、お兄さん」
手を振る日暮の傍ら、ひょこりと
桜庭 円
が顔を覗かせた。ひらりと手を振り、日暮の顔を緋色の瞳で覗き込む。
「元気そうだね」
「おかげさんで」
面越しでない眼を和らげる日暮の、以前よりは少し柔らかな表情に円は笑んだ。
開かれた障子の向こうへと視線を投げる。
(座敷童かぁ)
心当たりは、ある。
今日ここへ己を呼び出した手紙と、以前、百物語の会に呼び出された時の手紙の筆跡は同じもの。
(あの人形だよね?)
あの百物語の会の際、広間に鎮座していた日本人形が円の頭にはある。集まった人々がそれぞれに語る不思議な話に耳を傾けているようにも見えた、あの子。
「夕さんは真ん中に行ったのかー」
「強引に突っ込んでったなあ」
向こう見ずな夕の背中を思い、円は眉を顰める。
(力技で霊に対抗してる?)
それが少し、怖かった。
「謝らせるだけで済むよね……?」
「そない悪い子やない、とは思う」
「ちょっと行ってくる」
日暮の言葉に勇気を貰い、円は扉を見据える。何にせよ、夕を追おう。寝子島の不思議な話を聞きたがったあの子のことも気になる。
(だって)
たすけて、と書いてあった。
こわいひとがいる、と書いてあった。
決意定めて真ん中の扉を潜る円を見送り、日暮は廊下の端の窓辺に立ち、慌てた様子も見せず外の黄昏を眺める
音羽 紫鶴
に近づく。
「元気そうだね」
滑らかな頬を黄昏の色に縁どらせ、紫鶴は薄墨の瞳を僅かに細めた。
「あんたも元気そうや」
「……なかなか良い家じゃないか」
「せやなあ、……何にせ、大事にされとったんやろな」
紫鶴の視線を追おうとした日暮の眼は、その途で当の紫鶴と眼が合った。少し驚いたように目を瞠る日暮に、紫鶴は悪戯っぽくまた目を細める。
「じゃあ、そろそろ友人の為に行ってくるかな」
友人、の言葉にますます目を丸くする日暮にまたあとでと手を振り、紫鶴は窓辺を離れ、真中の扉へと向かう。
その頬に浮かぶのは、どこかしら楽しげな、柔らかな笑み。
「お久しぶりです、日暮さん!」
ほんの少しうろたえる仕草見せた日暮は、背後から飛びつく勢いで掛けられた朗らかな声にますますうろたえた。
振り返り、背後に笑顔で立つ
宮祀 智瑜
を見、日暮は息を吐き出すように表情を和らげる。
「うん、今晩は」
「ここ、学校の近くなんです」
「がっこう、言うたら……あれか、『てすと』言うんがあるとこか」
智瑜は日暮の隣に並び、窓の外を見遣る。だから、と顔中で笑う。
「また遊びに来れそうですね。うちにも寄って下さいね!」
「いつなと来たらええ。そのうち智瑜のとこも夕と寄らせてもらうよって」
つられるように頬を緩める日暮に向け、智瑜は屈託ない笑顔のまま首を傾げた。
「えっと、ふたりは夫婦? 恋人?」
「家主さんやら表向きには兄妹で通しとる。見た目が齢離れ過ぎとるさけな。……まあ、でも、夫婦みたいなもんや」
けろりとした表情で言われ、智瑜はなんとなく頬を薄紅に染める。その智瑜の頬を眼にしてか、日暮も僅かに照れた。
「じゃあ、行ってきます」
「ん、行ってらっしゃい」
手を振り合う青年と少女を眺め、
獅子目 悠月
は榛色の鋭い瞳を瞬かせた。結い上げた赤銅の髪を揺らして頭を巡らせ、窓から流れ込む黄昏の色に染まった廊下を見遣る。
扉の向こうへ飛び込んだ少女と、廊下に立つ黒髪の青年は、元々はこちらの世界の住人ではなかった。けれど、
(自由に、自分で選んで暮らせているのなら)
胸にふわりと宿る温かさにも似た感情に、悠月はちらりと首を傾げる。もう一度、元はヒトバシラとしてあの世界に縛り付けられていた青年に目を向ける。悠月の視線に気づいてか、青年は穏やかに笑んだ。
(よかった)
悠月も訪れたことのある黄昏の町から、この寝子島へと世界を移し、そうして自由を掴み取ったふたりを、悠月はそっと言祝ぐ。胸に灯る光にも似た感情は、自由を掴み取った彼らに対する、おそらくは憧れにも似たものなのだろう。
(……しかしこの状況はよくはないな)
この状況を作り出した者を捕まえなければ、この家を出ること叶わぬと彼は言っていた。
(仕方がない)
悠月は微塵も惑わぬ視線を真ん中の扉へと向ける。
選び進まなくてはならないのならば、
(彼女のあとを追いかけてみるか)
大股に廊下を渡る悠月の前、ほとんど遮るかたちで黄昏に蒼く透ける黒髪の少年がひょいと飛び出した。
「来島」
不承不承な顔つきで真ん中の扉に手を掛ける少年に向け、悠月は不機嫌を隠さぬ声を投げる。悠月の声を聞いた途端、少年は横顔でもそうと分かるほど嫌そうに頬を歪めた。
「……獅子目」
クラスメイトでありながら顔を合わせば喧嘩ばかりしている悠月と思わぬ場所で鉢合い、
来島 アカリ
は知らず頬を膨らませる。
(家で台本読んでたのに)
いつの間にか立っていた場所で、この場をどうにかしないと帰れないと言われてしまった。ならば行くしかないと心を決め、真ん中で良いかと適当に進んだところで出会ったクラスメイトに、
「なんでこんな所にいる、んだ」
アカリは思わず憎まれ口を叩く。
「それは此方の台詞だ」
売り言葉に買い言葉、睨みあったまま、行先を同じとするふたりの少年は、それでも行先を違えようとはせず押し合うように並んで同じ扉を潜る。
「つんつんでれでれ、だねぇ」
張り合うように扉を潜る少年たちの背中を見送り、
壬生 由貴奈
はぽつり、歌うように呟いた。紅茶色した髪の下の黒い瞳を眠たげに瞬かせ、黄昏色に暗い廊下と、そこに立つ日暮の姿を確かめる。
(これいつもの黄昏の……)
思いかけて、首を捻る。
(じゃないねぇ)
日暮と夕は、あの日、あの黄昏の世界から寝子島へと住む世界を変えた。けれどあの日以来姿を見ておらず、どうしているのかと心配していた。
「二人とも元気そうでよかったよぉ」
由貴奈から力の抜けた声を掛けられ、日暮は並ぶ扉を見つめていた視線をもたげる。淡く笑む。
「あの時はほんま世話になったなぁ」
「これって、また困りごと?」
「せやなあ……」
何事かを考えているのかいないのか、それすらも判じかねる茫洋とした表情のままに問われ、日暮は似たようなぼんやりとした顔で首を捻る。
黄昏の廊下に向き合い、のんびりと首を傾げ合う青年と少女を眺め、
「……ナニこの既視感……」
獅子島 市子
は三つ編みの頭と肩をがっくりと落とした。
(帰ってくるなりこれか)
眼鏡越しの困ったような恨みがましいような漆黒の瞳に見られ、日暮は傾げたままの首を戻しもせずに市子を見遣る。いつかの黄昏の町で、仮面越しのそれしか見たことの無かった眼と眼を合わせられ、市子は思わず破顔した。
「っとに退屈しねーよね、寝子島」
「そうなん? そら楽しみや」
「おー、しいちゃん」
仮面のない顔で笑う日暮の隣、由貴奈がつい昨日会ったばかりのような顔でひらりと手を振る。
(ユキナ)
市子は言葉に詰まる。
名を呼ぼうとして呼べなかった。何から言葉にすればいいのか迷い、幾つもの言葉を呑み込んで後、
「……久しぶり」
結局、いつもとそう変わらないぶっきらぼうな言葉しか声にならなかった。
浮かんだ表情は、ばつが悪いような、けれどどうしようもなく嬉しい微笑み。
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日常
冒険
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15人
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16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月18日
参加申し込みの期限
2016年08月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月25日 11時00分
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