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終幕、元の世界へ
●
「あ、あれ?」
夏の夜が、冬の昼へと変わる。
綿会 日華
は明るい体育館の中にいた。
元の世界に――巻き込まれる前に戻ったのだと、なんとなくわかった。
「そっか……うちが大切なんは仲間やったんやな」
日華が自分の言葉に、それは当然やと笑う。
「一人じゃバスケはできへんもんな!」
「日華、早いねー」
声がかけられた。
振り返った彼女へと、部活の練習に来たチームメイトたちが歩いてきた。
●
「終わったか」
宇宙人が塵となって消えていく。
サキリ・デイジーカッター
は落ちたナイフを拾った。
ナイフを月にかざすと、彼の姿は光となって薄くなっていく。
「戻ったら……みんなと再会できるよな」
そして、彼は帰還した。
●
屋敷野 梢
が月に飛んで行く。やがてその身体が光り、鱗粉が散るように消えていく。
「んー、このシチュエーションならもう少し神々しく光っても罰は当たらないんじゃ――」
消え方にダメ出しをしようとして、梢の姿は夜空に消えた。
●
「……」
朝鳥 さゆる
は、暗闇の中でひととき、意識を取り戻した。
冷たくて暗い場所。ただ狭い視界の中、手にしたアクセサリーが月に輝いている。
――綺麗。
その一瞬だけ、さゆるの顔から暗い憑き物が消え去った。
「……さん」
夢見るような呟きがアスファルトに跳ねた時には、彼女の姿はその世界から消えてしまっていた。
●
「……全部、思いだしたのね」
椎井 莉鳥
は立ち止まり、確認するように月空と見た。
歩いているうちに、すべての記憶を取り戻した。
戻ってしまった。
なのに、
「これだけ、か……」
同時に去来したのは失意の感情だった。
これといって普通、これといって平凡というような記憶。
もちろん良かった記憶や、逆にコンプレックスといった嫌な記憶も手に入った。
だが、トータルで考えてみると――どこか、求めていた物とは違う気がする。
「それでも、『大切なもの』だったのかしら」
輝いて存在感が薄れていく自分を見ながら、最後まで冷静な表情で莉鳥は帰っていった。
●
魔導書のような交換日記が光を纏った。
その光は
恵御納 夏朝
の手を通じ、やがて彼女の全身に灯っていく。光と一緒に大事な何かが自分の中に流れ込んでくるのを夏朝は感じた。
――おかえり。
――ただいま。
どちらがどちらにそう言ったのか。
あるいは互いにどちらも言ったのかもしれない。
「ここの事……忘れないよ」
大事なものを再認識した夏朝たちを、静かな光が連れ去っていった。
●
かかげていた帽子を、
ユーリ・ロッソ・ネーモ
は下ろした。
すでに、元の世界へと戻っている。
「元の世界に戻っても、一週間より前のことは思い出せない、けれど」
空っぽの中の底に、ほんの僅かだけれども、残っているものがある。
そんな気がするのだ。
「絶対にある……気がする」
自信なく言うのは彼らしいというべきか。
ユーリは帽子を――唯一最初からもっているそれを被り直すと、のんびりと歩き出したのだった。
●
二枚のチケットを見ていた
本居 陽毬
の瞳が、月の中できらめいていく。
「そうだよこれ! ちょっと良いお店のタダ券を親戚にもらって、食い友誘って行こうかなって思ってたんだよね!」
喜んでくれるかなぁ。美味しいものいっぱいかな~
じゅるりとよだれを垂らしそうなくらい至福顔の陽毬。
神々しく自分が輝いて元の世界に還ろうとしている――なんて、気付いてもいないようだった。
●
「~~~~~!!」
ハンカチを通して、
烏頭嫺 霓
は記憶を全て取り戻していた。
そして唐突に、顔を手で覆った。
「どうりで片付いた部屋だと思ったら……お、俺……執事趣味なんて」
蒐集の趣味からいつしか執事の副業までしている『今』が記憶にフィードバックしてきて、霓はふらりとよろける。
「なんだろう、この……『ふと我に返った』感じ。ああああ恥ずかしくて死にそう」
元の世界に戻れば、やがて慣れていつも通りになるだろう。
その前に、悶死しそうな霓だった。
●
すっかり暗くなったステージ。
月にかざした写真から、
三谷 賢二
は色々なものを受け取った気がした。
演劇を好きになったきっかけ。
それに、
「俺にだって、できるものがあるんだよな?」
そう呟いて、賢二は誰もいない客席にお辞儀する。自分が光に包まれて消えていくのが分かった。
最後に、どこからか万雷の拍手が聞こえた気がした。
●
「……そうだ、彼女は私のモデルだ」
動きの鈍った影を振り切って、
桜 月
は星ヶ丘の自室へと戻っていた。
「だから、私の大切なものは――」
紙とペンを手に取る。今この状況で思い浮かべたイメージを形にしていく。
これが彼女を包み込む服。私のものになったと感じる瞬間。
デザインした画を月光に透かす。
「喜んでくれるといいのだが……さん」
贈る相手のことを思い、名を口にできた瞬間、月の姿は夏の世界から消え去っていた。
●
アクセサリを見つめていた
城山 水樹
の頬を、涙が伝う。
「これ、あの子と一緒に作った……」
――また明日ね。
明日が来なかった人との思い出が蘇り、水樹の内側から熱いものがとめどなく溢れてきた。
「『大切なもの』……ええ、そうね」
水樹は窓の外を見た。
歪んだ視界にはもう不安な炎色ではなく、静かに輝く光があった。
「忘れるわけないわ」
そして、彼女は思い出の品を手にもとの場所へと帰還した。
●
気づくと明るかった。
「戻ってこれたのか……ありがとな」
御剣 刀
は人形の『ルヴィア』と写真をおいて、一息つく。
冬の寝子島だった。
「ん、誰か来たのか?」
インターホンが鳴って、彼は部屋を出ていった。
●
――ああ、そっか。
光に包まれながら何かを悟った
大田原 いいな
は、周囲の景色が全く違っていることに気付いた。
「元の、世界?」
そう呟いた彼女は、小柄な十六歳の、やや短髪に近い容姿に『戻って』いる。
「私は……儂は、帰って来たんじゃ、の……」
ろっこんの変身が解け、取り戻した記憶で素の口調となったいいなは、手にしたコートに目を向けた。
「そうか……お主に教わった格闘術」
繰り返し、繰り返して身に付けて、儂のものにしておったのか――。
そんな感慨を胸のうちで反響させ、いいなはコートをそっと抱きしめた。
●
「……ふぅ、できた」
壬生 由貴奈
は焼き上がったクッキーを口にする。
「さて、味の方はと…………美味しいねぇ」
温かいそれを食べているうちに、由貴奈の目にそれまでとは違う、納得の光が宿った。
「うん、これが『うち』が『いつも食べてる』クッキーだよぉ」
記憶が戻り、『私』から『うち』へと口調の変わった由貴奈は、クッキーを味わって微笑んだ。
「覚えているか覚えていないかで、まるで味が違うんだねぇ」
クッキーを見つめる由貴奈に月が差していいる。やがてその身が光り、元の世界へと消えた。
●
「…………」
葉利沢 倫理子
は目を醒ました。
「ここは」
見慣れた天井から視線を下ろし、すぐに分かった。桜花寮の自室、そのベッドの上だ。
夢?
先ほどまで体感していたことを思い、起きあがる。手に写真を握っていた。倫理子の目が見開く。
「なん――」
声はそこで途切れた。熱くてどす黒い何かが己の内側からせり上がってきて、呼吸を奪う。見えない痛みが全身を刺して、そのまま声にならない悲鳴を上げる。
なんで!
なんで!
なんで!
分かってる。自分が望んだ。選択した。「戻りたければ」と。
だから戻ったのだ、記憶も全部。
「――!」
一時の願いのために捧げた苦しみは、しばらく忘れていただけにいっそう倫理子を突き刺した。
●
八神 修
は目を開けた。
いつの間にか、眠ってしまったらしい。
「ん?」
身体がさっきより重く感じて――その理由を知って修は笑みを浮かべた。
彼をよすがにして、犬や猫たちが寝息を立てていたのだ。
「当分動けないな」
そう言って、修は巻いていたマフラーに優しく触れた。
「ありがとう、あおい。おかげで俺は取り戻せたよ……」
●
「……ん」
御巫 時子
は、ささやきかける鳥たちの声を聞いた。
「机で、眠ってしまったのでしょうか……?」
言ってから、空気がひんやりと感じて驚く。
冬の寝子島に戻ってきていた。
「ヨタカさんたちや、先生のおかげですね」
心配そうに見つめてくるヨタカたちに微笑み返し、時子は手にしたバレッタをそっと握り直した。
暖かい――。
「尚輝先生、お風邪を引いてないでしょうか?」
言ってから、鳥たちに少しからかわれ、時子は恥ずかしそうに笑った。
●
月へと向かう道は、やがて星々の浮かぶ宇宙となった。
「おお~!」
響 タルト
は歓声を上げ――そして背後の確かな存在を感じ取った。
「……ムッシュくん?」
「いろいろ判明したんだ」
鎌八 まもる
は納得したように呟いた。
「ポニテが好きと言いつつにゃんこたんが好きなのか俺は悩んでたけど、にゃんこたんのポニテが一番なんだ」
「……僕も、君のこと思い出せなくて、すごく変態な人だったんじゃないかと心配してたんだ」
問題なく、ちゃんと変態だったなと、タルトは笑った。
「ま、僕も人のことは言えないけど♪」
「さあ帰ろう、愛しき日常ってのにさ」
ウインクするまもる。二人を乗せたアンバーが元の世界へと、宇宙の海を駆けて行く。
誰もいない街から、彼らは元いた場所へと戻っていく。
失ったものを取り戻して。
そうして、街からは本当に誰もいなくなった。
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あとがき
担当マスター:
叶エイジャ
ファンレターはマスターページから!
このたびは「誰もいない街」にご参加いただき、ありがとうございました。
忘れてしまった大切な出来事、物、人。あるいはそれに付随してくる苦めの記憶。
参加者様の濃いアクションを拝読しながら、「限られた字数内でリアクションに表すことができるのか」と思うことも多々あり……最終的に今回のリアクションとなりました。
過去の自分が思いもしなかった行動を、今の自分がしている。
あるいは身近すぎて、普段は忘れてしまっている。
いいや普段から大事! などなど。
多様な「大切なもの」「記憶」へのアプローチがありました。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
もしまたご縁がありましたら、宜しくお願いします。
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ホラー
冒険
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月12日
参加申し込みの期限
2016年08月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月19日 11時00分
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