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●温泉旅館でデートをしよう! 市子と圭花の場合
桃川 圭花
と
獅子島 市子
の関係について、今更ながら述べねばなるまい。
昨年九月、満月の夜を大きな境とした二人は恋人関係である。
そんな彼女たちが思いきって石川の温泉街まで遠出したというのが、今日の主な趣旨だろう。
一度お互いの気持ちを確認した二人である。バスの中も部屋についてからも、なんならエレベーターの中ですらもそれはもうイチャイチャできたわけだが……。
わけだが、しかし。
(肝心なことに気づいちまった……)
すいてるうちに露天風呂だぜとばかりに手を繋いでのれんをくぐり、籠に浴衣をセットしたその瞬間、市子はぴたりと身体が固まったのだ。
市子の身体は自慢の身体である。さして人目を躊躇しない彼女だが、今から脱ぐと言うことは圭花の前で脱ぐということだった。
(見られるのか? つーか、見せんのか? ってことは逆に、見るのか……? 今から!?)
分かっていたし知っていた。
しかし意識はしなかった。
「どうしたの? 早く入っちゃおうよ」
圭花は既に服を脱ぎ、バスタオルを胸元に当てていた。
置いていかれるのはごめんだ。市子は深呼吸の後、ぐっと服の裾を握った。
ここで一旦圭花の視点に移ってみたい。
圭花は市子に背を向けたまま、浅く呼吸を繰り返していた。
(今、市子さんに裸を見られてるんだよね。え、見てるのかな。見てるよね? わかんないけど……)
寮暮らしの圭花にとって銭湯の脱衣所は慣れっこだったし躊躇もない。
が、今脱ぐということは市子に裸体を晒すということだった。
(しまった。温泉旅館って時点で気づくべきだったかも。こうなるのは分かってたじゃない私)
そっと振り返り、市子を見る。
と、なんかすごい男らしい脱ぎっぷりを見せていた。
一息で服を脱ぎ捨て、下着を外して籠に放り込むさまには、どこか勇敢さすら見えていた。
(市子さんは平気……なのかな。かな? でも私たち恋人同士だし……あれ? まって? 恋人同士ならむしろいいんじゃ……あれ? まってまってそうじゃなくて……)
圭花は頭の中をぐるぐるさせたまま、『じゃ、じゃあいこっか!』と露天風呂へと突き進んだ。
皆、温泉に浸かったらどんな会話をするだろうか。
一旦天気や湯加減のことを話すのが大半ではなかろうか。
しかし。
「い、いい天気ね」
「そそそそそうっすね!」
「お湯があたたたたたかいわね!」
「そそそそそそうっすね!」
市子と圭花はそれどころじゃあなかった。
互いに背を向け、肩までとっぷり湯につかる。
この際他に人でもいればいいものを、時間帯ゆえか完全に二人きりだった。
ちなみにここの露天風呂は割と小規模なので、うっかりすると貸し切りかと思うくらい空くことがある。今がそうだ。
「人、すくないね」
「そ……すね」
流れる沈黙。
そしてお湯。
「まだ……いる?」
「……い、ようか」
流れる沈黙。
そして雲。
市子はそっと底の岩面に指をはわせ、手に当たった圭花の指を掴んだ。
それを逆に握り返す圭花。
沈黙が、雲が、源泉が流れていく。
このままだとまずい。
なにがまずいのかわからないくらまずい。
圭花は思い切って立ち上がり、そして振り向いた。
「市子さん、私……!」
対して市子は背を向けたまま。
うーんと唸ってうつ伏せに沈んだ。
「い、市子さーん!」
それからのことは、あえて語るまい。
星の望む夜。
部屋の窓辺に腰掛ける圭花。
ひじかけに頬杖をついて、圭花はため息をついた。
「臆病なんだなあ、私」
市子は氷に似ている。
美しく純粋なのに、人肌程度でとけてしまう。
市子は水に似ている。
下へ下へと流れていって、すくわなくては消えてしまう。
市子は霧に似ている。
ちゃんと見ていないと、触れることすら出来なくなってしまう。
「あれだけ自然に触れていられたのに、なんで今日は意識しちゃってるんだろう」
「ンッ……」
布団に寝ていた市子が身体を起こした。
「寝てなくていいの?」
「もーダイジョブ」
手を振る市子。
その途端、窓の外で花火が大きく開いた。
照らし出された市子の顔。泣きぼくろ。
「ここからの方が、よく見えるし」
「……そっか」
圭花は市子の隣に腰を下ろした。
花火が咲く。
大気が胸を叩く。
こてんと肩に頭を預けてきた市子から、ふんわりと彼女の香りがした。
「やっぱり、まだのぼせてる、かも」
「……そっか」
三尺玉の爆発に、窓がびりびりと震えた。
目を見開いた市子の顔。泣きぼくろ。
圭花は胸のたかなりを花火のせいにして、彼女の肩に手を伸ばした。
「ね、圭花」
手が止まる。
「……なんでもない」
何かを言いかけた市子の肩を。
圭花は強く抱いた。
市子は氷に似ている。
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担当ゲームマスター
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月11日
参加申し込みの期限
2016年08月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月18日 11時00分
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