- 0
- 0
- 種族
-
- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【星幽塔】第一階層 シャウラの泉へ
【輝く『星』】
さて、一方、こちらサジタリオ城下町のどこかにある女性専用洋服店兼喫茶店『シュテルン』では――。
「……うーん。月さん、この服、ちょっと派手すぎませんか？」
アラビアの踊り子風の衣装に身を包んだ北条 冬華が、大胆に露出したふともも部分の布地をちょんと摘まみあげながら言った。
「そんなことないよ。全体的な色合い自体は落ち着いたものだし、その大胆な意匠こそが君という素材の輝きを最大限に引き出していると私は自負している。本当によく似合っているよ、冬華さん」
恥じらう冬華とは裏腹に、その服をデザインした桜 月は自身の自信作を完全に着こなしているモデルの姿に満足げに息を吐いた。
「まあ、月さんがそう言ってくれるなら、信じて頑張ってみますけど……」
そう言いつつ、冬華はいまだ恥じらいを捨て切れていない様子だった。
だが、しかしそれがいい、と月は思ったが、それを口にするはさすがにやめておいた。
「さて、さっそくお客さんのようだ。冬華さん、丁重におもてなしして」
月は店先に来客の気配を感じると、冬華に店の案内をするように促した。
「わかりました。それじゃあこっちはおまかせしますね」
冬華は、ぺこりと頭を下げると、店の入り口の方へ走っていた。
月は、しばらくの間、そんな冬華の背中を満足そうに見守っていた。
＊ ＊ ＊
「……シュテルン、と読むのでしょうか。お洒落なお店ですね」
常闇 月は、その店の名前と店構えとに、感嘆の吐息を吐いていた。
（……ねこよろずで働くための洋服を探しに来たのですが、このお店の雰囲気からすると仕事着としては少々派手過ぎでしょうか？）
そんなことを考えていると、不意に店の扉が開いた。
「いらっしゃいませ。よろしければ是非店内もご覧になってください。当店はカフェも併設しておりますので、ゆっくりとご洋服をお選び頂けますよ……って、あら？」
店の中から顔を覗かせた胸の大きな店員が、月の姿に驚いたように目を見開いた。
そして、月もまたその姿に同様に大きく目を見開いていた。
「……常闇さん？」
「……北条さん、でしたか？」
じつは、二人は、以前、とあるパジャマパーティーで顔を合わせたことがあったのだった。
「こんなところでお会いできるとは思っていませんでした。良かったら、お店の中を見て行ってくれませんか？」
「そうですね。では、せっかくですので」
にっこり笑う冬華の言葉に頷いて、月は店内のカフェの一席に案内される。
「何かお飲みになりますか。メニューはこちらになりますけど」
「では、紅茶を一杯頂きます」
「はい。ありがとうございます」
冬華は注文を取ると、そそくさと調理場へ戻っていく。
（それにしても大胆な衣装ですね……。北条さんにはよく似合っていましたけど……。このお店に私に似合う服がはたして見つかるでしょうか……？）
少し不安になりつつ、月はゆっくりと店内に配置された様々な服を眺めはじめた。
＊ ＊ ＊
常闇 月の入店以来、客足は途絶えることなく続いた。
「すみませーん。お紅茶、もう一杯くださーい」
「はーい。すぐお持ちします！」
北条 冬華は店内を慌ただしく動きまわりながら、笑顔を絶やさずに丁寧に接客を続けていく。
店のスタッフは桜 月と冬華の二人だが、実際にカフェで接客をするのはほとんど冬華一人だった。
（月さんは、お料理とかは、あまり得意じゃないですし、私が頑張らないと……！）
と、冬華はやる気も充分だった。
「さて、常闇さん。お待たせして、すみませんでした。今日はどういった服をお求めですか？」
「ええ。じつは『ねこよろず』というお店でお世話になることになったので、仕事着として、こういう服を探しているのですが……」
月は自分のイメージする仕事着を事細かに説明し始めた。
飾り気の少ない黒いワンピースに白のエプロン。白いストッキングにガーターベルト、革靴、etc...
「なるほど。それでしたら、すぐにご用意できそうですね。月さんに在庫の確認してきますね」
てきぱきとメモを取った冬華が店の奥へ下がっていく。
程無くして、頼んだ商品を一式揃えて、冬華は月のもとへ戻った。
「はい。ご用意できましたよ」
「ありがとうございます」
試着した月の姿は大変によく似合っていた。シンプルな服が似合うのは素材が良い証拠だ。
「とてもいいお店ですね。またこちらに来たときは寄らせてもらいます」
「はい。いつでもお待ちしてます！」
笑顔で言葉を交わし、冬華は月を見送った。
彼女が帰ったあとも、やはり客足は途絶えることなく続いていた。
女性専用洋服店兼喫茶店『シュテルン』。その経営はおおよそ順調のようだった。
さて、一方、こちらサジタリオ城下町のどこかにある女性専用洋服店兼喫茶店『シュテルン』では――。
「……うーん。月さん、この服、ちょっと派手すぎませんか？」
アラビアの踊り子風の衣装に身を包んだ北条 冬華が、大胆に露出したふともも部分の布地をちょんと摘まみあげながら言った。
「そんなことないよ。全体的な色合い自体は落ち着いたものだし、その大胆な意匠こそが君という素材の輝きを最大限に引き出していると私は自負している。本当によく似合っているよ、冬華さん」
恥じらう冬華とは裏腹に、その服をデザインした桜 月は自身の自信作を完全に着こなしているモデルの姿に満足げに息を吐いた。
「まあ、月さんがそう言ってくれるなら、信じて頑張ってみますけど……」
そう言いつつ、冬華はいまだ恥じらいを捨て切れていない様子だった。
だが、しかしそれがいい、と月は思ったが、それを口にするはさすがにやめておいた。
「さて、さっそくお客さんのようだ。冬華さん、丁重におもてなしして」
月は店先に来客の気配を感じると、冬華に店の案内をするように促した。
「わかりました。それじゃあこっちはおまかせしますね」
冬華は、ぺこりと頭を下げると、店の入り口の方へ走っていた。
月は、しばらくの間、そんな冬華の背中を満足そうに見守っていた。
＊ ＊ ＊
「……シュテルン、と読むのでしょうか。お洒落なお店ですね」
常闇 月は、その店の名前と店構えとに、感嘆の吐息を吐いていた。
（……ねこよろずで働くための洋服を探しに来たのですが、このお店の雰囲気からすると仕事着としては少々派手過ぎでしょうか？）
そんなことを考えていると、不意に店の扉が開いた。
「いらっしゃいませ。よろしければ是非店内もご覧になってください。当店はカフェも併設しておりますので、ゆっくりとご洋服をお選び頂けますよ……って、あら？」
店の中から顔を覗かせた胸の大きな店員が、月の姿に驚いたように目を見開いた。
そして、月もまたその姿に同様に大きく目を見開いていた。
「……常闇さん？」
「……北条さん、でしたか？」
じつは、二人は、以前、とあるパジャマパーティーで顔を合わせたことがあったのだった。
「こんなところでお会いできるとは思っていませんでした。良かったら、お店の中を見て行ってくれませんか？」
「そうですね。では、せっかくですので」
にっこり笑う冬華の言葉に頷いて、月は店内のカフェの一席に案内される。
「何かお飲みになりますか。メニューはこちらになりますけど」
「では、紅茶を一杯頂きます」
「はい。ありがとうございます」
冬華は注文を取ると、そそくさと調理場へ戻っていく。
（それにしても大胆な衣装ですね……。北条さんにはよく似合っていましたけど……。このお店に私に似合う服がはたして見つかるでしょうか……？）
少し不安になりつつ、月はゆっくりと店内に配置された様々な服を眺めはじめた。
＊ ＊ ＊
常闇 月の入店以来、客足は途絶えることなく続いた。
「すみませーん。お紅茶、もう一杯くださーい」
「はーい。すぐお持ちします！」
北条 冬華は店内を慌ただしく動きまわりながら、笑顔を絶やさずに丁寧に接客を続けていく。
店のスタッフは桜 月と冬華の二人だが、実際にカフェで接客をするのはほとんど冬華一人だった。
（月さんは、お料理とかは、あまり得意じゃないですし、私が頑張らないと……！）
と、冬華はやる気も充分だった。
「さて、常闇さん。お待たせして、すみませんでした。今日はどういった服をお求めですか？」
「ええ。じつは『ねこよろず』というお店でお世話になることになったので、仕事着として、こういう服を探しているのですが……」
月は自分のイメージする仕事着を事細かに説明し始めた。
飾り気の少ない黒いワンピースに白のエプロン。白いストッキングにガーターベルト、革靴、etc...
「なるほど。それでしたら、すぐにご用意できそうですね。月さんに在庫の確認してきますね」
てきぱきとメモを取った冬華が店の奥へ下がっていく。
程無くして、頼んだ商品を一式揃えて、冬華は月のもとへ戻った。
「はい。ご用意できましたよ」
「ありがとうございます」
試着した月の姿は大変によく似合っていた。シンプルな服が似合うのは素材が良い証拠だ。
「とてもいいお店ですね。またこちらに来たときは寄らせてもらいます」
「はい。いつでもお待ちしてます！」
笑顔で言葉を交わし、冬華は月を見送った。
彼女が帰ったあとも、やはり客足は途絶えることなく続いていた。
女性専用洋服店兼喫茶店『シュテルン』。その経営はおおよそ順調のようだった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2016年07月14日
- 参加申し込みの期限
-
- 2016年07月21日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2016年07月21日 11時00分
