【星幽塔】第一階層　シャウラの泉へ｜リアクション

【星幽塔】第一階層　シャウラの泉へ

【epilogue】

　ダイナマイト婆さんは逃げ足だけは早かった。
　婆さんは一目散に先頭を走って逃げ、ほかの五人はなかばその背中を追うようなかたちとなった。
　八神修は、ろっこん《分解》を駆使して、虎の足場を崩し、恵御納夏朝はろっこん《重く軽く》で味方の身体を軽くした。
　その他、各人がそれぞれの能力をフルに発揮して、なんとか彼らは逃げ延びた。
　そして、

　　　＊　＊　＊

　それは、不幸中の幸いか、はたまた怪我の功名というべきか、彼らは結果的に、偶然にシャウラの泉に辿り着くことができていた。
「えひゃひゃ！　どうじゃ！　やっぱりわしの言う通りじゃったろ！　こっちに泉があるような気がしとったんじゃ！　根拠はないけど！」
　ダイナマイト婆さんは、一人元気にそう叫んでいたが、誰もそれに突っ込んだり、文句を言ったりする気力と体力は残されていなかった。
　だが、
「なんじゃ、お前達。せっかく泉に来たのに、泉に入らんのか？　わしは泳ぐぞ。そのために水着を着て来たんじゃからなーーー！」
　言うが早いか、ダイナマイト婆さんが泉にダイナマイトな水飛沫とともに飛び込んだ、その刹那、

「あははっ！　お水、気持ちいい～！」

　ダイナマイトビキニの婆さんが、ダイナマイトな水着に身を包んだ絶世の若い美女に変身したのを見た瞬間に、

「「「「「泉、効きすぎだろっ！！！」」」」」

　と、大声で突っ込む元気を取り戻した。

　ぶっちゃけ、マタタービの花とかなくても充分だろ、というどうしようもないオチで、今回の彼らの冒険はひとまずの幕を閉じたのだった。