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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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アモーレ ４ アモーレ！
「……なぜ、私はこんな所にいるのかしらね？ しかも悪魔っぽいドレスを着ているし……」
黒と紫を基調としたゴシックなフォーマルドレス。
どこか退廃的な印象を与え、魔女を思わせるそれは悪魔めいた美しさを持って居た。
戸惑う仙藤 紫は握りしめていた尚先生と聡介氏の挙式の『招待状』を手にアモーレへと訪れたが――夢の世界なのか現実世界なのか、本当に挙式が行われるのか、未だに奇妙な心地がしていた。
「大橋先生が結婚するのね……」
何処か、不思議な感情が湧きあがるのはライスシャワーを浴びながら嬉しそうな彼女を見たからだろうか。
歴史上の人物コスプレの趣味を持つ尚先生に誘われるままにネコミケでコスプレデビューすることとなった紫にとって『コスプレの先生』でもある彼女は何かと関わりが深い相手だ。
『素晴らしい原石を見つけた！』
――そう言った彼女が、たびたび声をかけて来てくれることからも、交友は持って居た。
「おめでとうございます。……ウェディングドレス、素敵ね」
「ありがとう」
言葉数は普段より少なく、どこか照れた表情の尚先生に紫は飛び出し掛けた言葉を飲みこんだ。
素晴らしいウェディングドレスだ――だが、尚先生の事だ、歴史に因んだ衣装を選ぶ気がしてしまったのだ。
そう思えるのは尚先生の『歴史コスプレ』への熱意が紫を突き動かしたこともあるのだろう。
幸福そうな二人にその言葉をかけるのは野暮だろうかと紫は曖昧に言葉を濁す。
「幸せそうで何よりだわ」
二人の幸福そうな様子を心に留めておきたい――悪魔めいた笑みを浮かべた紫に聡介氏がぺこりと弾を下げた。
彼女の心がざわり、ざわりと騒ぐ。
幸福そうな様子は、どうにも『思い出』を擽る様で敵わない。ドレスを揺らし、参列者と共に二人を見送る紫はごォんと鳴り響く鐘の音を聞いた。
「先生、ご結婚おめでとうございます！」
脳内にスチルを巡らせながら、ゆっくりと階段を下りてくる尚先生に声をかける碧南。
尚先生の抱えるブーケを受け止めるのはバスケット部員としては難もない。
ヒロインが友人のブーケを受け止め、攻略対象に『俺とお前の番だな？』と言われる想像が駆け廻っていく。
鮮やかなカクテルドレスを揺らしながら、碧南は幼さを感じさせる表情を蕩けさせる。
素晴らしい妄想が、脳内を駆け廻って幸せで、たまらない。
前のめりに『攻略』ルートをいくつも妄想した彼女の様子に聡介氏と尚先生は「将来有望な『姪』だ」と冗談の様に笑い合っていた。
恥ずかしげな碧南にあおいが笑いかける。それさえも、恥ずかしいと赤面する彼女に修も小さく笑みを零した。
「先生がドレス姿だなんて驚いたな」
「結婚式だもの」
素敵ね、と胸を張る碧南に尚先生が頬を赤らめる。
ブーケをあおいへと手渡す碧南は小さく瞬き、次の『ラブ』を待つ様に深く椅子へと腰掛けた。
真白のウェディングドレスに身を包んだあおいに修は「嬉しいよ」と小さく返す。
「うん、これは夢。夢みたい……じゃなくて、夢」
夢だから大丈夫――心から彼女を愛しく思って抱き締めることもできる。
ゆめ、の二文字があおいと呼んでいる様な心地になって修は幸せそうに笑う彼女と掌を重ねた。
小さな掌を重ねあわせ、ゆっくりと二人で歩む。
尚先生達の様に周囲の天使が祝福を口にして、どこか気恥ずかしさと擽ったさが感じられた。
「ふふ」
小さく笑みを漏らすあおいが不思議だねと漏らす。
天使と悪魔が幸せそうに自分達を祝ってくれる。それは、なんと不思議な光景なのだろうか。
思わず目が合い微笑みあった視線が外れていく。
天使達の祝福にありがとうと微笑みかけるあおいへと老天使が誓いを問い掛けた。
きらりと輝くダイヤの指輪。吹いた嵐にも負けぬ永遠の誓いに修が柔らかに笑みを零す。
向き合ったあおいが瞼を閉じ、口付けをと促す様な仕草を見せた。
修の指先があおいの唇に触れる。
瞬くあおいが目を開き、首を傾いだ。どうしたの、と問い掛ける丸い瞳に修は首を振る。
「それはとてもとても大切なことだから、秘密の先に取っておかないか」
――夢でも、軽はずみには遣ってはならないと思う。
それは大切にしているあおいだからこその想いなのだろう。
修の言葉にあおいは小さく頷く。その一線を軽はずみには超えてはいけないのだと彼女のヴェールを撫でる修の指先は只、優しかった。
共に生きようと誓う様に言葉をかけ合って、あおいが投げたブーケは――
「……あら」
去年、夏に終わりを告げた恋。ふっきれたという紫の心を動かす様に、落ちたブーケの花が揺れている。
暫くは恋をしたくないけれど、いつか、きっと――思い出に変わった想いが昇華されるまで。
「ばかね」
そう思えたのは、時間が立ったからだろうか。
黒と紫を基調としたゴシックなフォーマルドレス。
どこか退廃的な印象を与え、魔女を思わせるそれは悪魔めいた美しさを持って居た。
戸惑う仙藤 紫は握りしめていた尚先生と聡介氏の挙式の『招待状』を手にアモーレへと訪れたが――夢の世界なのか現実世界なのか、本当に挙式が行われるのか、未だに奇妙な心地がしていた。
「大橋先生が結婚するのね……」
何処か、不思議な感情が湧きあがるのはライスシャワーを浴びながら嬉しそうな彼女を見たからだろうか。
歴史上の人物コスプレの趣味を持つ尚先生に誘われるままにネコミケでコスプレデビューすることとなった紫にとって『コスプレの先生』でもある彼女は何かと関わりが深い相手だ。
『素晴らしい原石を見つけた！』
――そう言った彼女が、たびたび声をかけて来てくれることからも、交友は持って居た。
「おめでとうございます。……ウェディングドレス、素敵ね」
「ありがとう」
言葉数は普段より少なく、どこか照れた表情の尚先生に紫は飛び出し掛けた言葉を飲みこんだ。
素晴らしいウェディングドレスだ――だが、尚先生の事だ、歴史に因んだ衣装を選ぶ気がしてしまったのだ。
そう思えるのは尚先生の『歴史コスプレ』への熱意が紫を突き動かしたこともあるのだろう。
幸福そうな二人にその言葉をかけるのは野暮だろうかと紫は曖昧に言葉を濁す。
「幸せそうで何よりだわ」
二人の幸福そうな様子を心に留めておきたい――悪魔めいた笑みを浮かべた紫に聡介氏がぺこりと弾を下げた。
彼女の心がざわり、ざわりと騒ぐ。
幸福そうな様子は、どうにも『思い出』を擽る様で敵わない。ドレスを揺らし、参列者と共に二人を見送る紫はごォんと鳴り響く鐘の音を聞いた。
「先生、ご結婚おめでとうございます！」
脳内にスチルを巡らせながら、ゆっくりと階段を下りてくる尚先生に声をかける碧南。
尚先生の抱えるブーケを受け止めるのはバスケット部員としては難もない。
ヒロインが友人のブーケを受け止め、攻略対象に『俺とお前の番だな？』と言われる想像が駆け廻っていく。
鮮やかなカクテルドレスを揺らしながら、碧南は幼さを感じさせる表情を蕩けさせる。
素晴らしい妄想が、脳内を駆け廻って幸せで、たまらない。
前のめりに『攻略』ルートをいくつも妄想した彼女の様子に聡介氏と尚先生は「将来有望な『姪』だ」と冗談の様に笑い合っていた。
恥ずかしげな碧南にあおいが笑いかける。それさえも、恥ずかしいと赤面する彼女に修も小さく笑みを零した。
「先生がドレス姿だなんて驚いたな」
「結婚式だもの」
素敵ね、と胸を張る碧南に尚先生が頬を赤らめる。
ブーケをあおいへと手渡す碧南は小さく瞬き、次の『ラブ』を待つ様に深く椅子へと腰掛けた。
真白のウェディングドレスに身を包んだあおいに修は「嬉しいよ」と小さく返す。
「うん、これは夢。夢みたい……じゃなくて、夢」
夢だから大丈夫――心から彼女を愛しく思って抱き締めることもできる。
ゆめ、の二文字があおいと呼んでいる様な心地になって修は幸せそうに笑う彼女と掌を重ねた。
小さな掌を重ねあわせ、ゆっくりと二人で歩む。
尚先生達の様に周囲の天使が祝福を口にして、どこか気恥ずかしさと擽ったさが感じられた。
「ふふ」
小さく笑みを漏らすあおいが不思議だねと漏らす。
天使と悪魔が幸せそうに自分達を祝ってくれる。それは、なんと不思議な光景なのだろうか。
思わず目が合い微笑みあった視線が外れていく。
天使達の祝福にありがとうと微笑みかけるあおいへと老天使が誓いを問い掛けた。
きらりと輝くダイヤの指輪。吹いた嵐にも負けぬ永遠の誓いに修が柔らかに笑みを零す。
向き合ったあおいが瞼を閉じ、口付けをと促す様な仕草を見せた。
修の指先があおいの唇に触れる。
瞬くあおいが目を開き、首を傾いだ。どうしたの、と問い掛ける丸い瞳に修は首を振る。
「それはとてもとても大切なことだから、秘密の先に取っておかないか」
――夢でも、軽はずみには遣ってはならないと思う。
それは大切にしているあおいだからこその想いなのだろう。
修の言葉にあおいは小さく頷く。その一線を軽はずみには超えてはいけないのだと彼女のヴェールを撫でる修の指先は只、優しかった。
共に生きようと誓う様に言葉をかけ合って、あおいが投げたブーケは――
「……あら」
去年、夏に終わりを告げた恋。ふっきれたという紫の心を動かす様に、落ちたブーケの花が揺れている。
暫くは恋をしたくないけれど、いつか、きっと――思い出に変わった想いが昇華されるまで。
「ばかね」
そう思えたのは、時間が立ったからだろうか。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2016年06月09日
- 参加申し込みの期限
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- 2016年06月16日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2016年06月16日 11時00分
