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MFS! ~あるいは全ての表現者に捧ぐ、夜半過ぎのTVショウ
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『戦慄! 謎のサラリーマンと、恐怖の死亡申告書!』(2)
「くッ、あ……!!」
細身のバタフライナイフが二の腕をえぐる痛みは焼け付くようで、
志波 拓郎
の喉を鋭い呼気とともに、熱いうめきが通り抜けていきます。
くすくす。くすくすくす。夕暮れが作り出す影に紛れるように、全身を黒一色で覆った、見知らぬ男。拓郎よりいくらか年上くらいの、少年であったかもしれません。ちゃり、かちゃりと、手の中でバタフライナイフが翻る音が、逃げる拓郎の背を着かず離れず追いかけてきます。
(何だよ、これ……!?)
脈絡もなく現れた男が、物取りであるのか、それともただの快楽殺人者であるのか、拓郎に知る術はありません。今出来るのは、もつれそうになる足を必死に動かして、人気の無い路地を駆け抜けることだけ。
全力疾走しているにも関わらず、男は下卑た笑いを顔に貼り付けながら、ぴたりと後ろについてきます。くすくす。くすくすくす。ちゃり、かちゃり。風を切る音が聞こえて、
「う、があ……ッ!?」
背中に激烈な痛み。刃が食い込む感触は熱を帯びて、同時に脳天から背筋は凍えるほどに冷え切って、それらが拓郎に連想させるのは、否応なく逃れられない、目前の死。
(何なんだよ、これ……っ!!)
突き出されたナイフから逃れようとした拍子に、拓郎の身体はよろけ、どうにか態勢を立て直しながらに、また疾走。いつの間にか、あちこちが崩れかけた廃ビルのような場所へと迷い込んでいたことに、拓郎は今さらながらに気付きました。
「何です、か……これ?」
思わず首を傾げた拓郎に、喪服めいて黒いスーツに身を包んだ、不健康そうな男。
「志波様の、死亡申告書になります……必要事項は、既に記入されていますので……ご確認をお願いいたします……」
道端で、唐突に手渡された書類。その文面に目を走らせて、拓郎はつい渋面を顔に滲ませずにはいられませんでした。
「……申し訳ありません……これも仕事でして……ご了承くださいませ……」
「あ、ちょっ……」
突っ返そうと思ったものの、男は言うべきことだけ一方的に伝えると、小さく頭を下げて、そそくさと歩み去ってしまいました。拓郎の顔はますます渋面に彩られ、見下ろした紙切れに記されている自分の名前と、不快な一文がやけに目に付きました。
『死因:不審者からの逃走の末、ビルの上階からの転落死』。
(悪趣味だな、まったく……!)
手の込んだ、実に大仰な仕込みによる愉快犯なのか。あるいはいつものように、神魂か何かが引き起こした現象であるのかも……物陰で息を潜めてゆっくりと呼吸を整えながら、拓郎の思考はいつしか、彼も予期しないところへと至ります。
(あんなもの配って回ってるなら、止めさせないと……)
投げつけてやったコンクリート片の一撃が応えたのか、怯んだ男の隙を突いて少しばかり距離を離し、にわかに身を隠すことはできたものの。廃ビルにはもちろんのこと明かりなどなく、外から差し込む暮れかけた陽光もまた頼りなく、拓郎は周囲の気配へと神経を張り巡らせています。あの暗がりから……あるいは、あちらから? すぐ側のそこから? どこから襲われてもおかしくない、恐ろしい闇の中。
それでも拓郎は、
(とにかく、ここから逃げないと……逃げ切って、警察に通報してやる)
荒く上下する肩の動きが収まってきた頃合いを見計らって、身を起こし、出口を求めて歩き出そうとした……その瞬間に。
ぱきん。ぱき、ぴしり。
(!? まずい……)
足元に散らばっていた、砕けたガラスの破片。拓郎の靴底に踏みしめられたそれが発する音はごく小さく、けれど廃ビルに満ちた異様な静寂の中へ、どこまでも響き渡っていくようにも思えて。
ちゃり。かちゃり。ちゃりり、くすくす。くすくすくす。
「ッ、うああ……!!」
今度は右の太ももに、再びあの熱さ。跳ねるようにして、拓郎は再び駆け出します。
背中に冷たい圧迫感。どこまでも追いかけてくる、ちゃり、ちゃりり、耳障りな金属音。くすくすと、含むような嘲笑の声。
歯を食いしばり痛みをこらえ、ところどころに崩れ落ちた階段を駆け上がり、鍵がかかっていませんようにと祈りながらに開いた扉の向こう、広がる夕暮れ空。肌をなぞる、空気の冷たさ。
前方に見えるのは、別の廃ビルの屋上……こちらと向こう、間に走る四車線の道路が隔てた空間はまるで巨大なクレバスか、獲物を待つ獣が開けた咢のよう。
(あそこまで飛べば、逃げ切れる……)
くすくす。かちゃり、かちゃん。迷っている余裕はひとつも無く……拓郎は自然と、前のめり。駆け出します。
目の前にぽっかりと口を開ける、コンクリートの顎。無機質な谷底。
(……無理だ、遠すぎる。届かない。いや、ろっこんを使えば……)
事ここに至って、拓郎の思考は冷たく冴え渡り、経験から飛距離を目算し、確信し。繰り返し、胸に唱えます。
跳べる。飛べる。
自分は、飛べる。
唱えるたび、助走は加速して。吹き荒ぶビル風は足元にまとわりつき、やがてその回転を後押ししてくれているような、突拍子もないイメージ。
跳べる。飛べる。
自分は、飛べる。
俺は……!!
かちゃり。金属音を最後に、嘲笑は意識の彼方へ置き去りに。屋上の縁を蹴り宙へと飛び出して、
「届けぇぇぇえええッ!!」
拓郎は、爽快な飛行を堪能しました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
81人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月23日
参加申し込みの期限
2016年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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