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回向亭茶話 ~三世を渡る
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御剣 刀
にとって、祖父譲りの剣を極めるということが、最大の目標であった。
それこそが彼の日常において最も重要なことであり、勉強を疎かにすることも、それが故に父母との関係がぎくしゃくとすることも、しょうがないことであった。
負ければ、負けなくなるまで刀を振るう。
ただ剣術の鍛錬のためだけに実践の場を求め、神魂に絡む事件に挑みかかる。
すべては、道場においてただ一人刀を振るう、祖父の背中。その後ろ姿に追いつき、追い越していきたい。祖父が亡くなる前には叶わなかった望みではあるけれども、諦めなければいつか。
その願いが叶えばどうなるのか、見たいと思ってしまったのだ。
それは、ほんの少しの好奇心で――
気づけば、御剣は住宅地の中にいた。ふと周囲を見渡せば、周りの家々からは隔絶しているような、道場。
何かに誘われるように、その敷地へと足を踏み入れる。
風切音と、板がわずかに軋む音だけが響いている。
道場の外側から、そっと中を窺えば――祖父の、背中。
否、わずかに違う。その違和感に眉をしかめ、そして気づいた。
「あれは、俺なのか……?」
祖父譲りの型が、繰り返し繰り返し振るわれる。なるほど、いくつかは工夫を凝らされているらしく、御剣の見知った型とは違うものもあるが、その所作はいずれも洗練され、記憶の中の祖父と同等か、あるいは既に超えているように感じられた。
だが、発せられる氣が違う。
祖父のそれは、全てを受け止め、しなり、受け流す大木の幹のようなもの。
目の前のそれは――違う、と端的に思った。
研ぎ澄まされた気配は確かに刃のそれ。だがそれは祖父のように血が通ったものではなく、ただひたすらに、孤独に研ぎ澄まされた、氷の凶器の気配でしかない。
ああ、と御剣は思う。
「なんで、こんなにも違っている……?」
知らず、思いが口をついて出た。
祖父から受け継いだ剣術は、確かに目前の御剣によって極められ、昇華されていた。それが、父母と仲たがいしてでも目指すべきと見定めた、自身の理想のはずだった。
「なぜだ」
独り刀を振るっているその姿が、酷く、寂しい。
何かを振り払うかのように一心に刀を振るう姿が、憧れの祖父の背中とは全く違ってしまっていて、それが、御剣の心中を悲しみで満たす。
剣は凶器。
剣術は、しょせん人を傷つけ、壊すためのもの。
その道を極めるために時を過ごせば、孤独の道を歩むことになるのは仕方のないこと――そう思っていた。
祖父もそうだと、思っていた。
この道の先には、あの揺るがぬ背中があるのだと思っていた。
だが、気づいてしまった。
祖父は、極めた果てに一人孤独に立っていたわけではなかったはずだ。
求道の道が間違っているとは思わない。
だが――その果てが、目前の姿であれば……走り続けた先に、自分は何を得るのだろう。
ざり、と一歩足を引く。踏みしめる土の音が耳に入ると同時に背中に何かがあたる。それでも構わず後ずさる。気づけば、そこは喫茶店の中だった。
「道の先は見えたかね」
カウンターで煙草をふかしていた、亡くなった祖父よりも更に年齢を重ねているように見える店主が、不思議と通る声で語りかけてきた。
一度そこに視線をやり、何も言えぬまま、足元へおとす。
「山は裾野があって初めて山たる。大樹は周囲に譲られて初めて大樹たる。地に根をはれぬ木はいずれ朽ちるもの、何事も足許からじゃて――坊主風にいうならば、そんなところかの」
ほれ、茶でも飲みなさい。
そういって横に置いたままの縦長なティーポットから無造作にカップへとお茶をいれて、手渡してくる。
その冷めたお茶が、先ほどの世界の飲み物のようで――何か得体のしれない感情とともに、胃の腑へと落ちていくのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼李月
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
12人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月30日
参加申し込みの期限
2016年06月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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