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回向亭茶話 ~三世を渡る
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日向 透
が会社帰りにふとその小路に気付いたのは単なる偶然だった。
目の前を横切った黒猫に視線をつられ、みやれば見慣れぬ通りが一つ。そういえば、同僚がこのあたりの小道に珈琲の美味しい喫茶店があると言っていたっけ。
入ってみれば、それらしき店。
カラン、と軽快な音の響きとともに扉を潜れば、マスターが一人で切り盛りしているらしかった。
「いらっしゃい。一人ならカウンターへどうぞ」
無精ひげを生やし、きりとした眉の、まだ三十代半ばのお坊さん。
背骨の太い感じの人だな、と思いながら、促されるままにカウンターへ進んだ日向。そんな彼の後を追うかのように、また入口の鐘がなる。
おや、と目を向ければ、そこには見知った顔がいた。
「今晩は、鉄さん」
少し息をのみながらも声を発すると、相手もこちらに気付いたらしく、狙い通り、ほんの少し驚いた表情を見せてくれた。
「日向か」
「久しぶりですね――最近、鉄さんに会えなくて寂しかったですよ」
笑顔で伝えて見せれば、
「ここでお前に会うとはな……」
と、やや疲れたような口ぶりで応じてくる。どうやら「遊び相手がいなくて」という内心の台詞も見透かされてしまったようだが――その様子がおかしくて、思わず吹き出すと、むっとした表情を浮かべられてしまう。
「知り合いだったら、となりでいいかい?」
カウンターの奥からかけられた声に、日向は一つ肯いて隣の椅子を引いて見せた。
「どうぞこちらへ。鉄さんは何にします? ここは珈琲がおすすめみたいですよ――といっても私も飲んだことはなくて、同僚が美味しい珈琲を飲んだと自慢されてしまったので気になっていたってところなんですが」
そりゃ光栄なこった。磊落に笑ったマスターが、若干の躊躇を見せている鉄へと視線を滑らせると、諦めたように、日向の隣へと腰を落ち着けた。
「珈琲を頼む」
その憮然とした口調と少しだけよった眉間のしわに、日向はまた少し、くす、と笑みを浮かべていた。
会社への報告でしばらく離れていた寝子島へ帰ってきて、住居へ戻る前に珈琲でも……と気まぐれを起こしたのが間違いだったか。
苦手な輩とあってしまった、とまず考えた
鉄 衛守
であったが、その当人は傍らで楽しそうに喫茶店の主人らしき初老の坊主と話をしている。その和気あいあいとした空気に、寝子島の平和さを感じざるをえない。
「サイフォンを使うやり方って、最近はあまり見なくって――こうしてみると面白いものですねー」
良かったら珈琲の淹れ方も教えてもらってよいですか、との日向の問いに、マスターは新設にもひととおりのやり方を解説しながら、作業を進めている。
ほどなく、香ばしい薫りの立ち上る、ブレンドコーヒーが2つ、カウンターに並んだ。
「これは美味しいですね」
傍らの日向が満足そうにため息をついてそう漏らすのを見て、鉄もまた何もいれぬままの珈琲を口へ運んだ。
「……確かに、美味いな」
「ですよね! 中々ここまで美味い珈琲は飲めません。ファンになってしまいそうです」
にこにこ笑いながら告げる日向の言葉に、「おう、もし次があったら、またたのまぁ」と、マスターが謎の言葉を告げている。
「老人、この珈琲は随分と深みのある味わいだ。どの豆を使っている?」
鉄の言葉に、日向が少し不思議そうな表情を浮かべた気がしたが、すぐにその表情も引っ込んだので、たいしたことはないのだろうと、判断する。
「ベースはマンデリンだな。それにグァテマラとハワイ・コナ、ブラジル・サントスをブレンドしているんだが――ま、製法は企業秘密ってやつだ」
それはまぁそうだろう。
「そういえば、しばらくお顔を拝見しませんでしたが、どちらかへ?」
日向が話題をかえるかのように、珈琲を味わいながら問いかけてきた。
「仕事の関係で、少しな――こうして過ごしていると、この島の平和さがよくわかる」
「平和、ですか?」
「どうにも不可思議な出来事が頻発するという意味では平和ではないかもしれないが……俺にとっては、現実の方がよほど過酷――」
言いさして、しゃべりすぎたかと思い直し、ちら、とカウンターの奥に視線をやる。マスターはサイフォンの後始末の作業にかかっているらしく、こちらへ注意を向けている様子はなかった。
「まぁ、そんなわけで一息つきにここに入ったというわけだ」
「そうですか――あ、そうだ」
不意に日向が声を潜めた。
「ちょっと先ほど気になったのですが、マスターを老人というのはなんだか変だなと。確かに青年ではないですが、老人とは言えないので、失礼になってしまうのでは……?」
純粋に疑問を感じたので、という表情に鉄は二度三度、目を瞬いた。
「……老人ではない?」
「ええ、それはそうでしょう。どう頑張って見積もっても四十過ぎです」
鉄は、何かを口にはしなかった。ただ、かえって早々に島の不思議に巻き込まれたらしいと、今更ながらに自覚する。
「――まぁ、悪い気分ではないな」
これも、この島の醍醐味というものだろう。
「ところで日向、あんたは自分で珈琲も淹れるのか?」
先ほどの、突っ込んだ話をしていたマスターとの会話を思い出し、何の気なしに問いかける。
「淹れますよ――え、飲んでみたいですか?」
少し驚いたような表情を見て、そのつもりもなかったはずなのに、少しだけ興味がわいた。
「そうだな、では今度頼もうか」
そういうと、日向は楽しそうに破顔し肯いた。
「こちらのマスターにも負けないとっておきを飲ませましょう」
そういう日向の顔を見ていた鉄であったが、薄く笑みを浮かべている自分自身に気が付いた。
久々に、話す日向との会話と、過ごす時間。そこに、何故か心のどこかで安心感を覚える。そのことに少し戸惑い、そして癪であったので、笑みはさっさと表情から消し去った。
「おかわりはどうだい」
マスターの声に、また日向と顔を見合わせた。
「頼む」
「お願いします」
もうしばらく、話す時間があっても悪くはない。
それが、両者の意見であるようだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼李月
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
12人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月30日
参加申し込みの期限
2016年06月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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