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回向亭茶話 ~三世を渡る
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「俺、悩んでるんですよね――」
初老の頃合いを迎えようかという坊主を前に、
八神 修
は真剣な顔で語り掛けていた。
八神がその店に入ったのは興味半分、といったところであった。
偶さか見つけた小路の、偶さか見つけた喫茶店。NMRなのだと騒いでいた友人の言葉を思い出し、思わず扉を潜ってみた八神。
店内は聞いていたような作りだったが、店主だけは、異なっている。
「いらっしゃいませ」
五十を少し過ぎたように見える店主は、ほっそりとした見かけで、禿頭でさえなければ、英国貴族然とした雰囲気を漂わせる人物だった。
カップを布で磨きながら流し目で客を見やる様子は、どこか艶めいたものすら感じさせて。
「坊主には見えませんね」
カウンターにつきながら、八神は思わずそう言い、次いで、失礼しました、と謝る。
「よく言われるんですよ」
店主は店主で、くすくす笑いながら請け負った。
ご注文は、という問いに、「モカの珈琲があれば、それで」と応じる八神。
しばらくして供されたそれは、果実を思わせる薫りと、深いコク、そして爽やかなほんの少しの酸味を感じさせるもの。どこか現実離れした感じを受けていた頭が少しだけすっきりとする。
「ここは不思議な店だと聞きましたが」
端的に切り出してみると、「そういう方もいますね」と柔らかな応えが返ってくる。
「色々と噂されているようですが、『扉』の向こうに興味がおありで?」
そう問われ、八神は首を振った。「望んでみようというほどのものはありませんので」と言い、また一口珈琲を啜った。
「美味しい。……ここでの営業はいつから?」
探る意味でそう問いかけると、「さぁて」と店主は首を傾げて見せた。
「私の祖父の時代からやってるとは聞いてますがねぇ。何分、ずいぶんと前のことですからねぇ」
きちんと答えてもらえたような、はぐらかされたような、不思議な心地を覚えつつ、八神はそうですか、とだけ言い、しばらく考え込んで……そして、冒頭の言葉を継げたのだった。
「坊主は悩みの相談を受けるのが本業ですからね。お聞きしますよ?」
「や、俺の友人なんですけど――料理がうまくなりたいんだそうで。ちょうど先日ここを訪れてメニューのほとんどを制覇した輩が、やたら味を褒めてたもんですから……楽しんで料理をうまくなってもらうには、どうしたらいいかなって思ったんです」
「ご友人、ですか――」
苦笑したように、店主は右の頬をかき少しの間考え込む。
八神としては、彼女の力になりたい、だがそれだけに邁進したらどうだとか、なんらかのやり方を押し付けるとかいった方策は取りたくなくて、喜びながら料理をつくる術を上達していってほしい――できる限り、他者が美味しく食べられる程度までには。
「彼女ですかね?」
頭に彼女の顔を浮かべた瞬間の問いに、思わず八神は頬を染める。
「青春ですねぇ……それならいい方法があります」
そういって、店主は内緒ですよ、と言って珈琲のおかわりを差し出した。
飲んでみると、味が少しだけ異なっている。
「わかります?」
「少しだけ、酸味がきついかな……?」
そのとおり。店主がうなずいて応じた。
「それはアルコールランプを少し長くサイフォンにあてすぎたものでして。やっぱりはじめはどの豆でどの量なら、どの程度沸騰させればいいかとかわからないですからね。10秒、1秒の違いを試行錯誤するものです」
へぇ、とつぶやく八神に、店主が片目をつぶって笑って見せた。
「つまりは、そういうことです」
回数をこなすこと。それに勝るものはなく。
「強いて言うなら、愛情をもって率直な感想を言う人が毎回食べてくれると、言う事はないでしょうね」
頑張ってください。そういわれ、八神はまた少し頬を染める。
ありがとうございます、と言うと店主が「口直しです」として、カラメルプリンを出してくれた。
ほろ苦さがアクセントとなり、酸味の強いモカとの相性がよい。
「どんなものでも、相性のよいもの同士でかかれば、乗り越えられるものですよ」
数度目を瞬かせ、八神はまた笑みを浮かべた。
「ありがとうございます」
ひとしきり雑談を交わした後、店を出た八神。
ふと気づけば、見慣れた通りに立っていて。
「修ちゃんこんなところでどうしたのだ?」
通りかかった真央が、きょろきょろとあたりを見渡す八神へ声をかけてきた。
「あ、真央か……例の店に、入ることができたんだけど――もう、入れないみたい」
「修ちゃんも入れたのだ!? やっぱり夢じゃなかったのだ~、真央ちゃんプリンと最中とシフォンケーキとパンナコッタを食べ損ねてるのだ! できればぜひ食べたいのだ!」
後木 真央
の台詞に、思わず苦笑する。
「プリン、美味しかったよ」
「ええっ、食べたのだ!? うらやましいのだ~」
道すがら、それぞれの見たことをもう一度比較してみようか、そんな話をしながら、八神と真央は、ゆっくりと歩き出すのだった。
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あとがき
担当マスター:
蒼李月
ファンレターはマスターページから!
皆さま、このたびはご来店いただきありがとうございました。
坊主の癖で説教くさい店ではございますが、いかがでございましたでしょうか。
初めてのご提供ということでどきどきではありましたが、12名の方にご来店いただけて、ほっとしている次第です。
PC様の様々なバックグラウンドをうまく読み取れているか、中々不安の尽きぬ中ではございますが、
できうる限り店主も頑張ってみました。
むさくるしいマスターズ(※ただし一人)とお付き合いくださった皆様も、ありがとうございます。
喫茶店で茶をしばいている限りにおいてはマスターと絡むことを選択されたほかのPC様と絡ませることも可能なのですが、
せっかくなので今回は基本的にマスターと二人きりのやりとりをご提供させていただいたところです。
もし運命(抽選や機会)が許せば、またご来店いただければ幸いです。
その際には別のマスターがお相手をするかもしれませんが――切に、ご来訪いただけますことをご期待申し上げます。
ちなみにメニューについては基本的に以下のとおりを想定してました。
まさか全品目注文されることがあるとは思っておりませんでしたが……
・Drink
コーヒー(ブレンド、各種)(Hot)、 カフェ・オレ 、 カフェ・ラテ
アイスコーヒー 、 紅茶(Hot・Ice) ※レモン、ミルク
・軽食
サンドイッチ、 おかずパン(日替わり)、 スコーン(日替わり)、 ハムエッグ、 ロシアンたこ焼き
・麺
ナポリタン、 カルボナーラ、 ペペロンチーノ、 デザートパスタ(各種)、 和風パスタ(気まぐれ)
・飯
オムライス、 エビピラフ、 ドリア、 焼飯(溶岩)、 お茶漬け
カツ丼、 親子丼、 カレーライス(フツウ)、 カレーライス(天国行き)、 カレーライス(地獄行き)
ステーキ丼、 タコライス
・甘味
アイス(各種)、 かき氷(各種)、 ケーキ(日替わり各種)、 お汁粉、 プリン、 気まぐれ甘味
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼李月
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
12人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月30日
参加申し込みの期限
2016年06月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年06月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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