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愛を語って下さいな★
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「おーい大道寺、連れてきたぜ」
放課後の1組の教室に、紅緒のクラスメイトの
御剣 刀
が戻ってきた。彼の後ろから現れたのは、同じくクラスメイトの
橘 千歳
と二人の友人の
小山内 海
だ。紅緒が陽毬とセットに見られているように、この三人もスリーマンセルとして同窓生たちにはお馴染みである。他クラスの生徒が教室に入ってくるのを、もはや誰も気にしなかった。
三人はそれぞれ空いている席に——当たり前のように三人くっついて——座る。
刀と千歳には既に話してあったので、海も事情は理解していたが大凡だ。取材内容について改めて紅緒へ問いかけた。
『愛って恋愛的な意味で? それとも親愛的な?』
海が会議の議題のようにスケッチブックに書き込んだ文字を見せてきた。
「出来れば恋愛が良いけれど、そうじゃなくても良いんですの。詳しくは次巻のネタバレになるから秘密ですわ」紅緒はニッと笑った。
『どういうのでもいいんだ』
海は安堵する。色めいたものをドーンと置かれなけば、学生同士でも話しやすい。
早速刀が紅緒の方を向いた。
「俺は祖父さんから教えてもらった祖父さんの剣術を極めるって目標があるから、それが愛というか大切な物か?」
期待とも予想とも違うものを披露した刀に、紅緒も海も千歳も微妙な表情をして、視線で会話を始めた。
ハズレじゃないがアタリでもない、雑貨店のくじ引きで微妙に使えない便利グッズを引き当てて「ポケットティッシュの方が良かったね」と言い合っているような顔だ。刀は空咳をした。
「ん~、目標の為に剣術の練習を積み上げて来たけれども、海や千歳をその積み上げてきたものを使って守りたいと思うよ」
紅緒は「成る程」と相槌をうちながら、海と千歳の表情も伺っている。
「朝起きて剣術の練習をするとき、登校している時、授業を受けている時、昼休みに飯を食っている時、放課後に寄り道をしようとした時、夜に夜空を見ながら散歩に出た時。
そんな日々の何気ない生活の中で感じた事を話せて、時折隣にいてくれて、それが嬉しいんだ。
それを失いたくない、だから守るんだ。そして、これから一緒に過ごしていきたい……そう思うんだ」
刀は紅緒に話しながらも、意識は完全に千歳と海に向けていた。
そこに深い愛情と信頼関係を見て、紅緒は開きっぱなしのグリモワール・デ・ルージュを見つめたまま固まった。友情と恋愛の狭間にあるようなこれを、どうまとめて書き込んで良いのか分からない。
同業者にそういったものが得意な作家は何人か知っているが、紅緒にはまだ未知の領域だ。すっかり黙ってしまった彼女を見て、千歳が気を使ったように口を開いた。
「そうね……私には姉がいるのよ、双子の姉」
「確か3組の——」千歳は紅緒に頷いた。
グループ企業総裁の孫娘であることを感情面で受け入れきれていない千歳に対比するような、お嬢様の中のお嬢様といった雰囲気の女生徒だ。
「すごく私のことを愛してくれてるのを感じてる。もちろん私も姉のことは好きだけど、でも時々ちょっとその愛が重く感じることがあったわ。
私に、そこまで愛される資格があるのかなって真剣に悩んだこともあるわ。
だって、姉は頭脳明晰で上品で、話し上手で料理も上手で——」
秘めた感情を発散させるように話すリズムを早くしていた千歳だったが、ここで一度全てを飲み込んで黙りこくった。
三人は彼女が続きを話す勇気を持つのを辛抱強く待った。
「……皆から慕われてるのよ。
それにとても優しい人。男の子なら、誰でも姉の方を好きになると思うわ。私が見ても、とても美人だし、可愛らしいもの」
二人は一卵性の双子で、よく似た容姿を褒めたら自画自賛のようではある。しかし千歳にはそのつもりはちっとも無いようだ。彼女は姉と自分の間に大きな隔たりを感じている。強い憧れの言葉がそれを示していた。
紅緒は横並びになって「見てみて紅緒ちゃん」「こぴぺー」と声を揃えてゲラゲラ笑っている別の双子を思い出して、あのぐらいの気軽さがあったら千歳も楽になるだろうにと思ってしまった。
(あんなアホになっても問題でしょうけれど)
視線を泳がせた時、刀が口をぱかっと開いて閉じるのを紅緒は見た。千歳も彼女の双子の姉と同じように美しさを持っているとでも言いたいのだろうか。
口下手な彼がそれを表現しようとするとマズイ言い方になる気がして、紅緒は「どうしたの」とは聞かなかった。
「私は、家の事情があって、小さい頃は姉や両親とは離れて親戚の家で暮らしてたのよ。古い慣習みたいなものでね。
それで、一人ぽっちだった私のことを可哀想って思われてるのかぁ、とか」
望まない同情は、コンプレックスを余計に刺激しただろう。紅緒が聞き手として深く頷いていると、千歳は慌てて両手を振った。これは今はもう解決仕掛けている問題なのだ。
「あ、でも、最近になって、そういう考え方は間違っているんじゃないかって。
愛されるのにも、愛するのにも、資格とか関係ないのよ。気づかないうちに自然に気づいたら好きになってる。それが愛情じゃないのかなって……。
あ、別に何か気づく切っ掛けがあったとかじゃないから。なんとなくそう思ったのよ」
千歳の台詞には「あ」が多い。その意味を紅緒は分かって、刀を一瞥した。その行動を千歳が気づいたのかは分からないが、全てを出し切った彼女はふうっと息を吐き出していた。
「そう、なんとなくよ」
「そうか、自然に気が付いたら好きになっている……なるほどな」
刀にじっとみつめられた千歳は、「何よ」と素直じゃない反応を示した。更に刀に肩に置かれた手を、赤くなって慌てて振り払うシーンを見せてくれた。紅緒は本物のツンデレを生で見ていることに、感動を覚えている。
「オーゥ、リアル、ニンジャー! って感じね」
「え? どうしたの大道寺さんいきなり」
「何でも有りませんわ」
陽毬が欲しい瞬間である。
と、ここで海が何かを書き終えたらしい。自分の言葉——スケッチブックを皆の前で披露した。
『恋愛的な意味だとその相手と一緒にいたくて幸せにしてあげたくて、ずっとその人のことばかり考えてる、そんな感じ?
その人とどんな時でもつながりを持っていたくてその人のことばかり考えたり、その人のために何かしてあげたいって思ったり、その人の事を求めたりとか……』
皆が読み終えるのを待ちながら、海はうーんと自分で自分の言葉に眉を寄せていた。そして同じページの下に書き足しをする。
『なんだかうまく言葉にできないかな』
できなくとも彼女なりに抱えているものはあるんだろう、と刀は頷いた。紅緒は海の言葉をそのまま自分のハードカバーに書き写した。脚色や要約より、そのままの言葉の方が良いと思ったのだ。
「いつかこのセリフがいとぐち紅の作品内にそのまま登場しても訴えないでね」と言われて、刀と海と千歳は笑い出した。
取材もこのあたりで終了、と誰しもが思ったタイミングで、海が全てをまとめた。
『色々と話してみたけど結局愛っていうのは、好きだから、でいいんじゃないかなって私は思うかな。
気づいたら自然と好きになっていた、それが愛じゃないかなって』として『その気持ちに気づくきっかけとかはあるかもしれないけどね』と結ぶ。
興味深く聞いた紅緒は、ペンを走らせた。
長い文章を書き終えて顔を上げた時、刀の手の甲が海の頬を滑るのを見た。
湧き上がる気持ちをストレートに表現する愛撫を、海は少し驚きながらも気持ちよさそうに目を閉じて受け入れている。
それから海は刀と千歳の制服の裾をぎゅっと握った。
他人が立ち入れないプライベートをまざまざ見せつけられたような気分になって、紅緒は勢い良く椅子を蹴った。
「せんきゅーそーまっち、ですわ!」
お礼もまともに言えないくらいに狼狽して、紅緒は「ぴゃーっ!!」と叫びながら廊下をかけて行った。
三人は驚いて顔を見合わせたものの、すぐに彼らの空間へかえっていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月21日
参加申し込みの期限
2016年05月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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