文房具戦争、勃発！？｜リアクション

文房具戦争、勃発！？

●●●絶対独立宣言！　主張します！●●●

　それぞれがこの世界に来た時、三角定規と傘の攻防を見せつけられる。
　そして、当事者の意思が硬いことを感じる。
　しかし、同じくらい硬く、そして柔和な一人の少女が一通りの話を聞いた後に自ら叫ぶ。

「…茸でも筍でもそれ以外でも、美味しいじゃないかお味噌汁ー！」

　キノコ派とタケノコ派に分かれた人たちは思わず少女…恵御納夏朝を見やる。
　キノコかタケノコかの話で何故フツウじゃない争いが起きなければならない！
　夏朝の気持ちは収まらず、前髪のアクセサリーを揺らす。

「僕のお母さん、どっちも作ってくれたしどっちも美味しか……
　あ、でも僕の好みは豆腐とわかめのお味噌汁です」

　途中から若干冷静になっているが、普段は無口な夏朝では想像がつかないほどのエネルギーだ。
　その意思の強さに呼応したのか、夏朝の目の前で淡い光が立ち上る。
　光は一つに集まって行き、徐々に形を形成し、旗上になる。
　驚いていた夏朝は天啓を得たかのように高らかに宣言した。

「僕は『第三勢力』！どっちの敵にも味方にもならないっ！」

　白く輝くフラッグを夏朝は優しく触れ、同時にフラッグは姿を消す。
　しかし、視認はできないものの、寝子島高校の校門付近にフラッグが移動したのだと感じられた。
　それは他の人たちも同様だったようで、フツウでは感じることのできない感覚に、驚いていた。

　かくて、少女…夏朝のみのチーム『トウフ』が出来上がったのだった。

　夏朝がフラッグを立てた後、それぞれのチームは拠点へと移動する。
　フツウならもっと時間がかかるであろう道を事もなげに走り、跳躍し、飛空する。
　改めてフツウではないことを実感して拠点へ到着する一同。

　戦争勃発前に三つ巴になるという事態が発生したが、結局やることは変わらない。
　自分たちのチーム以外のフラッグを取ればいいのだから。
　そして、キノコタケノコ戦争…もとい、文房具戦争の開幕となったのであった。

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