文房具戦争、勃発！？｜リアクション

文房具戦争、勃発！？

●●●キノコチーム、始動！●●●

　一方、キノコチームにも7名のメンバーが集まっていた。
　戦争のきっかけになった三角定規を所持した男子生徒とコンパスを持った女生徒。
　そこから少し離れた所にいる頭を抱えている少女。

「…どうしてこうなるの？」

　中学生の少女、水上桜はこの戦いに巻き込まれた1人である。
　味噌汁ならあさりが好きだが、受験予定の高校の生徒たちに迫られればどちらかを選択するしかなかった。
　信念を貫き通した人が新しいフラッグを立てていたが、その時にはもうキノコチームの加入後だった。

「なんやお嬢ちゃん、戦いが心配か？」

　そんな桜を発見して声をかけたのはオールバックでピアスをつけた須藤清一郎だ。
　桜を安心させるため、少しだけかがんで目線を合わせて清一郎は言う。

「大丈夫や、俺たちがついとるからな！」
「あ、ありがとうございます」

　爽やかな笑顔を演出する清一郎に、若干の安堵を覚えた桜は頷く。
　入学後の先輩は一見怖そうに見えるが、今の所いい人そうだ。
　満足そうにしている清一郎に声をかける茶髪の男がいた。

「戦闘開始までにできるだけ皆の使用する文房具やろっこんを知りたい、協力してもらえるか」
「もちろん。教えたくない場合は大丈夫なのだ～、って修ちゃんは思ってるのだ～」

　情報提供を求めてきた茶髪の男、八神修は例え遊びでも勝利にこだわる。
　修の後ろから小動物のように顔を出したのは笑顔で修の補足をする後木真央。
　小さいからながらもアグレッシブな印象を周囲には与えているのだとか。

　桜は納得し、できるだけの情報を共有する。
　そこに中世的な顔立ちをしたサキリ・デイジーカッターもその情報共有に参加する。
　手にしたカッターを弄びながら敵勢力の話題を取り出す。

「屋敷野、壬生先輩は要注意だな。御剣とは機会があれば戦ってみたい」
「梢ちゃんはものを蝶に変えるし、由貴奈ちゃんは予測が難しいのだ～」

　真央も名前を出された2人に心当たりがあるようで、ややオーバーリアクションで反応する。
　敵勢力にもこれまで何度か一緒に事件を解決してきたメンバーがいる。
　それぞれの特徴を思い出し、対策を立てていく。

「なるほどな。なら、こういうプランでどうだろう」
「ええんとちゃうかな。俺は切り込み隊長ってところやき！」
「私も賛成ですよ。派手に動き回れば注目は集められますし」

　最終的に修が出した案に清一郎、桜が同意を示し、真央、サキリも続く。
　発端となった男子とキノコ頭の男子も首肯し、賛同の意思を表した。

「そうと決まったら早速補充に行くのだ～♪」
「お、なら俺も付き合おか」

　後は開始を待つだけになり、真央と清一郎は缶ジュースを買いに行く。
　喉を潤すことももちろんだが、真央にとっては今回の武器にもなる。

　各々準備が完了し、何故か開始の合図だとわかる、ホイッスルのような音で修たちは動き出す。
　気まぐれで発生した世界を、最大限楽しみながら勝利を手にするために。

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