寒風が吹き、落ち葉を舞わせる1月。
学校が始まってからなんとなく休みの感覚が抜けない人も居る中で、ゆったりと時間が流れるお昼過ぎ。
ご飯がお腹の中で消化されているのを眠気と言う実感をもって体験する寝子島高校の生徒。
「…この眠さは異常だと思う」
「お前の食った量が異常だったんじゃねぇか」
そんな風に授業中に話をしないと瞼がくっつきそうになる。
とは言え、ずっと話している訳にもいかないので、黒板の文字をノートに書いていく。
それでも眠気には耐えられず、眠らないというだけの選択肢を取る。
そう、夢想をするのだ。
もはや授業は頭に入ってきていないが、彼は後に黒歴史と自分で称する設定やイラストをノートに書く。
何でも斬る事が出来る剣、絶対に防御できる盾、人の心を読める手…。
そんなどこにでも有りそうな設定を書き連ねていくが、眠気には抗えず、ついに意識を手放してしまう。
「いやー、やっぱりキノコでしょ!」
「え? 何言ってるの。タケノコが一番でしょう?」
意識が戻ると、見知らぬ男女が教室でお椀に入った何かを飲みながら言い争っていた。
何事だろうと周りを見渡すが、見知った顔は居なかった。
「な、お前はキノコ派だよな!」
「ね、君はタケノコ派よね?」
「え…ええと…俺はタケノコ派…かな…?」
いきなりこちらに質問が飛んできて混乱をするが、適当に応える。
タケノコ派と言った女子が得意気な顔をして満足そうだ。
「お前にはキノコ汁の良さを理解していない!」
「ふふん、お味噌汁にはタケノコって相場が決まってるのよ」
「…分かった。ならば戦争だ!」
え、味噌汁の話してたの? って言うか、戦争って何?
そう思ったが、キノコ派男子は鞄の中から筆箱を取り出し、三角定規の先端をタケノコ派女子に突き付ける。
引き金を引くような音がしたと思ったら三角定規の先端から銃弾?が射出された。
「あら、食事中に戦争だなんて行儀が悪いわね。でも、受けて立ってあげる」
いつの間にか展開していた折りたたみ傘で銃弾?を防ぐ。
タケノコ入りの味噌汁を余裕そうに飲みながら、宣言した。
「ルールはフラッグ戦、負けた方は卒業まで相手の味噌汁を飲み続ける、って所かしら?」
「良いだろう、開始時刻は1時間後、再出発は寝子島高校のグラウンドだな」
不敵に笑う男女を見て不安に駆られるが、タケノコ派女子に笑顔を振られてついて行った。
そんなこんなで始まった、キノコタケノコ…ではなく、文房具類を使った戦争であった。
●●●舞台・背景●●●
黒歴史を書いたまま寝てしまった男子生徒。
その黒歴史に呼応するように出現した寝子島に良く似たパラレルワールド。
超人にも似た力が種族に関わらず発揮され、その上、文房具類を武具に出来る様子。
文房具類に演出された戦争、楽しんでみませんか?
●●●フラッグ戦●●●
味噌汁の具はキノコがいいか、タケノコがいいか、で戦闘をしています。
ルールは相手のフラッグを取った方の勝ちになります。
人数については希望を採用し、偏りが出た場合はモブNPCが登場します。
MAPは以下の通りになっています。
キノコフラッグ (赤):星が丘駅入口(C-10)
タケノコフラッグ(青):寝子島シーサイドタウン駅入口(J-9)
再出現ポイント :寝子島高校グラウンド(F-9)
●●●武具の生成について●●●
このシナリオでは文房具や日用品を武器にすることが出来ます。
基本的にはその物体から連想できる物である限り、採用となりますが、
1つの物体につき、付与できる効果は1つになります。
例:
ボールペンをノックすると同時に剣になる→OK
ボールペンをノックすると同時に銃弾が射出される→OK
ボールペンをノックすると同時に剣になり、もう一度ノックすると刃が飛んで行く→NG
傘が仕込み刀になっている→OK
三角定規を銃と見立てて穴の部分の引き金を引くと銃弾が射出される→OK
缶ジュースを手榴弾代わりに使用する→OK
●●●注意!●●●
ろっこんの強さや使い勝手は元のままです。
この世界で倒された場合、寝子島高校のグラウンドに出現し、傷が癒えています。
そして、戦争に参加する人以外いませんので、思い切り楽しんで下さい。
世界形成の原因は気紛れです。
この世界の消滅条件はどちらかのフラッグが取られる事です。
●●●その他●●●
Q:超人にも似た力が…って、よく判らないんだけど?
A:映画的なご都合主義な感じだと思っていただければと思います。
具体的にはある程度の距離なら屋根から屋根を渡り歩けるし、どれだけ走っても疲れません。
Q:武具の熟練度はどうなるの?
A:武具の扱いは強化されていますが、元から扱っていた人の方がよりうまくなっています。
銃を扱えば一流のガンマンやサムライもびっくりな腕前になっています。
Q:ところでキノコタケノコって、お菓子じゃないの?
A:お味噌汁の具ですよ! お味噌汁の!