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一日閑話
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この日の3年2組のホームルームは長かった。
新江 天懸
が担任の雑談が盛り上がってしまったことを少しばかり忌々しく思っていたのは、彼が放課後会いたい人物が居たからだ。
すぐに壁を挟んだ一つ隣の1組へ向かったものの、こちらはとうに解散してしまっていた。
掃除当番とまばらに残った生徒たちをぐるりと見て、天懸は思い切ってみる。たった一言、同級生相手でも、こんな質問するのは彼にとって珍しいことだった。
「イリヤって奴しらねーか?」
「メアド?」
突然ゴツいブレスレットをした手に背後から肩を叩かれた。振り返ると楽器ケースを肩にかけた男子生徒が立っている。
「喧嘩なら止めた方がいいぜ。あいつああ見えて強烈だから」
「は? 探してんだよ」
「そりゃよかった。イリヤなら図書館行くつってた」
「図書室じゃなくてか?」
「そ。寝子島図書館。さっき別れたばっかだから、急げば間に合うかもな」
その後天懸がイリヤを見つけたのは、寝子島小学校を通り過ぎる大きな曲がり角だった。
イリヤは立ち止まっていて、天懸が走ってきたのを見とめると、いきなり喋り出した。
「ここから図書館に行く時、どっちから行くか迷うよね。ここで曲がるか、真っ直ぐ行って曲がるか——。どっちに行っても一回反対方向から遠回りしなきゃならない」
「は?」
「クラスで僕のこと聞いたでしょう。泉……日本橋君からメールがきたんだ。『金髪が追ってくるぞー!』ってメール。すぐ分かった、天懸のことだ。ふふ」
イリヤに笑われて、天懸は少々照れを含んだ不機嫌な顔で染色した髪をかきあげた。
「この後に用事はない? 天懸が住んでいるのは旧市街だよね。図書館の前まで、僕の遠回りに付き合ってよ」
言い終えるが早いかイリヤはすたすたと角を曲がっていった。天懸は戸惑いつつも後を追いかける。
猫又川をわたす橋を歩きながら、イリヤはぼやいていた。
「——やっぱり川渡ってから曲がれば良かったかなぁ?」
くるりと顔がこちらを向いた。天懸が曖昧に答えていると、イリヤはまたすぐに口を開いた。
「あなたは僕に何か言いたいことがあるんだ、そうでしょう」
灰色の大きな目に見つめられて、天懸は射竦められたような気分になった。実は天懸は謝罪の言葉を持ってここへ来ていたのだ。
「あー……」と声を漏らして、いよいよ覚悟を決めると、もう何週間か前から何度も頭の中で考えてきた言葉を口にする。素直な気持ちで頭も下げた。
「この間は、そっちの過去を喋ってもらって……すまなかったな」
「あれは僕が自分で話したくて話したんだ」
イリヤはそう言ったが、彼に無礼を働いてしまったと感じている天懸は首を振った。
「プライベートの事、あんまり根掘り葉掘り聞くつもりはなかったんだ」
そしてイリヤが自分の事を話してくれたのに、自分は——状況からだとしても——はぐらかしてしまったのがずっとひっかかっていた。
「……今度は俺の、番だな」
天懸は雨音の中でイリヤに声が届くように、少しだけ距離を詰めた。
「俺は日本生まれの日本育ち……何不自由なく育ってきた。学者一家、4人家族だ」
天懸は淡々と、自分の生い立ちを俯瞰的に話そうとしている。
「ただ不幸だったのは、俺の野球の才能とか、それは父にとっては無意味なものだった。
父親から必要のない扱いを受けて……母親と一緒に家を追い出されて……」
「辛かったね」
イリヤの声や表情は親身に同情する、と言うよりも、そうされたら当然こう感じただろうと感情を言い当てるようなものだった。
過去を他人事のように言う事で無意識に自己防衛を図っていたのだろう天懸は、突如自分の過去を突きつけられた気分になり、ぐっと息を飲み込んでしまう。締め付けられるような苦しさの中でも、彼は続けた。
「イリヤみたいな、自分の居場所と家族を結び付けているまっとうな人間に俺は嫉妬していた」
「僕は……、あなたが言うほど真っ当ではないよ」
イリヤは苦笑する。
「以前話した、僕を引き取ってくれていたご夫婦は、病気で子供ができないってお医者様に言われてたんだって。
でも神様が与えて下さったんだと思う、春に男の子が生まれるんだ。
それを聞いた僕は、祝福より先に、これで僕は要らないだろうなと思った。実際に彼らの顔からその感情を見て軽蔑して怒って、悲しくなって、これから彼らが作っていく幸せなを想って嫉妬した」
それが天懸に訪れた感情と違っていても、根底は同じものではないかとイリヤは思っていた。
「天懸、あなたの感情は、きっと誰でも持っているものだ。だから頭を下げたりしないで欲しい。
僕は……何て言うか……、僕らは友達だよ」
念を押すように「ね」と笑ったイリヤはそれで天懸を促し、二人は橋を渡るために再び歩き出した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月02日
参加申し込みの期限
2016年05月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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