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【寝子島中学校の放課後】
下駄箱前で
篠原 翠響
が靴を履き替えていた時、上の学年の靴箱の前にその人を見つけた。薄い色の髪先は天然の巻き毛で、雨の所為か好き勝手な方向へはねている。
「イリヤ」
イリヤ・ジュラヴリョフ
の顔がこちらを向いた瞬間に、彼の名前を反射的に口走ったと自覚した。
(あたしったらもう、もうね——!)
胸を押さえている翠響の様子に、彼は眉を寄せる。
「調子が悪い? 先生呼びますか?」
「なんでもない! 今帰り?」
「はい」イリヤは傘を開いている。
「行かないんですか?」振り返られ、翠響も慌てて自分の傘を開いた。
少女らしく可愛らしい柄入りの傘と、柄に色がついただけのビニール傘が並んで動き出した。
「今日一日、ずーっと雨降りだよね」
「そうですね」
イリヤは答えながら翠響の表情を注意深く見て、「雨が嫌いなんですか?」と質問した。
「嫌いって言うか、憂鬱になる。これから練習だから余計——」
「何か習い事をしているんですか?」
「寝子島スポーツセンターの新体操クラブ」
翠響の答えを聞いて、イリヤはスマートフォンで検索を始め、すぐに「Художественная гимнастика?」と呟く。新体操と言う日本語を知らなかったのだ。
「棒やボールを投げたり紐を回したりするスポーツですね」
「う、ん……。まあ、大体合ってる。夜の8時まで練習なんだ」
「大変なんですね」
「今は大きな大会とかないから楽な方だけどね」
「そうなんですか」と、女性のスポーツ新体操に対するイリヤの知識と興味はここで尽きてしまったらしい。
「僕は図書館へ行くつもりです」
「雨なのに。返却日が近いの?」
「今度の高校受験について、僕は先生に学力は問題無いと言われました。
ロシアに住んでいた時、兄さんたちに修学した学年の教科書を送って貰っていたから、日本の学校の勉強も大体は分かるんです。
自分で問題があると感じるのは、僕は読むのが遅い。だから出来るだけ多く読んで、慣れないといけません」
翠響が相槌を返すと、イリヤは続けた。
「紅緒さんに聞いた本を借りているんです。彼女は僕に合わせてお勧めを教えてくれるんですよ」
「イリヤはどんな本が好きなの?」
「……そうですね」
彼は首を傾げる癖を見せて、口を開いた。
「推理小説かな、簡単な。物語のなかの事件なんて僕には関係無い、だから俯瞰的に見られるでしょう。
読んでいて胸が痛くなるのは好きじゃないな。人が傷つけられたり、悲しんだり苦しんだりする作品。文学に多いでしょう。兄さんたちから何冊か借りたんですけれど、疲れる。
あなたは?」
「あたしの愛読書は、サン=テグジュペリの『星の王子さま』」
「日本の女の子に人気ですね。雑貨屋に行くと必ず彼を見かける」
答えながらイリヤは傘を少し高く上げた。中学校の敷地から出て最初の信号が、雨の中にぼやけて見えていた。翠響の足元で、反射した緑(あお)の光が滲んでいる。
「スポーツセンターってスタジアムの方ですよね」
それは彼の帰路とは逆方向だ。会話を切る言葉を聞いて、翠響はゆっくり頷く。
「うん、また明日ね」
学年違いの少女にそう挨拶され、イリヤは明日も会うかな? と内心思いつつ「はい」と返した。
「信号変わっちゃいますよ」
翠響が背中を押す言葉に送り出されて交差点の白線を進むと、二人の女性徒が小走りに隣を通り過ぎた。
どうやら片方が傘を忘れたようで、一つの傘に入ってきゃっきゃと楽しげな声をあげていた。それをきっかけに翠響は、あの素っ気ないビニール傘の下半分にいる自分を想像していた。
するとたちまち胸が詰まって、頰が赤く染まっていく。誰が見ている訳でもないが、翠響は俯いた顔を低くした傘で隠そうとした。
しかし彼女は思い立って、もう一度顔を上げ、振り返った。
もう何メートルか進んでいたイリヤだったが、翠響がこちらを見ているのに気づいて、微笑んで手を振って行った。
それを見ただけで翠響の憂鬱な気分がすっと抜けて、羽根が風に舞うような足取りになる。
身体が軽く感じられたのは、無自覚のろっこんの発動だけではないだろう。たった数分の会話でも、彼女は満たされる心を感じていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月02日
参加申し込みの期限
2016年05月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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