例えば彼らの話——。
6時。この日の朝は寒かった。
エリセイ・ジュラヴリョフは、弟の「遅刻するよ」の声を無視してギリギリまで、折り曲げた全身にすっぽり毛布をかぶり続けた。
むずかりながら漸く目覚め、朝の準備を10分以下で済ませて降りた玄関先で、傘が手渡された。
「今日、雨だって」
9時51分。寝子島高校の校庭では、1年1組が体育の授業を行っていた。
「さっむーい! ジャージだけじゃ無理ぃっ!」
伊橋 陽毬が二の腕をさすっていると、頭にぽつりと冷たい感覚。雨が降ってきたのだ。
お陰で授業は終了、残りは自習時間となった。着替えたばかりなのに、教室に戻ったらまた直ぐに制服に着替え直さなければ……。陽毬はクラスメイトと顔を見合わせ苦笑した。
12時30分には寝子島高校で昼休のチャイムが鳴る。
大道寺 紅緒は北校舎1階の学食入り口で、メニューをぼんやり眺めていた。
本日の日替わり定食Aはハンバーグ、定食Bは鯖の塩焼き。どちらにしようか、それとも別のメニュー?
ふと中庭側を見ると、2限頃に降り出した雨が強くなって、テラス席に叩きつけていた。
17時近くになると、寝子島図書館へ学業を終えた学生たちが集まり始める。
現代文学のコーナーで、
イリヤ・ジュラヴリョフは手に取った本をぱらぱらとめくっていた。
このくらいならすぐに読めそうだ。
(あと一冊、どうしようかな)
この手に詳しい人にお勧めを聞いてみようかと、学生服のポケットからスマートフォンを取り出した。
20時。旧市街のミルクホールは、ピークタイムを終えて店内も静かだ。
「どう? 雨だからスローペースだったかしらね」キッチン店主が顔をだす。
レナート・ジュラヴリョフはピッチャーを揺らしながらカップの中にミルクのリーフを描き終えると、窓の方へ視線を投げた。
「ちょっと小雨になってきたっぽいよ」
21時には雨が止み、雲間から星が覗いていた。ごくありふれた一日が終わろうとしている。
シナリオガイドをご覧頂き有難うございます、東安曇です。
今回のシナリオでは、寝子島で過ごすPCの一場面を切り取って描写致します。
『ある授業中』『仕事中』『どこそこへ行った時』など、短い時間での行動です。複数に渡る行動は、描写が薄くなったり、カットされてしまう可能性が高いのでご注意下さい。
またサンプルを参考に、アクションに大凡の時間の記載をお願い致します。
学校のタイムテーブルは、世界設定に詳しく書かれておりますので、是非参考になさって下さい。細かい時間割はこちらで指定致しませんので、ご自由に想像してしまって構いません。
アクションを掛けられるNPCはガイドに登場するキャラクターのみです。
皆様のアクションをお待ちしております。