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一日閑話
POSITIVE AND NEGATIVE
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「明日ねー」「おつー」
高校1年2組の教室で聞こえる帰りの挨拶も、だんだんとまばらになってきた。
浅山 小淋
は窓から外の雨模様を見てみる。
待っていても弱くはならなさそうな雨だし、自分も帰宅しようかとカバンの準備をしていると、ある女子生徒の後ろ姿に視線が止まった。
表情豊かで元気の良い思春期の子供たちの中で、ただ一人静かに、自分と向き合うように、彼女はチェス盤の前に座っていた。
そこだけ異質な空間の様な——、もしこれが舞台だとしたらスポットライトが当たっているに違いない。
不思議な光景だ。
エレノア・エインズワース
の醸し出す雰囲気に惹きつけられるように、小淋はいつのまにか彼女をじっと見つめてしまった。
それは自身でも無意識で、エレノアがこちらに振り返った瞬間に初めて自覚をもった。
立ち尽くす小淋を彼女は見つめて返す。
「一局どうですか浅山さん?」
耳の奥に響くその声が、小淋を誘った。
「クリスマス終わってから雰囲気が浮ついてません?」
小淋がたどたどしい手つきでポーンを一つ進めようとした時、エレノアがふいに口を開いた。
チェスを教えてくれたエレノアだったが、思えば彼女と二人きりで話した経験はなかった。
緊張に頬を染めたが微笑んで返し、スケッチブックを取り出した。
『まだ皆さん、気分が抜け切れてないのかもしれませんね』
書かれた答えを気に入ったのかそうでないのか、エレノアは隣の窓の外を指さした。
「ほら、あの相合傘カップル——」
小淋が示された方をみようと身を乗り出すと、エレノアがくっと口角を上げた。
「あの片方をネイルハンマーで殺したら相方はどう反応しますかね」
(殺す——!?)
聞き違いだろうか。
小淋が首を回して見たエレノアの顔は、美しい笑顔だ。
美しいからこそ、小淋の胸に小さな恐怖心が芽生えた。ただその感情はまだ育ちきっておらず、
『流石にそれはやり過ぎてる気もしますが』と返すだけの気力は持っていた。
エレノアは薄く開いた睫毛の下で視線を動かし、局面をよむ。
小淋の動かしたポーンを取る為に、駒を手に取った。勝負をかけたのではなく、あくまで相手の戦術を探るような動きだ。
「大切な人間というのは弱点が増えるのと同義だと思いますがね私は。
浅山さんは? 大切な人は?」
『大切な人はいますよ。この島に来てから……数え切れないほどに』
エレノアの意図に気づいたかは定かではないが、小淋はまた例のポーンを動かした。エレノアの表情がピクリと揺れる。
「意外ですね。貴女は親密な人間関係は無意識に避けるタイプだと思ってました」
『きっとこの高校に来る前の私なら無意識に避けて……逃げていたのかもしれません』
エレノアが追い、小淋が逃げる。その動きがここで変化した。
『ありがちな質問ですが……』小淋が追われていたポーンで、逆にエレノアの駒を追い始めたのだ。
『エレノアさんは、苦手なものはあったりするのですか?』
「テオですかね。未だに弱みが見えません」
エレノアは低い声を出す。小淋は彼女の指先が小刻みに震えていることに気づいて息をのむ。
「隠れ里でも恫喝してやったのに髭の一本も動かしやがらない……クソがッ」
瞬間にエレノアはチェス盤の横に置いていた腕を勢い良く振った。机の上にあった本が飛び、地面に無残に叩きつけられた。
小淋はそれをスローモーションの出来事のように目に焼き付けたが、とうのエレノアは何事もなかったかのように立ち上がり、本を手に取って背表紙の埃を払った。
「大切な人との別れを想像したことは? 自然と縁が切れたり、あるいは私みたいな頭のおかしな……いえ例えばですよ」
『私みたいな』『頭のおかしな』。
平素なら否定も出たかもしれないが、直前にエレノアの狂気を目にしたばかりで、小淋からその言葉はでなかった。
それに小淋は、エレノアの別の言葉に引っかかっていたのだ。『大切な人との別れ』と聞いて、小淋は駒を持った手を止めていた。
『……別れは誰にでもやってきますよ』
断言して、小淋はエレノアを見つめた。
『私にできる事は それが悔いの残らないものにしないように、今は動いて、信じるだけです』
まっすぐな視線に晒されながら、エレノアは奇妙な縁を感じていた。
『穏やか』『誠実』——。それらが小淋についての周囲の評価だ。
長い髪とそれを結ぶ大きなリボンは変わらないのに、中身は随分と違うものだ。
「私と貴女は正反対ですね。なのに見た目は似てる。さながら光と影のような……ね?」
エレノアは、言葉で相手と自分に境界線を引いていた。
いつの間にか誰もいなくなっていた教室で、小淋は、この一局が開始されてからはじめて相手の駒を取った。
『光も影もありませんよ』
否定は、エレノアを肯定する言葉だった。
『たとえ見た目は似てても、エレノアさんはエレノアさんなのですから』
雨の音が強くなり、二人の会話を遮った。
彼女たちのの勝負の行方は、まだ誰にも分からない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月02日
参加申し込みの期限
2016年05月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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