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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
九夜山ミステリー・凍り付いた山荘の悲劇～犯人はフジコ～
●
夕食は静かなものだった。
食器の触れ合う音が響く。会話はない。外からは吹雪の、身体の芯から凍える旋律が聞こえる。
それは、今夜に起こるだろう惨劇を嘆くかのような、悲しい曲だった。
「今日ハ『フジコ特製☆サンマカレー』ヨ」
――趣味悪ぃ……。
富士山 権蔵の手料理に、志波 武道は顔をひきつらせる。
（気づいたら迷い込んでいたが……一体全体どういうこと！？）
島のマスコット、寝子 サンマは死んだ。殺されたのだ。その上でこのチョイスとかありえない。
（次は俺たちってか？ 上等だ。生き延びてやる）
武道はサンマカレーをかきこんだ。悔しいがフジコの料理は美味い。
その時、
ガタッ、とテーブルを揺らして、獅子目 悠月が立ち上がった。
「殺人犯と同じ部屋になんかいられるか、俺は部屋に戻るぞ」
食器を片付けると、赤銅色のポニーテールを揺らして自室へ戻っていく。
悠月の足取りがおぼつかないのは、殺人鬼への恐怖か、はたまたカレーを大盛で二杯も食べたせいか。
「あの馬鹿、勝手に……」
悠月とクラスメイトの来島 アカリ。悪態をつくが、口調はやや心配気なものも混ざっていた。
フジコは今、キッチンで鼻歌を唄っている。それが悠月の退出を見るや「フフ、チョット用事ガ出来タワ☆」と言って部屋を出ていったのだ。
あからさますぎる！
「私も、そろそろ部屋で休もうと思う」
小柄で色素の薄い桜 月。吹雪や殺人に精神的な疲労がたまっていたのか、小食気味に夕食を終えると退出する。閉じた扉を見て屋敷野 梢が呟いた。
「彼女、大丈夫ですかね？」
「あ。私、隣の部屋だから、付き添うよ」
朝野 未沙が立ち上がった。出ていく前、チラリと三宅 葉月と梢の胸を見て、呟く。
「安心して。私は胸の小さい子も大好きだから」
「……何を言ってるの？」
「とりあえず絶許なんで正座☆」
葉月が小首をかしげ、梢が笑顔に黒い感情を混ぜる。未沙からは変態オーラが見え隠れしていた。
ちなみに彼女の死亡理由は『とてつもない変態オーラを放ちながら』である。
「彼女、大丈夫ですかね？」
梢が再び言った。月と未沙の両方に対してだろう。
「今は自分たちのことを考えよう」
如月 庚がため息をつきつつ、話の本題に入る。
「事情は概ね分かった。要はじぇのさいだー某を退け、夜明けを迎えれば勝ちって事だ。つーかミステリー世界のクセに犯人モロ分かりな気もするが……それはまぁいいか。とにかくやらなきゃやられる、なら生き延びてやろうぜ」
「相変わらず頼もしいな」
武道が言った。
「途中で死ぬタイプですねー」
「茶化すな」
梢と庚の応酬に武道が笑う。
「とんでもないことに巻き込まれたよな……ひとまず、一人になると危ないな。最終的にはダイニングに集まった方がいいか？」
「なら、武器も集めたいな」
サキリ・デイジーカッターは周囲を見まわして言った。包丁のような刃物や鈍器はある程度そろっているが、攻撃力の高そうなものはイマイチ少ない。
「怯えて逃げるのは性に合わなくてね。こちらから敵を倒しに行くさ。屋根裏部屋なら、色々と調達できそうだ」
「俺も同感だ。一緒に行くよ」
御剣 刀がうなずいた。新たに盛り付けたカレーを食べ出す。
「サイボーグが相手だからな……先にボイラー室をのぞいてもいいか？ 非常用燃料に薪を使っているなら、斧くらい置いているかもしれない」
「分かった」
サキリと刀の間で武器調達の話が進んでいく。武道は葉月とアカリに向き直った。
「君達はどうする？」
「私は部屋に戻るわ。朝まで生き残るなら、無理に出歩くのは逆効果という気もするし」
「俺も部屋にいる。皆でいても、結局は何が起こるか分からないからな」
二人が出ていく。武道は眼鏡を外し、目元をもんだ。
「さすがに全員協力は難しいか」
「志波先輩、犯人が割れてるだけマシだって」
庚がそう言って、部屋の扉に手をかける。
いったん部屋に戻り、有用なものがないか探すつもりだ。
「もしこの中に犯人がいるって展開だったら、協力なんて流れすら起きねぇだろうし……俺は屋敷野を疑うが」
「クク、よく分かりましたね。そう、私が犯人です――って、ひどくないですか如月君？」
頬を膨らませる梢。武道が笑った。
「梢ちゃんはそんなことしないよ☆」
「さっすがかいちょー！ ま、私なら確かにやれそうですけどねー」
武道の笑顔が凍る。
「よし、とにかく腹ごしらえしてから出発だな」
刀がカレーのお代わりをしに席を立つ。
「御剣、何杯目のおかわりだ？」
サキリが冷たい声で指摘した。
夕食は静かなものだった。
食器の触れ合う音が響く。会話はない。外からは吹雪の、身体の芯から凍える旋律が聞こえる。
それは、今夜に起こるだろう惨劇を嘆くかのような、悲しい曲だった。
「今日ハ『フジコ特製☆サンマカレー』ヨ」
――趣味悪ぃ……。
富士山 権蔵の手料理に、志波 武道は顔をひきつらせる。
（気づいたら迷い込んでいたが……一体全体どういうこと！？）
島のマスコット、寝子 サンマは死んだ。殺されたのだ。その上でこのチョイスとかありえない。
（次は俺たちってか？ 上等だ。生き延びてやる）
武道はサンマカレーをかきこんだ。悔しいがフジコの料理は美味い。
その時、
ガタッ、とテーブルを揺らして、獅子目 悠月が立ち上がった。
「殺人犯と同じ部屋になんかいられるか、俺は部屋に戻るぞ」
食器を片付けると、赤銅色のポニーテールを揺らして自室へ戻っていく。
悠月の足取りがおぼつかないのは、殺人鬼への恐怖か、はたまたカレーを大盛で二杯も食べたせいか。
「あの馬鹿、勝手に……」
悠月とクラスメイトの来島 アカリ。悪態をつくが、口調はやや心配気なものも混ざっていた。
フジコは今、キッチンで鼻歌を唄っている。それが悠月の退出を見るや「フフ、チョット用事ガ出来タワ☆」と言って部屋を出ていったのだ。
あからさますぎる！
「私も、そろそろ部屋で休もうと思う」
小柄で色素の薄い桜 月。吹雪や殺人に精神的な疲労がたまっていたのか、小食気味に夕食を終えると退出する。閉じた扉を見て屋敷野 梢が呟いた。
「彼女、大丈夫ですかね？」
「あ。私、隣の部屋だから、付き添うよ」
朝野 未沙が立ち上がった。出ていく前、チラリと三宅 葉月と梢の胸を見て、呟く。
「安心して。私は胸の小さい子も大好きだから」
「……何を言ってるの？」
「とりあえず絶許なんで正座☆」
葉月が小首をかしげ、梢が笑顔に黒い感情を混ぜる。未沙からは変態オーラが見え隠れしていた。
ちなみに彼女の死亡理由は『とてつもない変態オーラを放ちながら』である。
「彼女、大丈夫ですかね？」
梢が再び言った。月と未沙の両方に対してだろう。
「今は自分たちのことを考えよう」
如月 庚がため息をつきつつ、話の本題に入る。
「事情は概ね分かった。要はじぇのさいだー某を退け、夜明けを迎えれば勝ちって事だ。つーかミステリー世界のクセに犯人モロ分かりな気もするが……それはまぁいいか。とにかくやらなきゃやられる、なら生き延びてやろうぜ」
「相変わらず頼もしいな」
武道が言った。
「途中で死ぬタイプですねー」
「茶化すな」
梢と庚の応酬に武道が笑う。
「とんでもないことに巻き込まれたよな……ひとまず、一人になると危ないな。最終的にはダイニングに集まった方がいいか？」
「なら、武器も集めたいな」
サキリ・デイジーカッターは周囲を見まわして言った。包丁のような刃物や鈍器はある程度そろっているが、攻撃力の高そうなものはイマイチ少ない。
「怯えて逃げるのは性に合わなくてね。こちらから敵を倒しに行くさ。屋根裏部屋なら、色々と調達できそうだ」
「俺も同感だ。一緒に行くよ」
御剣 刀がうなずいた。新たに盛り付けたカレーを食べ出す。
「サイボーグが相手だからな……先にボイラー室をのぞいてもいいか？ 非常用燃料に薪を使っているなら、斧くらい置いているかもしれない」
「分かった」
サキリと刀の間で武器調達の話が進んでいく。武道は葉月とアカリに向き直った。
「君達はどうする？」
「私は部屋に戻るわ。朝まで生き残るなら、無理に出歩くのは逆効果という気もするし」
「俺も部屋にいる。皆でいても、結局は何が起こるか分からないからな」
二人が出ていく。武道は眼鏡を外し、目元をもんだ。
「さすがに全員協力は難しいか」
「志波先輩、犯人が割れてるだけマシだって」
庚がそう言って、部屋の扉に手をかける。
いったん部屋に戻り、有用なものがないか探すつもりだ。
「もしこの中に犯人がいるって展開だったら、協力なんて流れすら起きねぇだろうし……俺は屋敷野を疑うが」
「クク、よく分かりましたね。そう、私が犯人です――って、ひどくないですか如月君？」
頬を膨らませる梢。武道が笑った。
「梢ちゃんはそんなことしないよ☆」
「さっすがかいちょー！ ま、私なら確かにやれそうですけどねー」
武道の笑顔が凍る。
「よし、とにかく腹ごしらえしてから出発だな」
刀がカレーのお代わりをしに席を立つ。
「御剣、何杯目のおかわりだ？」
サキリが冷たい声で指摘した。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2016年04月23日
- 参加申し込みの期限
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- 2016年04月30日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2016年04月30日 11時00分
