九夜山ミステリー・凍り付いた山荘の悲劇～犯人はフジコ～｜リアクション

九夜山ミステリー・凍り付いた山荘の悲劇～犯人はフジコ～

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「な、なんだ？」
　悠月とアカリの視線の先。廊下の向こうから銃撃のような音が聞こえてくる。
　喧嘩を一時中断させて見守る二人の前に、刀やサキリたちが現れた。
「逃げろ！」
　刀が叫んだ。一拍遅れて、じぇのさいだー☆フジコが現れる。
　その目から放たれたビームが、逃げる三人を飛び越え、悠月とアカリの手にしていたドアを焼いていった。
『――は？』
　声をハモらせた二人に、フジコが笑顔を向けた。
　ニタァ。
「！？」
　脳裏を掠めた死の予言に、悠月の顔が強張る。
「お、おい獅子目、早く入れ！」
　アカリに促され、慌てて部屋の中に入る。
　バン！　と勢いよく扉を閉めると、二人で部屋の奥まで走った。
「とにかく、隠れ――」
　ドバン！
　扉が開き、フジコが入室してくる。
「げ。カギ閉め忘れてた」
「このアホ―－！」
　罵倒してももう遅い。
　じぇのさいだー☆フジコは標的を変え、二人へと向かってきていた。
『ウフフフ』
「う、うわあああ！」
　アカリと悠月はパニックを起こして、部屋の中にあったモノを振り回す。
「く、くそっ」
　悠月が手近にあった、芳香剤の瓶を投げつけた。フジコの顔で割れたそれは赤い液体をまき散らし、鮮血のごとくフジコの顔を彩る。
『ウフ、イタァイジャナイ』
「ひっ」
　悲鳴を上げ、思わず来島に抱きつく悠月。アカリも基本的に怖いものは苦手なので、抱きつかれながら真っ青な顔で硬直する。
『スーパーフジコ・安眠（スリーパー）天国行き切符（ホールド）ッ』
「だんだん眠くなるってそれか！」
　アカリの悲鳴むなしく、胸と腕の筋肉をパンプアップしたフジコが飛びかかった。