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花日和:カーネーションと本屋さん
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押し花教室の会場には、すでに
綾辻 綾花
、
花厳 望春
、
椿 美咲紀
の姿があった。どうやら3人ずつ同じ机を使うらしい。誉は自分以外にも男性が参加していることにホッとしつつ、霞、聖と同じ机に落ち着いた。もうすぐ教室が開始……というタイミングで
維都月 茉菜
と
薄野 五月
も入ってくる。霞は同好会が一緒の茉菜と目が合うと、軽く手を振って挨拶をした。
全体の参加者は20人ほどだろうか。信彦が主催したこともあり寝子高の生徒が多いが、親子で参加している人も多かった。親子が多いのは絵本キャンペーンの影響だろう。
「押し花教室にお集まりの皆さん、ようこそいらっしゃいました! 主催の
八十八旗 信彦
です。今日はお花を愛する可愛いレディとお近づきげふんげふん花を愛でるひとつの方法として、押し花を学んでいこうと思います。分からないことがあれば何でも聞いてくださいね!」
いつもはチャラい信彦だが、今日は参加者に大人も交じっているため比較的真面目に挨拶をした。信彦の挨拶が終わると温かい拍手が起きる。続いてアシスタントの柚乃、円、ひびきが自己紹介をする。信彦先生はタイプの違うアシスタント女子がそろってご満悦のようだ。
「本日、八十八旗先生のアシスタントを務める兎沢ですの。今日はこのプリントに沿って押し花を作りますわ。前から順に、1枚ずつプリントを取ってください」
生徒にプリントがいきわたる。
まずは最初に座学の時間。信彦先生が実際に作って見せて、ひびきがポイントをホワイトボードに書いていく。植物に詳しい柚乃が困っている生徒の補助をし、円が押し花に必要な道具を配っていた。
本日は自然乾燥では時間がかかるため、レンジを使う方法が採用された。やがて座学が終わり、生徒たちがああでもない、こうでもないと言いながら押し花を作りはじめる。
蕎麦屋の娘・
薄野 五月
が押し花教室に参加を決めたのは、母の日に何か送ろうと考えたときに押し花教室のことを聞いたからである。何気なく教室でその話をしたところ、同じクラスの
維都月 茉菜
も参加をすることが分かった。
「えっと、五月さんも一緒で嬉しいなっ。今日はかわいい押し花作ろうね!」
「ふっふ。私も今日が楽しみだったんですよー」
五月は持参した黄色のカーネーションをくるりと回しながら不敵に笑った。
「押し花は昔、祖母と一緒に作った覚えがあるのですが……もうだいぶあやふやで」
「私は押し花作るの初めてなの。失敗しそうで心配だな。でも頑張るっ」
「その意気ですよー」
茉菜は柚乃が用意した花の中からタンポポを選んだ。タンポポは花屋で見ることが少ない花だが、栞向けの小さな花ということでそろえておいたらしい。
タンポポは春の花。初夏の今頃では見ることも珍しくなり、つい手に取ってしまったのだろう。茉菜はギザギザの葉っぱが付いたタンポポを嬉しそうににこにこと眺めていた。花の下処理を終わらせ、陶器のタイルの上に段ボール、ティッシュを重ねて花を並べていく。
「こ、これで大丈夫なのかな」
「んー。このやりかたは初めてなので、私にもどれ正しいのか……」
五月と茉菜が困った声を出す。失敗してもやり直すことはできるけど、花を無駄にするのもかわいそうだ。ふたりで肩を寄せてレンジとにらめっこしていると、後ろから主催の声がした。
「やあ、お嬢さんがた。お手伝いしようか?」
「えっ。あ! お、お願いします!」
信彦から声をかけられ、茉菜が慌てた声を出す。彼女は極度の照れ屋さんなのだ。困っているところを見られてしまって、少し恥ずかしかったのだろう。
「うんうん。準備は悪くないね、これなら問題なくいけると思うよ。じゃ、時間を1分30秒にセットして……」
信彦は手際よくチェックを済ませると、茉菜たちと一緒にレンジから音がするまで待っていた。
「レディに熱いものを持たせるのは俺のホスト魂が許さない! ってことで、そこのミトン取ってくれるかな? 危ないからねー」
「おや、ありがとうございます」
五月からミトンを受け取り、信彦がレンジから押し花を出してやる。問題ない出来栄えだった。
「あとはシールで貼れば完成だよ。難しいところがあったらいつでも呼んでおくれ!」
「わあっ。すごいっ。私でも失敗せずにできました! 八十八旗先生、ありがとうございます♪」
「君のように可憐なレディの笑顔が見れて満足だよ……。温室のバラも美しいけど、川辺に咲くタンポポも素朴で愛らしいね」
五月は信彦を見ながら、この人、これでも学級委員なんですよねぇ……と思った。信彦は茉菜たちに教え終わると、他の生徒の様子を見に席を離れる。
さあ、栞にしようか……というところで、五月がプリントを見て何かに気づいたような顔をした。
「維都月さん。風鈴やグラスに貼ることもできるみたいですよー」
「えっ。そうなんだ! ちょっと迷っちゃうね。どっちにしようかな?」
茉菜は悩んだ末に栞を選んだ。五月に手伝ってもらいながら作ると、人にあげても大丈夫そうな出来が1枚。自分で使う分には……というものが1枚できた。
「五月さん、手先が器用なんだね! お母さん、それもらったらすっごく喜ぶと思うよ」
「そう言ってもらえると嬉しいですねー。ふふ」
五月は綺麗な栞を2枚作った。
母親に贈るプレゼントが綺麗にできて嬉しい。が、茉菜と仲良くなるきっかけができたのも嬉しかった。入学してから何度か話したことはあるものの、委員会や趣味が一緒でないとなかなか話すきっかけがつかめないから。
2枚あるし、交換したら楽しいですかねー。
どうしようかな。と、手元の栞を見ながら考える五月であった。
綾辻 綾花
は元々、母の日のプレゼント用に画集を買いにシマリス書店に立ち寄っていた。そこで押し花教室があることを知り参加を決めたのである。
「こんにちは、綾花さん。お会いできて嬉しいですの」
「柚乃ちゃん……! 今日のアシスタントだったんですね」
押し花教室の当日、同じ旧市街に住む柚乃と軽い挨拶をする。綾花と柚乃はふたりとも寝子島育ちのこともあり顔見知りだった。
「綾花さん、お花はお決まりですの?」
「今日はカーネーションで。お母さんに、画集と一緒に贈ろうと思っています」
「まあ、素敵ですわ。今日はお教室、楽しんでくださいね」
「ありがとうございます」
席にはすでに
花厳 望春
、
椿 美咲紀
が座っていた。ふたりは寝子高の話で盛り上がっていたようだ。
「……もしかして、美咲紀さん?」
「綾辻さん! 綾辻さんも参加だったんだね。嬉しいなっ」
綾花と美咲紀は一緒に学校で昼食を食べてことがある。望春のことも、同じ旧市街に住んでいるため見かけたことがあった。
「よろしくー、綾辻さん。綾辻さんも花好きなの?」
気さくに話しかける望春。望春は男子生徒だが、女性的な顔立ちとかわいらしいヘアピンの効果でびっくりするほど場に溶け込んでいた。
「ええ、好きだけど、美咲紀さんの方が詳しいと思います。この前もいろいろ教えてもらいました」
「確かに椿さんは詳しいよね。俺もさっき色々教えてもらったんだ!」
綾花が美咲紀に視線を向ける。目が合うと、美咲紀がにこりと微笑んだ。
「うん、お花が好きだから参加したの♪ さっき、兎沢さんともお話すごく盛り上がってね。アドレス交換しちゃった」
美咲紀は押し花は初挑戦だが、事前によく調べていたらしい。水分が抜けやすい花が良いと知って、パンジー、リビングストンデイジー、ネモフィラ、スイートピーを持参していた。おそらく、自分が育てた花も交じっているのだろう。
「椿さんの花、色がカラフルで綺麗だなー。俺、手ぶらで来たんだけど大丈夫かな」
「ありがとう、花厳さん。私の手持ちで良ければ分けるけど……何か希望とかってある?」
そうだなぁ、と望春が唇に指を当てて考える。彼は押し花教室には飛び込み参加だったので、作りたいものがあるわけではなかった。ぶらりとよったシマリス書店で本日教室が開催されることを知り、読書用に使えるかも……と思ったらしい。
「俺の名前、『望春』だからさ。押し花にする花は春っぽいものがいいかなって思うんだけど……流石に桜はないよな! あはは」
「あら? そんなことはないんじゃない?」
美咲紀がほっぺに人さし指を当てながら悪戯っぽく微笑む。立ち上がって柚乃がいる植物スペースに向かった。植物スペースには柚乃が選んだ、栞用の押し花に向いてそうな小さな花が並んでいた。参加者はこの中から好きな花を選んで使うことができる。参加費は既に徴収してあるので予算を気にする必要はない。
「美咲紀さん、桜はないみたいです……」
「うん。木に咲くサクラはないね」
控えめに尋ねる綾花。対して、美咲紀は気を悪くする様子もなく淡いピンクの小花がついた花を手に取った。ふりむくと、ついてきた望春にその花を見せる。
「この花はサクラコマチ、って言うの。ブーケのサブとして使われることが多い花だけど、春らしいいい花だと思うな」
望春は美咲紀から花を受け取ると、何の気なしににおいをかいでみる。ふわりと春らしい香がした。
「なんか……ヘアピンみたいな花だな。でも、『小町』って感じかも」
「くすっ」
望春の感想を聞いて綾花が微笑む。綾花に笑われて……いや、全然嫌じゃないんだけど! ……望春はわずかに顔を赤らめた。
今日、彼が参加をした目的のひとつに『友達を増やそう』というのがある。やや人見知り傾向なのでほかの参加者と仲良くできるか、実は心配だったのだ。
「俺、今日はこれで押し花作るよ。教えてくれてありがと、かわいい栞ができるといいな!」
「サクラコマチは茎がペタペタしてるから、中の綿をとるのは気を付けた方がいいかも。皆で頑張りましょ!」
「頑張ろう、おー!」
美咲紀のやる気に吊られて望春が右こぶしを上げる。
「……あ、そういえば」
彼らのやりとりを和やかな気持ちで見ていた綾花が何かに気づいたように口元に手を当てた。
「たいしたことじゃないんですけど……私たちの名前って、全員花に関連してますね」
「あっ、ほんとだ! 俺は苗字が花」
「私は椿……綾辻さんは名前に花ね」
小さな共通点が見つかりにやりとする。
押し花制作は順調に進み、綾花はシンプルだが丁寧に作られた赤いカーネーションの栞。望春はサクラコマチと美咲紀からもらったスイートピーで春らしい栞。美咲紀は花色沢山のボリュームのある栞を作った。
「綺麗にできましたね」
綾花の言葉に、美咲紀と望春が頷く。
「お花ちゃんたちを美しく残すテクニックが学べて満足……!」
「思ってたより手軽にできるんだな。これなら、家で作って姉さんたちにもあげられるかも」
互いにできた栞を見せ合う。一緒に何かを作る時間は楽しかった。作った栞を見返すたびに今日の思い出がよみがえるのだろう。
「あー……。あのさ、クラスは違うけど、これからもよろしく!」
望春が頭を軽くかきながら言うと、美咲紀と綾花が『こちらこそ』と応えてくれる。廊下ですれ違った時に挨拶できる友達が増えた。今日作った栞はそれぞれ2枚ずつ。ふたりはだれかにあげるのかな? と、望春は思った。
市橋 誉
、
津川 霞
、
御鏡 聖
の3人は順調に押し花作りを進めていた。芸術科の3人である。この手の作業は得意なようだ。
「やぁやぁ、困ってないかい? 助っ人だ、なぁに。義によっての助太刀故、報酬は要らないよ!」
伊達メガネをかけた円が声をかける。えっへん、と薄い胸を張る円に聖が優しい微笑みを向けた。
「えと……では、このお花の花言葉を教えていただけますか? 兎沢さんにすすめていただいたんです」
聖が使う花はナノハナだ。柚乃が花を選ぶ際、何の本に使うのか尋ねたところ神楽の本に使おうと思うと答えたらしい。
「えっ。花言葉!? ……心の赴くままに決めればいいのです! 最後に答えを決めるのは自分自身なのだから!」
「部長……。心配になって来てみれば」
「おお。ひびきちゃん!」
「ナノハナの花言葉は『活発・豊かさ』だろ。兎沢に花のメモを貰ったじゃないか」
「えへ!」
聖はニコニコと笑いながら、円とひびきに『ありがとうございます』と礼を言った。やりとりを見て、誉も会話に参加する。
「俺のは分かりやすいな、クローバー。意味は幸福」
誉は派手さのある花にしようか迷ったものの、定番のクローバーに決めたらしい。これなら使いやすそうだ。
「僕はスミレ。青や紫が好きだから、つい選んでしまうんだ」
霞は和紙に白いリボンをつけ、和風の栞を作成していた。スミレは色によって花言葉が違うそうだが、全体の意味としては『つつましい幸福』が有名らしい。
「しかし、こういうの良いな。ガラじゃないけど、趣味でやるのも悪くないって思うよ」
ひびきが霞に話しかける。円は誉と聖に構ってもらっていた。
「……ん? 君から不思議な感覚がする。少し待って」
霞は鞄からタロットを取り出し、軽くシャッフルすると1枚を抜き取った。正位置の審判のカードが出てくる。
「……? どうしたんだ?」
「このカードの意味は解放、変化……。しかしおかしいな。私の勘が、これは君に関することではないと告げている」
霞がひびきの顔をじっと見つめる。
「占い師としてアドバイスだ。もしかしたら、君の行動で誰かが自分の運命を決めてしまうかもしれない。しばらくは日々、誠実に過ごすことをおすすめする」
「ん? あ、ああ。覚えておくよ」
うむ、と納得して霞は押し花作りに戻っていった。霞たち芸術科の3人は、センスのある綺麗な栞づくりに成功。それぞれ、3枚ずつ栞を持って帰った。
押し花教室では大きな事故もなく、参加者全員が思い出になるような栞を作ることができた。
「「「「お疲れ様でしたー!」」」」
片付けが終わったら打ち上げである。柚乃たちは近くのファミレスで、信彦のおごりで好きなものを注文した。
「今日はご苦労だったね! なんでも好きなものを食べてくれたまえ」
「わーっ。委員長、太っ腹ー! じゃ、僕、イチゴパフェとプリンアラモード!」
「では、私はクリーム餡蜜をお願いしますの♪」
「あたしは……ガトーショコラ、いいか?」
「いいともいいとも、ドーンとこの信彦さんに任せたまえ!」
わーい、と嬉しそうにする女の子たち。信彦さんは、彼女たちの笑顔が見れれば満足なのさ。多分ね!
「あの……私、みなさんにお渡ししたいものがありまして」
注文が届く前、柚乃は自分のカバンからリボンのついた小さな袋を取り出した。信彦たちにそれぞれ手渡す。
「今日の練習用に、何枚か押し花を作ってみましたの。よかったら皆さんにもらっていただきたいな、と思いまして……受け取っていただけますか?」
「おおーっ。もらっていいの? ありがとう! 僕、大事にするよー」
「柚乃ちゃんからからプレゼントをもらえるなんてね。ありがとう、嬉しいよ!」
「ありがとな、兎沢」
柚乃が作ったのはスズランの押し花だ。花言葉は『幸福の訪れ』。柚乃は花言葉も意識してスズランを選んだらしい。
「えと。実は私……ずっと花売りをしているわけではないんです。多分、皆さんの夏休みが来る前に本土にある祖母の会社にお世話になると思います」
「えっ。そうなの!?」
円が驚きの声を上げる。柚乃がこくりと頷いた。
「本当は中学卒業と同時にいくつもりだったのですが、両親に少し考える時間があったほうが良いと言われて……。でも、よかったですわ。そのおかげで、今日はとても楽しい時間をご一緒させていただきましたもの♪」
だれかが何かを言おうとしたが、タイミングよく注文の品が届いた。
「……よし! まずは乾杯しようか! 今日はお疲れ様でしたーっ!」
「「「かんぱーい!」」」
美味しそうにパフェを食べる円たちを見ながら、柚乃は考えた。本土に行って勉強をすること自体には今も強い興味がある。けれど、花を売っているうちにだれかと仲良くなって、街でお話できるようになるのも楽しいのだな。
「柚乃ちゃん、食べないのかい?」
「……! いいえ、いただきますの。美味しそうですわ♪」
信彦に聞かれてクリーム餡蜜を食べ始める。口の中にひやりとした甘さが広がった。
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日常
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定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月03日
参加申し込みの期限
2013年05月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年05月10日 11時00分
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