this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
花日和:カーネーションと本屋さん
<< もどる
1
2
3
4
5
…
6
つぎへ >>
休日のシマリス書店。私服姿の
真辺 伸幸
がぬんぬんと来店していた。ぬんぬんとは、「背後に花が飛んでるような擬音語」と解釈してほしいぬん。
「さて、何階に行こうかねぇ」
伸幸は目当てのものがあっての来店ではないらしい。本が好きだから、暇つぶしに遊びに来ただけのようだ。何階に行こうかな、と壁にあるフロアガイドを眺める……と、近くをふらりと知った顔が通り過ぎた。友人の
逆巻 天野
である。
「ぬーん。あまくん?」
「……君か……ケホッ」
どうやら天野は風邪をひいているらしい。熱っぽいうるんだ瞳をして、思わず出た咳を袖で隠していた。
「体調悪そうだねぇ。ここでバイトしてたんだー」
「短期で休日の早番を時々ね……。風邪、少しこじらせてるみたいだ」
ケホ、ともう一度咳をした。
「逆巻ー、浜西さんが体調悪いなら早退していいってさ……って、お。真辺! よく来たな」
「こんにちは、桜井さん。この前、買った本おもしろかったぬーん」
ラッセルは天野に伝言を伝えると、伸幸に気さくに笑いかけた。伸幸も笑顔を返す。伸幸の言う『この前買った本』とは、以前、図書室に入荷するのを待ちきれずにシマリス書店で買った好きな作家の新刊だ。ちなみに、その前に買ったのは様々な月の名前が載った写真集らしい。
「帰っていいならそうさせてもらおうかな……じゃ、ふたりとも。僕はこれで」
「おう。ゆっくり寝ろよ」
「お大事にー」
天野はふらつく足取りでスタッフルームに向かっていった。
「……で、何か探し物があるのか? 場所が分からないなら一緒に探すぞ」
「今日は遊びに来ただけだよー。ところで、その手に持っているポスターは桜井さんが描いたのー?」
「よく聞いてくれたな! そうなんだよ。これ、さっき描いたばかりのやつなんだ。今度、絵本の特設スペース作るんだ」
ラッセルが手製のポスターを広げる。ポップな画風で金髪に青いエプロンドレスの少女が描かれていた。絵の舞台は花が咲き乱れる森で、シマリスなどの動物たちが踊っている。金平糖のようなカラフルで可愛らしい書体でキャンペーンの内容が宣伝されていた。
「いいポスターだぬーん。桜井さん、絵も上手なんだねー」
「い、いや。それほどでもないけどな! やっぱ芸術科のやつのほうが本格的だったりするし!」
「顔が赤いー」
「ほっとけっ。じゃ、俺はこのポスター貼りに絵本コーナーに行くから」
「じゃあ、僕も行くー。結構好きなんだよねぇ、絵本」
「あいかわらずマイペースだな……」
会話をしながら絵本コーナーに向かう。特設コーナーはまだできていない。
絵本コーナーにつくと、伸幸は仕掛け絵本に興味を示した。絵本に紙以外の素材を使って、てざわりが楽しめるもので遊んでいる。影を作って遊ぶ一見白紙の仕掛け絵本も気に入ったようだ。
「真辺は自然に絵本で遊ぶな」
「ぬーん? 面白いよー。あ、これ懐かしいー。象を飲み込んだうわばみの話だー」
「それ、小学生のとき読んだなー。懐かしい」
伸幸は日本の童話も好きなようだ。ラッセルもポスターを張る作業をしながら会話に応じる。ほのぼのと時間が過ぎて行った。
一方、伸幸たちと別れた天野はタイムカードを押すと休憩室のソファで横になっていた。体が重い。地球の重力が変わってしまったかのようだ。
「……だるい」
体調が悪い中での力仕事で疲労がたまっていた。本は好きなのだが。今日は仕事どころか、無事に帰れるかも心配である。
熱っぽい頭で夢うつつをさまよっていると、ふと、落下御伝説の一説を思い出した。
「島民が神のささいな願いをひとつかなえた……だったっけ」
昔の神様も神魂をばらまいたのかな。民とはどこまでを指すのだろう。ヒト、動物、もれいびが衝突した過去がこれまでにあったのだろうか。
天野の願いは「この島を残したい」というシンプルなものだった。亡くなった彼女が愛した島に、彼は何ができるだろう。
「本や動物と話せる能力なら良かったのにね」
ため息をつくとソファから立ち上がり、小さく苦笑した。
シマリス書店に向かう道。
霧切 翠子
の周囲を子犬のようにちょろちょろする少年がいた。少年の名は
新井 米太郎
。今日は霧切先輩のお伴をしているようだ。
「霧切先輩ー! 今日は荷物持ちで呼ばれたんですか? 何買いに来たんです?」
来て、と言われたから何も考えず『はい! 行きます!』と返事をしたらしい。翠子は、パシリじゃないんだから……とやや呆れながら後輩の顔を見た。
「今日は本屋さんでお買い物しよ。こーくんの怪我、まだ治ってないからにぎやかなところは心配だけど、本屋さんなら大丈夫だと思って」
「え。もしかして、僕のために……!?」
「え、あ、いや、えええと、実はシマリス書店のためにポスター描いたから、それを届ける用事もあるの! そ、そういうことなの!」
顔を赤らめて、翠子は顔をふいっとそらせてしまった。
本当は米太郎が事件のことでふさぎこんでるのを心配して誘ったのだ。お説教は病院で散々したし、その、ムチの次にはアメをあげないといけないじゃない?
「先輩が持ってる筒、ポスターのだったんですね! いっぱい買っていいですよ。僕、持ちますから」
「怪我人に持たせるわけにはいかないよー」
「怪我をしてたって、先輩よりは力があります。安心してください!」
米太郎ににっこりと言われて、翠子はぐ、とつまってしまった。……こういうかわいいことをいうからずるい。おバカな子だけど、いつだってまっすぐなのよね。
ふたりでシマリス書店に入り、翠子の希望で大学受験の過去問コーナーに向かった。
「ここに欲しいのあるんですか?」
「うん。私は芸術関連の本と過去問が欲しかったの。都会の大学に行こうかなって思ってて」
「え」
先輩の後ろを犬のようについてきていた米太郎が、びっくりしたように立ち止まった。
「どうしたの。こーくん?」
米太郎はしばらく、口を開いたり閉じたりしていた。
やがて、うつむきながら小さな声でぽそりと喋る。
「先輩、本土に行っちゃうんですか……?」
「えと……そう、なるのかな?」
「そう、そうですか……」
米太郎はわかりやすくしょんぼりとうなだれてしまった。翠子はその様子を見て、妙に慌ててしまう。でもどう声をかければいいか分からない。
「……」
「……」
こーくん、引きとめてくれないのかな。
って、え?
翠子は引きとめてほしいと思う自分に驚いた。同時に、米太郎は自分が離れてしまうことを「どうしようもない」と諦めていることにも気づいてしまった。私のこと、そんな簡単に諦めちゃうの……?
米太郎は普段明るいけど、どこか、自分に自信がない。
そういう事情も一緒にいればなんとなく察するから、かける言葉が出てこない。
「……こ、こーくんっ。私、気分が変わっちゃった! 芸術のコーナー行こっ」
「え? はい」
「丁度ポスター作り募集してるから、こーくんも描こうよ。子供が描く用の紙があったはずだから。私、こーくんの絵、見てみたい」
「先輩? 腕をひっぱらなくてもちゃんと付いて行きますよー」
落ち着かなくて、早口でしゃべってしまう。
とりあえず、ここにいたら米太郎が悲しい顔をする。そう判断した翠子は芸術コーナーまで米太郎を連れて行った。途中で冬子に自作の人魚姫のポスターを私、外部参加者用のポスター用紙を受け取る。書店内のベンチに座って米太郎に絵を描いてもらった。
「僕、絵はちょっと本当に得意じゃないっていうか……カタチが上手く描けないんですけど。それでもいいんですね?」
「いいよいいよ」
絵を描くのなんか弟にあげてた時以来……と呟きながら借りてきたクレヨンでグリグリと色をなすりつけていた。
すげえ、へなちょこな絵。
「……これが、僕の実力、です」
「かわいいよー。こーくんは明るい色をたくさん使うのね。こーくんらしくていいと思う!」
「うう。ありがとうございます……先輩の絵、さっきちらっと見たんですけどすごく綺麗ですね。僕、感動しました!」
米太郎に笑顔が戻る。翠子は自分の絵が褒められるより、笑ってくれたことの方が嬉しかった。
「先輩」
「なーに?」
「どうしてポスター、人魚姫にしたんですか?」
どう答えようかな、と翠子は視線をそらしながら考えた。
シマリス書店・参考書コーナーのレジカウンター前。
宇佐見 望月
がバイト店員の
冴木 竜司
に向かって気の抜けた声をかけている。
「竜司~、英語の参考書でおすすめってな~い~? 薄くて覚えやすそうなの~」
「英語の参考書くらい自分で選べ、脳筋!」
「選べないから聞いてんだろー、ロリコ……ムガッ」
竜司が慌てて望月の鼻と口をふさぐ。理由はふたつ。ひとつめが、竜司はここのバイトを首になったら今の寮を出なければならなず、バイト先では(自称)真面目な好青年で通しているから。ふたつめは、冬子がカウンターにやってきたから、だ。
「あら。冴木君のお友達? こんにちは」
ふわりと微笑みながら話しかける冬子。冬子に話しかけられ、顔色が白くなりかけていた望月が竜司を突き飛ばして息を整える。
「げふがほっ……こほん。こ、こんにちは! ……おい、竜司! お前、いつの間にこんな綺麗なお姉さんを口説いたんだ!」
「アホかっ。残念ながら冬子さんは俺の彼女ではない! だが、綺麗なのにはすごく同意だ!」
「え? 彼氏じゃない? ……良かった~! っていけねーいけねー、本音出ちった」
「あらあら」
冬子は竜司と望月の漫才のようなやり取りを見てくすくすと笑った。
「もしかして、冴木君が言っていた絵本の読み聞かせのお友達って、この方なのかしら?」
「絵本の読み聞かせ……?」
「あっ。そう、そうです! 望月、君に頼みたいことがあるのだよ!」
竜司が突然、望月の肩を掴む。望月はなんだか嫌な予感がしたが、冬子の手前一応は話を聞く姿勢を整えていた。
「実は、冬子さんがこどもを意識したキャンペーンを考え中でな……」
キャンペーンの概要と、自分が子供たちに絵本の読み聞かせを考えていると伝える。望月は最後まで話を聞くと、ふーんと頷いた。
「絵本かー。懐かしいな。俺様、ティラノサウルスが主人公の絵本シリーズが大好きだったんだ」
「まあ。その絵本なら今でもそろえているわよ。私も大好きな本なの」
「冬子さんも好きなんですか! あれ、今思い出してもすっげー深い物語で、小学生の時に読み聞かせで聞いて、ビービー泣いちゃったんですよね~」
望月の話を、冬子はうんうんと頷きながら聞いている。冬子は本を大事にしてくれる人の話を聞くのが好きだった。
「お。乗り気だな、望月。君も子供たちと冬子さんの笑顔のために、頑張る気になったかい?」
(注)竜司は冬子さんの前なので、エセ爽やかな口調になっています。白い歯がキラリ。
「んー、いいぞ……俺も子供に絵本を読む側になったんだな~。そういや、今度押し花教室あるんだよな。さっきポスター見た。あれと時間が被らない感じでやったらいいんじゃないか?」
押し花教室にはお母さんへのプレゼントを作りに来る子供もいるだろう、という配慮のこもった提案だった。竜司がうむ、と重々しく頷く。
「そうだな。ついでに、絵本を見に来た子に簡単なお菓子をあげてもいいだろう。アメとかな。集客率もアップだぜ!」
「素敵な案ね。ふたりとも、色々考えてくれてありがとう」
冬子が礼を言うと、望月が照れるように手を振った。
「いや~。俺ができることなら喜んで! ……竜司、テメーの趣味嗜好は知ってるがこの際目をつぶろう、お前は子供の扱いだけは天下一品だからな。なんたってエロロリ……」
「チェストオオオオオ!!!!」
望月が言葉を言い終わる前に、望月の口の中がアメで満たされた。甘くて酸っぱいイチゴ味。
「……と、まあこのようにですね、冬子さん。お菓子を渡す時も、軽い手品で何もないところから突然出現した感じで渡そうと思うんですよ」
「まあ、すごいわ冴木君。手品もできるのね!」
「ええ。子供、大好きですから!」
「ありがとう。とっても頼りにしているわ♪」
「お任せください!」
うふふ、と微笑みながら冬子が去っていく。
アメを噛み砕いて飲み下した望月が、鼻の舌を伸ばしている竜司の肩を優しく叩いた。
――ロリコン趣味、黙ってほしければ学食おごりな。
――どいひー☆
とにもかくにも、絵本読み聞かせの準備は整ったのであった。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
6
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
花日和:カーネーションと本屋さん
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
相馬 円
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月03日
参加申し込みの期限
2013年05月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年05月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!