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そうだ、旅行に行こう
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よく言えば落ち着いた。悪く言えば寂れた、そんな片田舎の旅館。
桜 月
と
北条 冬華
の主従は忘年会のビンゴ大会で当てたペア温泉旅行券を使って、温泉旅行に来ていた。
長距離の移動から一旦荷物を置いて、さあ一息つけるか、という段になって、主人の月が言った。
「せっかく旅館に来たんだ。温泉に行こう」
はい、月さん。やんわりと微笑んで頷く冬華は、けれどその内心ではいつになく性急で積極的な主人の誘いに首を傾げながらも、その一方で安心していた。
勢いとはいえ、関係を結んでしまったクリスマスでの一件。冬華はこの歪な関係の発端について、彼女なりに責任を感じているし、その胸中は大量の絵の具をぶちまけたかのように複雑だ。だ。それだけに、この誘いは幸運だったといえるだろう。もし二人でずっとこの部屋に、なんてことになっていたら、きっと気不味くなって二人して口をつぐんでいただろうから。
いつも通りに振る舞う。そのためには会話を絶やさない。そして、気まずい雰囲気にしない。それが冬華の密やかに決めていた、自分だけの誓いだった。
「脱衣、お手伝い致しますか?」
「いや、いいっ。いいからっ」
だから脱衣所で、からかい半分に会話のきっかけになればと思ってそう言ってしまったのは、ちょっとした失敗だろう。顔を真っ赤にして逃げるように少し距離を置く月。あんなに近かったのにこんなに遠い。距離は近いんですけれども、と数歩先にいる月を見ながら、冬華は頬に手を当てる。その頬は、まだ風呂に入ってすらいないのにやたらと熱かった。
「意識しているのは私も、ですね……」
月には聞こえないように小さく呟き、苦笑する。むしろ意識するなと言う方が無理な話だった。
「へくちっ……」
「あら。申し訳ございません、お待たせしてしまいましたね」
主人のかわいらしいくしゃみに少しだけ表情を柔らかくして手早く服を脱ぐ。わっ、と月が驚いたように少し目を泳がせたのは、きっと冬華の裸体でまたあの夜を連想してしまったのだろう。
風呂場は案内にも書いてあった通り、露天風呂だった。綺麗な海の景色と、湯の熱気と外気の涼しさが入り混じった独特な空気に出迎えられる。おお、と二人して感嘆の声が漏れ出た。
「ふうっ、お湯が気持ちいい……」
旅塵を落とし、ちょうど日陰になる辺りを選んで湯に浸かる。安心したように月が吐息した。心地の良い沈黙。二人で美景を眺め、湯を楽しむ。
ふと、冬華は水音と共に波を感じた。
「冬華……」
呼び捨て。月が自分を求めている時の合図。冬華は優しく微笑み「はい」と返事をすると、湯水とは違った温もりで包まれた。
ぎゅっと抱きしめてくる月を見て、子供のようだと冬華は思った。大きな子供。自分がいなければ、器の無い水のように弾けて消え去ってしまいそうなほど繊細な。
主人からの好意は、嬉しくないわけがなかった。彼女のことは大切に思っている。けれど、彼女の好意は自分への依存だ。彼女は自分の忠義と好意を盲信している。
「月さん……」
躊躇いがちに、冬華は月の背中へと手を回す。誰かが来るかもしれないと言って、その手を振り払うことは思い付きもしなかった。そんなことをすれば、月は絶対に傷付いてしまうから。それでも躊躇ってしまったのは、彼女の全てを背負うことが怖かったから。
もし彼女を何かの拍子に裏切ることがあれば……。
漠然とした想像が冬華の胸中をざわつかせる。そんな未来があったとしたら、月は一体どうなってしまうのだろうか。不安。恐れ。憂い。それらが複雑に溶け合って、冬華の感情を掻き乱す。
冬華を現実に引き戻したのは、肌に打ち寄せる波と両頬に添えられた手の感触だった。
「キス、いいか?」
「…………」
求めを断つ勇気もなく、全てを受け止める覚悟もなく、ただ望まれるままに目を閉じる。
相手の吐息を感じるほどの距離まで二人の顔が接近したその時、更衣室から人の声と足音が聞こえた。二人してびくりと身体を震わせ、慌てて距離を取る。
「あれ、北条さん?」
様子をうかがうように首を傾げて入ってきたのは、
橘 千歳
だった。
それに続くように、
小山内 海
が入って来てぺこりと二人に一礼する。
「お、お、小山内さんっ!? ど、どうしてここに!?」
「お二人ともこんにちは。こんなところで会うとは奇遇ですね」
虚を突かれ、顔を真っ赤にして慌てふためく月とは対照的に、冬華は先程までの何もなかったかのように微笑みすら見せる。
「ええ、まあ。小山内さんと刀君の二人を連れて、泊まりがけの温泉旅行に」
少しはにかむように笑う千歳。海が頷いて、千歳の手を取ってその手のひらに何やら指で書く。
「『すごい偶然』。うん、本当にそうね」
「何の示し合わせもなく、同じ時、同じ旅先で出会うだなんて、なんだか素敵ですね。そちらはお二人だけで?」
「いいえ、刀くんもいるの。今回は三人で泊まりにしようって。ね?」
千歳の言葉に海は頷く。
それから、4人で湯船に浸かりながら他愛のない話をした。互いの自己紹介から始まり、学校の話、持ってきた物の話、スタイルの話……。
「へえ、それじゃあどちらも明日は未定なんですね」
「うん、なぁに小山内さん? ……ああ、それ良いかもしれないわね。ねえ、明日が未定なら、良かったら私たちと一緒にどこか行かないかしら?」
海の思い付きを千歳を通して話されて、まあ、と冬華は微笑む。
ふと、冬華は自分の手が握られるのを感じた。横目で窺い見ると、上目遣いにこちらを見る月と視線がぶつかった。ぎゅ、と握られていた手に月の力が加わる。
「……申し訳ございません、せっかくの申し出なのですが……」
「あら……。まあ元は2人で来てるわけだからね。次の機会にでも」
仕方ない、という風に千歳と海は笑う。……いつの間にかに、冬華の手を握る月の力は、強く掴むようなそれから優しく絡むようなものに変わっていた。
突然、ぎぃという嫌な音が聞こえた。あ、これはと何かを察したように千歳が声を上げる。それを聞いて連鎖的に何が起きるか想像がついた冬華は、すっと隠すように月を自分の背の影に隠した。
すさまじい大きな音が響き、竹垣が倒れた。竹垣の表面には、へばりつくように少年が一人倒れていた。
御剣 刀
だ。
「ええっと、いや、覗くつもりはなかったんだ。これには深い事情があってな……?」
立ち上がりながらしどろもどろに言い訳をする刀。きっと竹垣の向こうでこちらの話を盗み聞きでもしていたのだろう。
言い訳が終わらぬ内に、ふん、と手元に引き寄せた桶を千歳が投擲すると、小気味の良い音と共に刀の額に命中し、続けてどさりと刀は再び竹垣の上に倒れた。
呆れたように、皆一様についた溜息が、海風によって湯気とともに流された。
●
露天風呂で一悶着した三人が部屋に戻ると、座卓一面に料理が広がっていた。
「おお。向こうで用意してくれるって話だったけど、これはすごいな!」
地魚のお造りに海鮮小鉢、茶碗蒸し、揚げ物、煮付け、旬の焼き物……。海鮮フルコースを前にして、刀は目を輝かせる。
『予想以上の量』
「そうね。ちょっとこれは私たちで食べきれるかどうか……」
食事の豪華さよりも量に圧倒され、海と千歳は苦笑気味に顔を見合わせる。料理には特に奮発したつもりだったが、それでもこの量は予想外だったらしい。女性が食べ切れる量では無いだろう。実際、半分ほど手を付けた辺りで彼女たちの限界は来てしまった。
「お前らホント少食だなー」
うめえうめえと刀は海鮮丼を掻き込むように平らげていく。よく食べるわねえ、と苦笑交じりに二人は眺める。
「私が小食なんじゃなくて、刀くんが大食いなだけよ」
これでも頑張って食べたんだから、と千歳は唇を尖らせる。その反対側からちょいちょいと袖を引かれて刀が見てみれば、スケッチブックをめくる海が。
『食べきれないから刀くんが食べて』
微笑みながら「はい、どうぞ」とばかりに彼女はマグロの切り身を刀の口元まで運ぶ。
一瞬思考が追いつかずにどぎまぎする刀。その一方では驚いて慌てふためく千歳。そんな二人のことなどお構いなしに口元へずいと寄せる海。
はにかみながらも口を開き、口元に寄せられた切り身に刀が食いつく。「ああ!?」と千歳が声を上げる。
『おいしい?』
「……ん。やっぱうめえわ」
スケッチブックをめくって問いかける海に、刀は頷いて照れ混じりに笑う。
一方で千歳は挙動不審にあわあわとその様子を見守っているだけだ。ふと、刀からは死角になる位置にスケッチブックをこちらに向けられる。
『ほら、千歳ちゃんも』
「~~~~っ!」
千歳はぼっと顔から火が噴き出るかのような錯覚に陥った。千歳も海も、互いに刀が男として好きということは知っているし、自覚もしている。だからこそ、千歳と海の間で結ばれた“乙女協定”がある。しかしこれは明らかな協定違反だ。
そこではっと千歳は気付いた。海はさっきからずっとスケッチブックを書かずにめくっている。ということはこれは事前に想定されていた流れ――。
つまり、海は“千歳も対抗して同じことをすればおあいこ”という状況を創りあげたいのだ。
「う、うぅ……」
呻きにも似た声が口の端からわずかに漏れる。海のようなことなど、生来照れ屋な千歳には恥ずかし過ぎて到底無理難題にしか見えなかった。けれど、ここで臆病風に吹かれていたら、この先ずっと刀から女として意識されないのではないかと思うと――。
「か……刀くんっ」
いつもより少し上擦った声で呼びかけてしまい、自分で恥ずかしくなる。それでも勇気を振り絞って、彼女は振り向いた刀の口へと卵焼きを寄せる。真っ赤になった顔なんてまともに向き合わせられずに、顔を伏せて上目だけで刀を見て。
「わた、私の分も良かったら……その……」
「…………」
「えっと、食べて欲しいっていうか……。あ、いや、違うの、余っちゃったからよっ?」
「…………」
「……ね、ねえ、刀くん、黙られたままだとその、私もそろそろ恥ずかしさの限界……」
「あっ!? ああ、いや、悪い!」
呆然と千歳を見つめていた刀がはっと我に返ってごまかすように笑い、ぱくりと卵焼きに食いついた。
「うん、うん。うまいよ、やっぱり」
あっはっは、と笑う彼はいつもの彼らしからぬ態度だが、千歳はおよそ気付けなかっただろう。彼がその浴衣姿も相まって、普段は気付かなかったような千歳の女らしさに思わずどきりと動きを止めてしまったことなど。
彼女は彼女で、羞恥心から解放された安堵感で胸がいっぱいだったのだから。
くいくいとまた刀の袖が引っ張られ、振り返った瞬間、目の前に煮物が突き付けられていた。その先には「私のことも忘れるな」とばかりに頬を膨らませる海。
結局、まるで給餌されるようにして刀は二人まで夕食を食べ切ったのだった。
「も、もう食えねえ……」
ばたんと刀は膨れた腹に手を当てて倒れてしまう。
『ちょっと無理させすぎた』
「うん、やり過ぎちゃったわね……。仲居さんたちが来たら部屋の仕切りと布団敷くの、ちょっと手伝うのお願いしてみようか」
旅館側のミスでどうにも部屋が二重に予約されていたらしく、予約していたはずの2部屋は使えず、やむなく大部屋を襖で二つに仕切る形で宿泊する、という形に落ち着いた。
「――ほら、起きて。明日の予定も決めないと」
「も、もう無理、食えねえよ……」
うわ言のように呟く刀を見て、苦笑しながら二人は地図や観光案内のパンフレットを持って来る。
『仕方ないからこのまま決める』
「ちゃんと返事してね。ええっと、この辺りは海が近いんだったわよね。露天風呂からもよく見えたし」
「海……海かぁ。海水浴とか、良いよなぁ……」
だらしのない笑顔を浮かべる刀の表情に、二人が半目になる。まだまだ寒い時期だ、海水浴などできようはずもない。
「ていうか、水着持って来てないし……」
『ダイエットの準備期間が欲しい。心の準備ができていない』
「えー。じゃあプールとかもダメか」
刀が若干不満気に声を上げ、それを千歳が脇腹を丸めた旅行雑誌で小突いて黙らせる。
それからああでもないこうでもないと海と千歳が調べて、時折刀がそれに口を挟む心地よい時間が過ぎていった。
「うーん、お寺かぁ。ねえ、刀くんはどう思うかしら?」
ふと千歳が刀に意見を聞いてみようと話を振ったが、応えは無い。おや、と首を傾げ、様子を見てみる。
『寝てる』
刀の顔に手をかざしてぷんぷんと振って確かめた海が首を横に振る。千歳も覗き込んでみると、すかー、すかーと寝息を立てながら気持ち良さそうに刀は寝ていた。はあ、と千歳の口から溜息が漏れる。
「まったく、これだから……」
『どうしよう?』
「どうもこうも……。私たちじゃ運べないし、このまま寝かせとくしかないわね」
いっつもこうなんだから、と愚痴をこぼすように呟く彼女の口の端は、楽しげに歪んでいた。
『楽しいね』
ニコニコとスケッチブックを掲げる海に、そうかしら、と千歳は首を傾げ、ちょっと考えてから頷いた。
「……うん、そうかもしれないわね。やっぱり楽しいわ、こうして三人でいられるのは」
前はちょっと忙しなかったし、と千歳は日帰り旅行を思い返す。
『ずっと三人でいたいね』
「……ん。ええ、そうね」
海の言葉にすぐに頷こうとして、けれど少しだけ間が空いてしまって。微妙な空白を感じながら、千歳は返答する
千歳は刀が好きだ。海も刀が好きだ。言ってみれば仲が良いだけで千歳と海は恋仇で、本当なら刀を取り合う仲であるはずなのだ。
だからこれは、ほんの束の間の関係。奇跡的に成立している均衡だ。
けれど、その均衡もいつか刀が自分たちの思いに気付き、どちらかの思いに応えてしまったら――。
不穏な未来を想像して、ぞくりと千歳の背筋が冷える。嫌だった。千歳も海と一緒にいたかった。けれど、だからといって刀にいつまでも気付かれないままのこの思いを抱え続けるのも――。
『大丈夫?』
ふと、肩を揺すられて気遣わしげにこちらを覗き込む海が見えた。余程思い詰めた表情をしていたのだろうか。その瞳は本気でこちらを心配するときのそれだった。
「ん、大丈夫よ」
無理矢理に笑って答えると、海はほっと胸を撫で下ろした。素直で良い子だと思う。女の子らしくて、よほど自分よりも刀に――。
そこまで考えて、首を横に振って思考を打ち消した。良くない傾向だ。
「……布団、敷きましょうか」
いきなりの挙動にびっくりしている海に、千歳は誤魔化すように笑った。海は不思議そうな顔をしていたが、素直に頷いた。
「お話、しましょうか。どっちかが眠くなるまで、お話」
スマートフォンを取り出してアプリを起動して見せる。海は嬉しそうにこくこくと頷いた。二人だけで話すなら、こっちの方がやりやすい。それに何より、乙女の話をしている最中に万が一にでも刀が途中で起きたりなんてしたら――。恥ずかしい目に遭うのは、まず間違いなく千歳だろう。海は喋れないのだから。
気付いて欲しいけれど、気付かないままでいて欲しい。矛盾した願望を抱きながら、千歳は海と敷いた布団の中に入り込む。
毛布はまだ冷たいけれど、じきに温かくなるだろう。
いつかはこの関係も変わってしまう。終わってしまう。
だから、“今”を噛みしめるように千歳は照明を落として、スマートフォンを操作する。
『今日は楽しかったね』
●
旅館の寝室。すでに布団は敷かれた就寝前。
「月さん……。月さん?」
冬華に呼びかけられて、月ははっと我に返った。自分と同じく浴衣姿になった冬華の胸に顔を埋めて「ん」と返事をする。
「そろそろ寝ませんか?」
「ごめん、冬華。もうちょっとだけ……」
そう言って月はそこに冬華がいることを再度確かめるように、あるいは離したくないと言うように彼女の背に回した腕の力を少しだけ強める。冬華は「そうですか」と仕方なさそうに言うだけだった。
最近、就寝前はいつもこうしている。キスをして、軽く抱擁して、それから寝る。聖夜のようなことは無い。それだけに、より一層月は冬華のことが欲しくなっていた。もっと一緒にいたい。もっと強く繋がっていたい。もっと一体であるかのようにありたい。
月は一人が嫌なのではない。きっと、冬華がいないのが嫌なのだ。
だからこそ、月はこの主従関係から一歩踏み出した関係からもっと先まで行きたいと願っていた。必要としていたと言ってすら良いだろう。
「冬華……。もう一度、キスして」
「…………」
「これで最後だから」
「……わかりました」
観念したように冬華が目を閉じ、月が膝立ちになって身長差を埋めて唇を重ねる。
キスは、冬華からされることはない。いつも自分からだ。けれど月はそれで良いと思っている。冬華なら自分の求めに応じてくれるという、確信を持っているから。
たっぷりと時間をかけた、啄むようなキスを終える。この時間が永遠であってくれればと願うほどの心地の良い快感と幸福感。
「冬華の唇、甘い」
「そう、でしょうか……?」
首を傾げながら自分の唇を指でなぞる冬華を見て、むくりとまたキスをしたくなる衝動が襲ってくる。月はそれをぐっと堪えて、代わりに笑った。
「うん、優しさの味がする」
「……優しさの、味ですか」
自分の唇をなぞり続けながら、考え事をし始める冬華。それを見続けていたら、きっとまたキスがしたくなってしまう。月は誘惑を断ち切るように、「おやすみ、冬華」と言って、冬華とは別の布団の中に潜り込んだ。布団の冷たさも、今はちょうど良い。興奮ですっかり火照ってしまった自分の身体を、少しは冷ましてくれるかもしれないから。
「……ええ、おやすみなさい」
冬華の声が聞こえて、電灯のスイッチが切られた。
――真っ暗闇の中、横になった主人を見ながら従者は考える。このままで良いのかと。
自問自答を繰り返し、結論は得られない。自分はまだ、迷ったままだった。
いつか結論を得られるのだろうか。それすらもわからない。
長距離移動での疲れからか、段々と思考は鈍っていき、いつしか冬華は寝息を立てていた。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年04月15日
参加申し込みの期限
2016年04月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年04月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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