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そうだ、旅行に行こう
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「さァ始まりました、アメリカ横断高校生クイズ!」
日本の横浜ドームにて。その入口に多くの人々が集まっていた。入口側の台に立った、スーツ服に縞模様のシルクハットを被った司会者がマイクを持つ。
「一年に一度、高校生たちが3人からなるチームを組んで世界各地を飛び回り、クイズを答えるこの番組! 今年も若き頭脳たちに頑張ってもらいましょう!」
おお、と群衆が沸き立つ。冬場にあってなおすさまじい熱気が、このイベントの熱狂ぶりを表していた。
「いよいよ始まったね……っ!」
緊張気味に両手をぐっと握って気合を入れ直しているのは
椿 美咲紀
だ。
「人が多いから、ふたりともはぐれないようにな。常闇、大丈夫そうか?」
八神 修
は注意を促しながらチームを組んだ二人を確認する。
「……まだ大丈夫です」
人混みが苦手な
常闇 月
は首を横に振る。
誰から誘った誘われたはなく、気付いたら応募していた「アメリカ横断高校生クイズ」。三人はその予選会場にいた。
司会者が「予選第一問目!」とマイクに向けて叫ぶと、騒々しい会場が一転して一瞬で静まり返る。
「『お客様は神様です』という言葉は飲食店など社会でも一般的に使われるものです。ですが、ここで言う『お客様』は本来観客を指しての言葉である。マルかバツか!? お客様は観客だと思う挑戦者はマルの描かれたゲートへ、お客様は観客じゃないと思う挑戦者はバツの描かれたゲートへとお進み下さい!」
パネルが開かれて問題文も掲示されると、再び会場がざわつき始める。
「うーん……? お客さんはお客さん、だよね?」
「…………」
首をかしげる美咲紀を、こりゃダメだと月は目を伏せる。
「今回は有名な話だな。さっさと行こうか」
苦笑しながら修は手でこっちだと合図しながら、二人を引き連れマルのゲートへと向かう。群衆から離れ、ほっと月が吐息した。
三人はドーム内にいたスタッフの誘導に応じて、がらんとした観客席に出る。
「おー。早かったみたいだね、私たち!」
「問題が出てすぐに動いたからな。十分もすればここも満席になるさ」
「…………」
無邪気に美咲紀がはしゃいで修が冷静に返す一方で、月はまたあの人の群れの中に、と疲れたように溜息をつく。
しかしてそれは現実になった。修の言うとおり、十分そこらで続々と人々は観客席に姿を表した。ちょうど対岸に当たる観客席はバツのゲートを通ったのであろう人々が集められているらしく、そちらも相当な数の人数が座っている。
しばらくすると、グラウンドに例の司会者が現れた。
「――おめでとうございます、マルを選んだ挑戦者の皆さん、正解です!」
わあ、と正解側の観客席が沸き立ち、ああ、と不正解側の観客席たちから無念のため息が漏れる。
それから正解者たちはグラウンドに降り立ち、クイズに挑んだ。形式は引き続きマルバツである。
「予選第二問! 母の日に送るカーネーションの色は、20世紀初頭のアメリカでは赤色が主流だった。主流だと思うならマル、主流でないと思うならバツへ!」
「また微妙なところを突いてくる問題だな……」
「あ、それ知ってるかも。新聞部の母の日特集でね、カーネーションの色は元は白だったんだって」
「どうなんだ? 常闇」
「そうですね。私もそう聞いたことがあります」
「よし、裏付けは取れたな。バツに行こう」
「ちょっとー! 酷くないかしらー!?」
「予選第三問! 上司に向かって『了解です』。これは元々は失礼にあたる? 失礼にあたると思うならマルへ、失礼にあたらないと考えるならバツへ!」
「ああ、これなら失礼にあたるって聞いたことがあるな」
「そうなの?」
「同僚とか部下に対して使う丁寧語だとかなんとか」
「それ、デマです。十年ぐらい前にヒットしたビジネスマナー書の言説が流行したものなので……」
「ええっ、うそ。ちょっと信じちゃった!」
「ふむ。常闇の情報ソースの方が俺よりはっきりしてるからな。バツに行こう」
答え合わせの結果は、全問正解。やはり最後の問題が引っ掛けだったらしく、相当のチームが落とされていた。
それだけに、本戦行きの航空券を受け取った時の三人の喜びようは相当なものだった。特に、美咲紀などに至っては月に抱きついたりとその喜び方も全力だ。
それからの旅程は弾丸のような速度であった。
太平洋のマリアナ諸島南東、グアム。冬の気候にあってなおその気温は乾いた暑さでもって旅行客たちを歓迎する。
ここでのクイズは形式も変わって「ドロンコクイズ」。2つのベニヤ板の扉が用意され、それらにはそれぞれマルとバツが描かれている。クイズの答えだと思う方の扉へ突っ込め、ハズレなら泥だらけの落とし穴が、正解ならクッションが待ち受けている。そういう趣旨のクイズ形式であった。
「えーっ、どうしよう。私、着替えちょっとしかないよ……」
不安げにトランクケースを見る美咲紀に向けて、修が「なに」と不敵な笑みを浮かべる。
「正解を選びさえすれば服も汚れない。俺たちも勝ち進める。完璧だろう?」
「おお、シュー君がすっごく頼もしいよっ!」
「そうですね。汚れれても現地で買えば問題ありませんし」
「その手があった!! 月ちゃんかしこーい!」
わいわいとやっていると、順番が来る。くじ引きで決まったチームの代表者二名が実行、というものだった。
「一番! 私、行っきまぁーす!」
問題文が読み終わると同時に、美咲紀が駆け出す。
「答えは! マルなのですぅ! とぅっ!」
勢いが大事とばかりにフライングクロスチョップでベニヤ板を突き破り、果たして美咲紀の飛び込んだ先はクッションだった。
構えていた腕からクッションに突っ込み、へぶ、と交差させた腕で顔面を迎える。セルフクロスチョップであった。
「次は私ですか。正解の方に飛び込めば良いんですね?」
右足を出して、左足をそれを追うように引き付け、その勢いを利用してまた右足を前進させる。体幹の上下するステップとは似て非なるもの。ある種の体術の一種である。
息もつかせぬ間にすいと距離を縮め、残り四半程度というところで地を蹴り、舞った。
身体を捻るような体勢から繰り出されたのは、空中回し蹴りである。先までにはないすさまじい音を立てて割れるというよりは吹っ飛ばされるように扉が文字通り蹴破られ、すと、と月はクッションの上に着地した。
「正解でしたか。……っ?」
特に感慨もなく、良かった良かったとクッションから降りて戻ろうとした月を歓声と拍手が迎える。一瞬びくりと驚いて、きょとんと修と美咲紀を見た。その表情は、今日一番の盛り上がりを見せたパフォーマーには似つかわしくない、けれど実に彼女らしい表情だった。
グアムでのクイズを突破したチャレンジャーたちが次に訪れたのは南国から一転、亜寒帯のアラスカ州。その中でも内陸部最大の都市と言われているフェアバンクスだ。
そしていくつかのチャーターされたマイクロバスで移動した先に待っていたのは、チェナ川とそこに浮かぶカナディアン・カヌーである。
「まさかとは思うが、これを漕ぐのか?」
修が引きつった笑いを浮かべながら呟くと、その通りと司会者が満面の笑みで答えた。ルールは簡単。チームでカヌーに乗ってゴール地点に辿り着く。先に辿り着いた者から回答の優先権が与えられる、というものだった。
早速救命胴衣などを着込んでパドルを持たされ乗り込む三人。合図の音と共にパドルを漕ぎだす。
「ぐっ……。思ったよりも重いな……」
下りとはいえ水の抵抗は強く、なかなかパドルは思うように進まない。
「雄大な自然良いですねー」
「っ、おいミサキュウリ、景色は綺麗だが、のんびり下ってる暇はないぞ」
「おっとっと、ごめんなさい。それじゃあいくわよー! イキオイ、いっぱぁーつ!」
とう、と勢い任せにパドルを水面に突き刺して掻き上げるように漕ぐ美咲紀。すると僅かにしか動かなかったカヌーがやにわに力を得たように進み始める。おお、と声を上げる三人。動いた。動いた、が――。
「……これ、斜めに動いてないか?」
「あ、あれぇ? 漕ぎ方が悪かったのかなぁ」
「問題ありません。カヌーは初めてですが、私が反対側を担当して貢献しましょう」
ぼやくように首を傾げる美咲紀に、パドルをぐっと握った月が漕ぎ始めると今度は逆側にカヌーが傾く。手元でパドルの向きを若干変えて月が再び漕ぐと、次は真っ直ぐに進んだ。
「おお、すごい!」
「……よし、これなら先行組に追いつける。行くぞ!」
少なからず前進に貢献した女子たちに対抗心を燃やし、力任せにパドルを振るう修。漕げば漕ぐほど息は上がり、腕が上がらなくなる。
「シュー君、あんまり無理しちゃダメだよ?」
「クソ……負ける、ものかぁ……っ!」
「八神さんは筋肉がありませんからね」
「俺は肉体労働よりも頭脳労働担当なんだよ……ッ!」
意地を張りながらパドルを握って離さない修。それでもなんとか一番最初とは言わないまでも、初めてのカヌーの操作に慣れぬ参加者たちを抜いて上位陣の一歩手前まで食い付けたのは充分な活躍だったと言えるだろう。
陸地に着いて、ようやく回答権を得た三人は難なくクイズに正解し、明日にでも次の開催地へと向かうこととなった。
その夜のこと。有志を募って、人々はマイクロバスに乗り込み、フェアバンクスの街から離れた場所まで向かった。街の明るさは遠退き、人工の光は排斥される。それでもその夜が暗すぎなかったのは、月明かりと、そしてオーロラの光が辺りを照らしていたからだろう。
「おお、我々の勝利を祝福しているようではありませんか!」
オーロラの神秘的な美しさに興奮しながら、美咲紀は身体全体でオーロラの光を浴びるように両手を広げる。
「ええ、本当に綺麗ですね」
「明日はいいことがあるかもしれないな」
旅行の中で少し張り詰めた雰囲気だった修と月も、この時ばかりは穏やかな表情をしていた。チームに貢献しようという月。真剣に挑戦していた修。各地の風景をゆっくりと楽しむ余裕がなかっただけに、少しだけ心が強張っていたのかもしれない。
南進してテキサス州、ビッグベンド国立公園。まるで何かの記念碑のようにそびえ立つ巨岩カサ・グランデを背景に、挑戦者たちは立っていた。皆一様に、西部劇のガンスリンガー風の衣装をその身に纏っている。
「……なるほど。つまりこの“ガンマンクイズ”では、標的を先に射抜いた挑戦者に回答権が優先される。そして正解者が抜けて行って、規定回数のラウンド内で全員抜けたチームが突破、と」
手にしたモデルガンを見ながら月は要約したルールを呟く。まあそういうことだな、と修は頷いた。
「それなら私たち射撃部に分があるわね!」
「弾には限りがあるらしいから慎重に撃てよ。勢いでバスバス撃ったら弾切れになるからな」
「はぅっ!? プレッシャーかけてきた……!?」
吊るされた標的が運ばれて来る。修は冷静に、美咲紀は気合を入れて、そして月は無表情に銃を構え、的を見る。
沈黙が場を支配する。誰もが押し黙り、審判による合図を待つ。
撃てェ。審判がそう叫んだ直後、数々のモデルガンが銃声を轟かせた。初心者への配慮か、距離はそこそこに近い。ゆえに射撃部の部長である修が一番最初に射抜いたことも、問われたクイズに正解したのも当然だろう。一点先取。一抜けだ。
「すみません、ジャッジ。これは弾を当てないといけないのですか?」
「ええ。そりゃあガンマンクイズですからねえ」
「ナイフとか、弾を直接投げて当てたりとかは?」
「まあ絵面的には悪くないし、直接弾投げても良いけど……撃つより難しいと思うよ? 威力も低いから貫くのも難しいし、そもそも飛距離も足りないだろう?」
「こちらの方が得意なもので。ありがとうございます」
一礼すると月はモデルガンのマガジンを引き抜き、弾を右手に全て引き出した。そして弾を一つ、人差し指と薬指で保持すれば準備完了だ。
合図と同時に、銃声の中でぴゅうと風の抜けるような音が鳴り、そして的が僅かに揺れた。
ふぅ、と一息ついて、月が的へと差し伸べるように構えていた手を下げる。指弾術、という技術がある。要はデコピンで弾を弾き、相手に当てるものだ。普通なら指で弾いただけの弾は飛距離も威力も足りないだろう。しかし現実の話として、それはあるいは熟練者が鉄球を人に対して撃ち出したならば、人さえも殺しうるという技術である。月はそれを使ったのだ。
問題にもつつがなく正解する月。去り際に、美咲紀に向けて微笑む。「がんばってください」距離が開いていても、口がそう動いていたのを美咲紀は見て取った。
「が、がんばらねば……」
自分が正解し、抜ければ決勝戦へ。でも、自分が失敗してしまったら――?
期待感と不安感。相反するそれら二つを抱きながら、次のラウンドに臨む。弾は限られている。勢いで撃ってしまうのは禁物だ。よく狙って――。
しかし他の参加者とて木偶の坊ではない。よく狙っている内に腕前によるものか、あるいは偶然によって的を射抜き、次々に抜けていく。それにつれて、美咲紀の胸中に湧き上がってくるのは、焦燥感だ。自然、射撃も荒れ気味になる。
残り弾数を見る。少ないというわけではないが、多いというわけでもない、微妙な数。残りのラウンドも残り少ない。それがまた重圧となって、重く美咲紀の心にのしかかる。緊張で震える手で、マガジンを銃に収めた。
「何やってるんだ、美咲紀!」
声が、後ろから聞こえてきた。修の声だ。
「お前ならできる! こういうのは日々の鍛錬がモノを言うんだ!」
「日々の、鍛錬……」
美咲紀は修の言葉で、射撃部の部活動を思い出す。みんなで楽しく練習した部活を。
モデルガンを握り直して構える。手は、もう震えていなかった。
「的に当たれば中心でなくていいもん」
すぅ、と息を吸い、口にする。必ず的に当てられる、魔法の言葉。
「私の射撃は、当たるっ!」
合図と同時に、美咲紀はトリガーを引く。
そして、美咲紀は確かに見た。自分の的が揺れて、風穴が空いたのを。
マイクを渡され、問題を聞き、深呼吸の後に回答する。一瞬の沈黙と、永遠にも思える緊張の時間。
正解。そう告げられた瞬間、美咲紀は歓声を上げながら飛び上がった。
「やった、やったよシュー君、月ちゃん!」
二人に駆け寄り、両手を広げて勢い良く抱きつく美咲紀。重圧からの解放は相当だったようで、その目尻からは薄っすらと涙が見える。二人はそれをあやすように肩を叩き、頭を撫で、よくやったと美咲紀を称えた。
翌日は、決勝戦。ニューヨークでの問題だ。
修は果てしなく続く青空を見上げる。勝つか負けるかはまだわからない。けれど、一つだけ確信をもって言えることがあった。
この旅は、きっと三人の忘れられない、掛け替えのないものになるだろう、と。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年04月15日
参加申し込みの期限
2016年04月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年04月22日 11時00分
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