this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
パーフェクトワールドⅠ ~音楽教師は白亜の鳥籠に眠る~
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
20
つぎへ >>
指を走る鋭い切り傷に、
恵御納 夏朝
は幾らか手持ちがあった絆創膏を貼る。
傷は、黒い騎士の目を逃れようと隠れた巨大な苺のオブジェの影で、エメラルド色の葉に付けられたものだ。
「大丈夫か、恵御納?」
「うん、平気。でもこれ……武器か何かに使えるかもしれない」
八神 修
の心配の色が滲む問い掛けにそう応じて、夏朝は指の具合を確かめる。
毒等はなさそうだと確かめて、夏朝は荷物の中から取り出したハサミで丁寧に葉と茎の境を切った。
付け根の部分にハンカチを巻いて怪我を防ぎ、翠玉の葉を何枚か採取する。
採取した葉っぱは、切れ味のいい部分をポーチに仕舞った上でエコバッグへと入れた。
「これでよし、と……何かに役立つことがあればいいんだけど」
「それにしても、生き物だけじゃなく植物までこの調子か」
なるべく周囲のものに触れないよう進んだ方がいいかもしれないと、修は難しい顔を作る。
そんな修の傍らで、夏朝は真剣な表情で鮮やかなルビー色の実と睨めっこ。
「葉のこともあるし……これも危険なのかな?」
「可能性は高いな。少なくとも、下手に弄らない方が無難ではある、とは思う」
「でも、何かの役に立つこともあるかも、って」
2人は、顔を見合わせて考え込んだ。どちらの意見にも一理がある。
最終的に、「色々と調べておきたい」という夏朝の言を修は尊重した。
「流石に食べてみる気はしないけど、どんな味がするのかな……?」
慎重に木苺に似た実をもぎ取る夏朝。と、次の瞬間。
「あっ、手が滑っ……」
――ドォン。
心臓の跳ねるような音がして、夏朝の足元で実は爆発した。
靴の先が少し焦げてしまったが、幸いなことに怪我はない。
「……驚いたな。刃物のような葉の後は爆発する実か」
「これも、やり方次第では持ち運んだり使えるんじゃないかな……例えば」
実を摘むことが爆発の引き金になるのではと、夏朝は仮説を立てる。
夏朝が実を手に取るまでは、植物は何でもないような顔をして風に揺れていたのだから。
試しに、鋭利な葉に注意しながら実を茎ごと切り取ってみる。
少し離れたところに投げ捨ててみたが、実は爆発しなかった。どうやら、当たりのようだ。
夏朝が修へと眼差しを遣れば、返るは頷き。
「使いどころが多そうだ。扱いを間違えなければ、大きな武器になる」
そうして2人は、近くに生っている限りの実を手持ちのエコバッグ等に詰めた。
採集を終え一息ついた、その時である。
頭上から、不吉な羽ばたきが聞こえて2人はストロベリーソーダ色の空を仰ぎ見た。
複数体の黒い騎士が、中空から2人のことを見降ろしている。
「しまった、上から来たか!」
警戒を怠っていたわけではない。
けれど、遥か上空から突然に下降されては、対応が遅れるのも無理のないことだった。
騎士たちの槍が、今にも獲物を捉えんとばかりにギラリと光る。
ろっこんを発動する暇はなさそうだと修が夏朝を庇うように前に出た、その瞬間。
2人を狙う騎士のうちの1体が、見えない巨大な手にでも強く押されたようにして遥か後方へと吹き飛んだ。
残りの騎士たちが何が起こったのかとざわめく中、
「あの宝石の所まで走って!」
と、鋭い声が辺りに響く。
殆ど迷うことなく、2人はその指示に従った。
思わず振り返った2人の目に映ったのは、寝子島高校の制服姿の少女――
エヴァ・ブランシェ
だったから。
息を切らせながらも、3人はエヴァが指示した宝石のオブジェの影へと辿り着いた。
先ほど隠れていた苺のオブジェよりも、こちらの宝石は数倍は大きい。
「全く……学校帰りに寄り道をしただけのつもりだったけど、また妙な異世界に引き込まれたみたいね」
やれやれだわ、とエヴァは手にした扇子で汗ばむ頬を煽ぐ。
修が、ほっと表情を和らげた。
「ありがとう、助かったよ」
「礼には及ばないわ。……あまり友好的な雰囲気じゃなかったものね、あの騎士たちは」
ここまでオブジェの影に隠れ隠れ、敵の襲撃を警戒しながら進んできたのだというエヴァ。
そんな彼女に、夏朝はこの世界の危険な生物について、自分が知る限りの情報を提供した。
毛玉は襲ってはこないが、触れると一時的に腕が麻痺してしまったこと。
空飛ぶぬいぐるみは好戦的で、噛まれると思考能力に支障をきたすこと。
黒い騎士も自分たちを襲ってくるが、ろっこんによる脅しで交戦を避けられたこと……等々。
「臆病なのか慎重なのか……僕たちも戦いを避けてここまで来たから、騎士についてはよくわからないけど」
「充分参考になったわ、ありがとう。こんな状況だし、情報は多ければ多いほどいいもの」
言って、エヴァはオブジェからそっと顔を出して黒い騎士に襲われた方向に視線を遣る。
そしてすぐにオブジェの影へと戻ってくると、ふむと口元に手を宛がった。
「追ってくる気配はないわね。見た目通り人並みの知能があるなら草を踏み締めた跡を辿ってくるかもと思ったけど、心配なさそう。知能が低いか目が良くないか、或いは追い掛けるほどこちらに興味がないのか……」
バックトラックは試せなかったけど必要なかったみたいねと、エヴァは薄く微笑する。
けれどすぐに、そのかんばせには厳しい表情が乗った。
「後は……槍が得物という事は、あの翼の生えた獣を殺したのは彼らではなさそう」
青の双眸には、無残な死を悼む色が映っている。
それと同時に、エヴァは『ならば誰が獣を殺したのか』を思案しているふうでもあった。
思わぬところで聞いた『翼の生えた獣』というワードに、夏朝が目を丸くする。
「僕たちもその獣に出会ったよ。そうか……殺された子もいるんだね……」
悲しみに、夏朝はその眼差しを伏せた。
けれど彼女はすぐに、ふるふると首を振って憂いを胸の奥にぎゅうと押し込んでみせる。
「えっと、この世界の植物についても話しておくね。丁度そこに生えている物と同じだけど……」
エヴァに、刃を思わせる葉っぱと爆発する実について説明する夏朝。
木苺に似た実については、実を摘むことが爆発の条件であることも付け足すことを忘れない。
成る程、と足元の植物から静かに距離を取ってエヴァが頷いた。
そうして、彼女は真っ直ぐに夏朝たちのことを見据える。
「尋ねたいことがあるのだけど、恵御納さんたちはこれからどうするつもり?」
問いに、夏朝と修は顔を見合わせアイコンタクト。
頷き一つ、修が口を開いた。
「森を目指しているところだ。森の向こうのあの樹に、誰か囚われている」
「そう……。だとしたらやっぱり、あの巨大な樹に元の世界に戻る手掛かりもあるかもしれないわね」
自分も、樹に向かうためにとりあえず森を抜けなくてはと思っていたのだとエヴァは言う。
「一つ提案があるのだけれど、一緒にあの樹を目指さない?」
人数は多いに越したことがないとのエヴァの言葉に、確かにと頷く修と夏朝。
「同意見だ。よろしく頼むよ、ブランシェ」
「僕も、エヴァさんと一緒だと心強いよ」
2人の返事に、ありがとうとエヴァは微笑んだ。
「ところで、どちらの森を通っていくかだけど……」
丘から眺めた際に、お菓子でできたような森の方が浅そうだったこと。
それを理由に、エヴァはお菓子の森を進んでいくのはどうかと提言した。
これにもまた、修たちに首を横に振る理由はない。
「どちらの森を進むべきか、まだ決めかねていたところだ。その案に異論はない」
「僕も、それでいいと思う。それじゃあ……行こうか」
少しばかり声を緊張に固くして、夏朝が言う。
そうして3人は、周囲に気を配りながらお菓子の森を目指すのだった。
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
20
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
パーフェクトワールドⅠ ~音楽教師は白亜の鳥籠に眠る~
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月21日
参加申し込みの期限
2016年03月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!