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パーフェクトワールドⅠ ~音楽教師は白亜の鳥籠に眠る~
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翼獣の助けになることを決めた『翼獣助け隊(
屋敷野 梢
命名)』の一行。けれど、
「うーん。さしあたってすべきことは怪我を負っている子たちの治療ですけど、問題は山積みですねー」
腕を組んで、梢はちょっと難しいような思案顔を作る。
突然にこの世界へと飛ばされてきた梢たちである。
治療のために充分どころか、最低限の道具すら手元にはない。
「あの……とりあえず、使えそうな物を集めてみるというのはどうでしょうか……?」
勅使河原 悠
の提案に、否を唱える者はいなかった。
水やお茶、食べ物や止血に使えそうなハンカチ等はある程度数があったが、
「これだけで治療に当たるのは難しそうだねぇ」
集まった物を確認して、
壬生 由貴奈
はぼんやりとして見える眼差しを曇らせる。
物資のこともあるが、今の状態では翼獣たちは怪我をした個体の治療を許してはくれないだろう。
誰も打開策を思いつけないまま考え込む6人の耳に、
「おーい!」
この場にはいない、別の誰かの明るい声が届いた。
「ちょ、春彦君、味方だってわかるまでは大声出さない方が……」
「毛玉に刺されたオカンに言われたくねぇって!」
6人が顔を向けた先、こちらへと向かってきているのは
楢木 春彦
と
呉井 陽太
だ。
「あれ? 呉井?」
真っ先に2人の正体に気づいたのは、
ロベルト・エメリヤノフ
。
耳に馴染んだ声に名を呼ばれて、陽太の方も警戒を解いたようだった。
一方、朗らかに声を掛けてきた春彦の方は、翼獣に唸り声を上げられて目元を険しくする。
「黒豹もどき……?」
なんかヤバそうな獣がいるとの判断を下した春彦へと、
「違うんです、この子たちは……」
と、悠が急ぎ状況を説明した。事情を知って、頷き合う春彦と陽太。
「そういうことなら放っておけねぇな。目の前で苦しんでるヤツは助けたい」
「オレも右に同じだよぅ。それに、物資が足りないっていうなら力になれるかも」
そう言って、陽太は春彦と共に得たこの世界の情報をかいつまんで、けれど大切な点は詳細に説明する。
そうして、水や食料と一緒に、苺ミルク色の水が入ったペットボトルが1本提供された。
ペットボトルを受け取った梢の表情が、打開策を見出だしてぱあと華やぐ。
「この水、麻酔代わりに使えるかもしれません。話に聞いた葉っぱも、衣服を裂いて包帯を作るのに役立ちそうですね……充分とは言えませんが、治療、現実的になってきました!」
一筋射した希望を後押しするように、
茨城 音夢
が小さく手を上げた。
「ちょっと思いついたんだけどー、ボクのろっこんなら獣さんたちのの望んでることが分かるかもー」
条件を満たした際に、対象が抱いている望みを絵にすることができるという音夢のろっこん。
「獣さんたちの警戒を解くための方法を、探るくらいはできるんじゃなーい?」
「茨城、それだ!」
音夢の提案に、声を明るくするロベルト。
絵を描いていたところを飛ばされたため、音夢とロベルトは丁度画材やスケッチブックを所持している。
「あとは、治療に必要な物を用意する班と翼獣たちの警戒を下げる班に分かれたら……」
次いで彼は、効率的な治療の準備について語ろうとしたのだが――、
「ロベルトさん、脱いで!」
その腕を、がしっ! と
卯木 衛
に掴まれた。衛の目は、完全に座っている。
普通なら、突然の「脱いで」に驚くなり引くなりしても良さそうなものだが、
「や、やだな卯木、みんなが見てる前で……でも積極的な子は好きだよ!」
なんて、ロベルトは何故だか興奮気味だ。言ってしまえば嬉しそう。
ロベルトから服を剥ぎ取っていた衛の黄色い眼差しが、氷点下まで温度を落とす。
「違うって! さっきの方法で包帯作りたいけど、俺の服だけじゃ全然足りねえし……」
要は、早く治療の準備をという気持ちが先走った結果らしい。
「何だ、そういう意味かー」
衛の行動の真意を知って、ちょっぴり残念そうなロベルト。
その様子に分かりやすくドン引きの春彦を余所に、由貴奈が小首を傾げる。
「別に脱がしちゃうのはいいけど、準備が整ってからの方が色々と安心じゃない?」
「うっ……!」
指摘を受けて、真っ赤になる衛。
どこか名残惜しそうな様子で乱れた着衣を整えながら、ロベルトが言う。
「卯木に脱がしてもらうのは後にするとして、とりあえず2班に分かれるのはどうかな?」
思いつくだけでも、翼獣との交流を図る班と治療に必要な物の準備を整える班が必要だ。
ロベルトの意見に反対する者はなく、それに加えて、
「じゃあ、オレと春彦君は翼獣班の護衛に当たろうかねぃ」
「了解だ。仲間も翼獣たちも護んねぇとな!」
という次第で、陽太と春彦が翼獣担当班の警護を務めることに決まった。
そして、それぞれの班に必要だと思われる物を交換し合い、本格的に『翼獣助け隊』の活動は開始された。
こちらは、『翼獣助け隊』の翼獣担当班。
春彦と陽太の2人が護衛を務める中で、彼らは行動を始めた。
集まってきている群れのリーダー格と思しき個体を見定めて、音夢は瞳を閉じる。
「それじゃ、早速やってみるー」
目を瞑ったまま、スケッチブックに絵筆を走らせる音夢。
ろっこんでその身を蝶に変えた梢が無防備になる音夢の周りを守るように飛び回る中、
「……はい、かんせーい」
やがて描き出されたのは、緑溢れる水辺のオアシスに今まさに降り立とうとする翼獣の姿。
周囲には他にも多くの翼獣の姿が見られ、そこはまるで彼らの楽園だった。
その後も次々と、翼獣たちの望みを巧みに目に見える形に昇華していく音夢。
描き上げられた多くの絵を具に眺めて、由貴奈は口元に手を宛がう。
「どの絵に描かれているのも、同じ場所みたいだねぇ」
由貴奈の見立て通り、どの翼獣も心に思い浮かべているものはただひとつのようだった。
同じく絵を覗き込んだ悠が、ぽつぽつと音を零す。
「この世界とは、似ても似つかない場所ですね……帰りたい、のでしょうか……?」
その場所が別にあるのか、この世界が姿を変えてしまったのかまではわからないけれど。
ふわり、蝶の姿から人の姿に戻った梢が、手に取った1枚の絵を翼獣たちの方へと向けて、
「ここに、戻りたいんですか?」
と、可能な限り落ち着いた声音で、彼らへと問いを零す。
翼獣たちは確認するように視線を交わし合い――やがて、リーダーと思われる個体が、敵意の色を幾らか薄めた、凪いだと言ってもいい眼差しを悠たちへと寄越してみせた。
僅か細められた目に懐かしむような色が湛えられているのを見て、
「これってもしかして、コミュニケーションが取れちゃってる感じー?」
と、音夢が核心を突き、梢はその言葉に大きく頷いてみせる。
「言葉が通じているわけじゃないのかもですが……これは大きな進歩ですよ!」
「少なくとも、絵をきちんと認識している……というふうに見えましたね……」
悠の声にも、安堵の色が覗いていた。
通じたのは想いか言葉かわからないが、絵を通して交流を図れるというのは朗報だ。
音夢が、スケッチブックの頁をぱらと捲った。
「つまりー、助けさせてほしいって絵で伝えられたらいいわけだよねー」
すらすらと、今度は瞼を開けたままで絵筆を走らせる音夢。
やがて白い頁に、『翼獣助け隊』の希望そのままの絵が鮮やかに描き出される。
スケッチブックを音夢から手渡されて、梢はそれを再び翼獣たちの前へとかざした。
「こういう感じで、私たちに皆の命を助けさせてほしいんです! お願いします!」
俄かに、翼獣たちがざわめく。
「……予想外の申し出、なんだろうねぇ」
「はい……。治療というものにもきっと縁がないでしょうし……」
その様子に、小声で言葉を交わし合う由貴奈と悠。
やがて、ボス翼獣がすっと前に歩み出た。
目の前にいる生き物たちを信用してもいいものか探るように、聡い眼差しをして。
由貴奈が、再びベルトポーチからクッキーを取り出す。
唸り声を上げた幾らかの翼獣たちを、ボス翼獣が、穏やかな視線だけで静かにさせた。
「ええとぉ、うちらはきみたちを傷付ける気はないんだぁ」
言って、由貴奈は翼獣たちが見守る中、手にしたクッキーを口の中に放り込む。そうして、
「うん、美味しい」
クッキーを飲み込んだ由貴奈は、その口元をふにゃりと緩めた。
地面にそっとクッキーを置き、距離を取ってもらうよう仲間に呼び掛ける。
徐々に距離を近づけて……と考えていた由貴奈だったが、それよりも早くに一頭の翼獣が動き、地面に置かれたクッキーをぱくりと口にした。そして、じっと由貴奈を見つめる。
「……信じてもらえた、のかなぁ?」
ほっとしたように息を吐く由貴奈のすぐ近く、悠の元へと歩み寄る先ほどの若い翼獣。
「え……? な、何でしょうか……?」
小首を傾げる悠の服の端を、若い翼獣は柔らかく咥えて引っ張った。まるで、何かを強請るように。
「あ……もしかして……」
急ぎ、悠は荷物の中から取り出した林檎をそっと己の手のひらに乗せる。
翼獣はそれを、悠の手から口に運んだ。そして、満足げに喉を小さく鳴らす。
「……ありがとう」
ボス翼獣が何かを知らせるように一声鳴いて、次々とこちらへと寄ってくる翼獣たち。
その様子に、梢は口元に弧を描く。
「さあ、これから忙しくなりますよー!」
これで彼らを助けることができると、喜びと身の引き締まる想いを胸に感じながら。
採取したエメラルド色の葉っぱが入ったカバンを、衛はどさりと取り落とした。
その表情は虚ろで、まるで現実に焦点が合っていない。
「ちょ、卯木、しっかりして!」
衛に噛み付いたクマのぬいぐるみをシステマというロシア武術で追い払ったロベルトが、その肩を掴んでがくがくと揺さぶる。衛の瞳に、ハッと光が戻った。
「あ、あれ……? 俺……うわっ、荷物!?」
慌てて足元のカバンを拾い上げ大事そうに抱え直す衛の姿に、ロベルトはほっと息を吐く。
「さっきのぬいぐるみに噛み付かれて、ちょっと頭がぼんやり? してたみたい」
「そっか……やっぱ、見た目によらず物騒なとこだな。すいません、もっと気をつけます」
大事な物を預かってるしな、と呟くように衛は付け足した。
この葉っぱが、治療のために必要なナイフの代わりになる。
今の状況下での物資の重要性を知っているからこそ、衛は懸命に攻撃の回避に努めていた。
けれど、奇妙な生き物たちの2人を襲う手は休まるところを知らない。
油断なく辺りを見渡しながら、ロベルトは少し難しい顔を作った。
「ここの生き物たちは、翼獣にそう簡単には手が出せないってことなんだろうなぁ。彼らから離れた途端にこの調子なんだから……でも、後は帰るだけだ。頑張ろうね、卯木」
ロベルトの言葉に、真剣な面持ちでこくと頷く衛。
(ロベルトさんすげー頼りになるしかっこいいな……俺も頑張らねえと)
なんて、噛み傷の痛みを吹き飛ばすほど、その胸の内には気合が満ち溢れていた。と、その時である。
「っ、拙い!」
ロベルトの茶色の眼差しが、こちらへと向かってくる黒い翼の騎士を捉えて険しくなる。
「逃げるよ、卯木!」
衛の手を引いて、ロベルトは敢えて滅茶苦茶に走り出した。軌道を読まれないためだ。
黒い騎士とは先刻も遭遇した2人なのだが、
(何でか攻撃が通じなかったんだよね……卯木も一緒だし、今度も何とか逃げ切らないと)
という次第で、再びの交戦は避ける方針なのだった。
しかし、騎士は漆黒の翼をはためかせて、着実に2人を追い詰めに掛かっている。
(どうする……卯木だけでも無事に逃がせられたら……)
ロベルトの頬を冷たい汗が伝った、その瞬間。
地を揺らすような鳴き声が、轟と辺りに響き渡った。
「ロベルトさん、あれって……!」
2人を守るように、一頭の翼獣が野っ原へと舞い降りる。
騎士は空中にたじろいで、それ以上向かってこようとはしなかった。
大丈夫か? とでも言いたげな眼差しを寄越す翼獣を見て、目を丸くしてロベルトへと視線を移す衛。
ロベルトの方も、驚いたような顔で衛のことを見ていた。
じきに――2人の顔に、満面の笑みが浮かぶ。
「屋敷野たちが頑張ってくれたんだね!」
「俺たちの気持ち、通じたのか? ……良かったぁ」
ありがとうな、と衛が呼び掛ければ、翼獣は友好の証のように頭を衛へと擦り寄せた。
「っはは、くすぐってえって!」
衛と翼獣の微笑ましいやり取りに、ロベルトはふっと口元を緩める。
――さあ、戻ろう。まだまだ自分たちには、やるべきことが沢山ある。
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冒険
SF・ファンタジー
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定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月21日
参加申し込みの期限
2016年03月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月28日 11時00分
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