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『 コロシアイ 』
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【胡蝶の夢の、その先に】
屋敷野 梢
は、暖かな日差しにを受けて夢の中で目を開いた。
そして直ぐに今、ここの空間は“生物部に入部したての、四月そのもの”なのだろうと、辺りの教室の一室から理解する。
おかしな事と言えば、現れては消えたうさぎ。
それと、
目の前にいる、もう一人の自分の姿。
「……誰にも認められない私、かー」
梢は一人心地で呟いた。
消えたうさぎが影と呼んでいた存在からは、その姿には似つかわしくない程の殺気が迸っている。
「……思えば……たくさん、押し殺してきましたものね。
今まで──恨み言だって、妬みだって、弱音だって、いっぱい言いたかった」
もう一人の自分──“影”を目にして、梢は訥々とその心を呟く。
相手との間に見えない壁があるのは確認済みだ。そうでなければ、状況を理解する前に、自分は目の前の影に殺されていた事だろう。
「でも、私は私自身に強く生きる事を誓ったから……
慣れない事に憧れ、他人を傷つけてばかりだった私が──今、多くの人や生き物も救えるようになったんです」
それはこの場にいるどちらに向けてのものなのか、強い誇りと共に僅かな憐憫を添えて梢は告げた。
「……結局それが自分を孤独にして、傷つけ続けているのも知っています。
時折渦巻く暗い感情は──きっと貴方なのでしょう」
梢が認めた瞬間──硝子のひしゃげる音がした。それが、この世界での開幕の合図。
しかし、影はまだ動く様子を見せない。
梢の過去もまた、賢かった。様子を見るように梢の前に立っている。
「──私は、負ける気はありませんよ。
例え貴方が、他人を傷つけてでも“私を救いたいと思う私”だとしても──
その他人を想う事の大切さは、貴方に教えてもらったのですから」
そこには二人の自分がいる──
自分という存在を守るが為に、他者を憎んだ自分と、
皆を守る為に、己を犠牲にしてきた自分。
「じゃあ、ここで決めましょうか。
私を守るか、皆を守るか」
梢の言葉が合図となった。
飛び掛る影の手には、既にメスが暖かな光を受けながらも鋭く反射している。
瞬時に迫り来る刃物を、梢は強く蝶になる事を念じる事で発動する“胡蝶の詩”で、姿を蝶に変えて回避した。
数メートル先で変化を解除し、思い浮かべて即座に出現した盾をかざして影の追撃を弾き飛ばす。
しかし、その盾は梢の意図では無いままに、蝶となって梢の腕から離れていった。
「貴方も、ろっこんが使えるんですね……!」
梢の進化したろっこんは、自分の変化と共に、目視した対象物を蝶に変化させる。
押さえ込まれ、影が振り下ろしてきたメスを蝶へと変えた。それに気付いた影は、蝶を手放し攻撃の手段を、躊躇い無く顔面への平手へと切り替える。
梢は相手を振り払い、広いテーブルの上を転がって、再び何とか床へと降りた。
回避するだけの為だけにろっこんを使っていては、強く念じるだけの集中力がもたない。念じる時間も間に合わない。
「本当は、頭脳労働の方が嬉しいんですけど……
正面からやり合いましょうか!」
梢が勢い良く傍の棚へと駆け寄った。
強く、強く視認する、想像する。そのガラス棚の中の危険物の入った瓶も、メスを収めた箱も、目視した全てが蝶になる瞬間を。
そして──棚を開けば、恋焦がれた様に、色鮮やかな蝶の群れが舞い踊った。
全てを蝶と化して相手の上に飛空させては、変化を解いて上から落とす──無論、それを受けた相手はただでは済まないだろう。
だが、それを考えたのは梢だけではなかった。
「──!?」
自分とそっくりの影が向かいのガラス棚に手を掛けていた。開かれた扉からは、同じくぞっとする程の、溢れんばかりの鮮烈なる蝶の群。
戦慄に息を呑む間にも、幻想としか言いようの無い蝶の群れは、ゆっくりとだが着実に空間の空いている互いの方へと近づいてくる。
「テーブル……!」
とっさに、蝶へと変化した危険物を避ける為に机を目にするが、……その机を先程の盾と同様に蝶にされては、自殺行為以外の何物でもない。
梢は走る。ついに、こちらに飛来してきた蝶が次々と元の姿を取り戻し頭上から落下して来た。
ナイフが、シャーレが、持ち出し禁止の劇薬の瓶が、走る梢の後をまるで追い掛ける様に落下してくる。
「熱……っ!」
割れた瓶の薬品が足に掛かった。激痛に足を止め、一か八かで金タライを出して残りの蝶を防ぎ切る。
これで、やっと相手の様子を伺える……しかし、相手に目を向けた時、その影の姿に梢は息を呑まずにはいられなかった。
強く念じるのは、精神力を消費する。
梢よりも僅かに劣った影の身体と精神力では、とっさの判断と足は追いつかず、危険な備品の落下を避けられなかったのだ。
左肩に無残に刺さった細いメス、劇薬を頭から被り爛れたその皮膚──
勝利、とは呼べたかもしれない……だがその中で、梢は足を引きずり、自ら影の元へと近づいた。
殺されるかもしれない──だが、それも最早どうでも良い。
「分かっています……私を守るために、私を傷つける私を殺そうとしたんですよね」
影は俯き答えない。
「そんな貴方を、捨ててはいきませんよ。
……一緒に、目を覚ましましょ?
今は力が足りなくても──貴方のことも、きっと救うと約束するから」
影は震える手でメスを握り締めている。だが、至近にいる梢を斬りつけようとしない。
「じゃ、貴方が私を斬るのが合図です。
──兎のエサにはなりません」
穏やかに笑って、梢が傍に落ちていた同じ形のメスを取る。
お互いに向き合い、そして梢の首筋に走る熱。
それが何かを感じ取る前に、梢も相手の頚動脈を切り裂いた。
この感情を……餌になんてさせません──絶対に。
直ぐに消滅するであろう互いに消えていった空間で。
残留したその思いだけが、その場に深く残り続けていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月03日
参加申し込みの期限
2016年03月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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