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『 コロシアイ 』
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【侵略される侵食される】
朝鳥 さゆる
は、ベッドに腰掛け、その手の平に山とある睡眠薬の錠剤を乗せていた。
それを一気に飲み干し横たわる。
現実はいつも小うるさく、無常でいて、とても無慈悲。
慈悲が欲しい訳ではなかったけれども、せめて眠りという思考をしない間だけでも、一切心が揺れない時間が欲しかった。
そうして、さゆるは目を覚ました──訳ではなかった。
何も知らない場所に、さゆるは立っている。
耳にするのは風に錆びて揺れる壊れた柵の音。目に入るのは、深い葉の生い茂る緑色。
目を凝らして見れば、その緑は、過去にさぞ子供の羨望を集めたであろう“遊園地”という夢が干からびて、廃墟として植物に呑み込まれようとしている光景だった。
「(ああ、眠るのに失敗した……)」
それだけ、そう思った彼女の前に、地面の砂埃を巻き込んだような風が吹く。
目の前に現れたのは、不思議と立体的な黒い影。もやから形を成した人の形。
「(これは……あたし……)」
自分の姿を模した影、それを初めて正面から向き合う。
認識をした瞬間、それは自分としか思えない“色”を伴って、さゆるの前に完全に姿を見せた。
血のかよっていない、青さまで感じる白い肌。浮き出るような赤い唇。切れ長の瞳は、枯れ落ち掃き捨てられるだけとなった落ち葉色。
お互いが見つめ合うという行為を行った直後。見えない境目でもあったのだろうか、何かの始まりを告げる様に、厚い硝子がひしゃげる様な音が響いた。
──影の瞳に光が宿る。ただ目の前の相手を屠ろうと、それだけの為だけに輝き始める。
その様子を、初めてとは思えない程、さゆるは冷静に見つめていた。
さゆるは、それを知っていた──それが己にとって何よりも身近な存在である事を。
その存在の呼称を認識する前に、さゆるに向かって影が走る。
両の手にそれぞれ握られているのは、いつの間に現れたのだろう、ブレードに光を反射させる事の無い黒で象られた、先端に向かい僅かな反りを描いた軍用ナイフ。
影はただ、言葉無く、無言。
その姿を凝視するさゆるの両手に、全てが完全に一致した同じ形のナイフが、その手の中に落ちる様に現れた。
怒涛のような殺意を前にして、驚きはない──しかし、ただほんの僅か、少しだけ意識が高揚した。
「(……もしあれが、自分の思っている通りの己だとしたら……)」
十字に斬り掛かって来た相手の刃を左右交互に受け止める。
「(……勝てば、切り伏せれば、少しだけでも──)」
思考に意識が向き、行動は全て無意識。だが、それでも刃厚のあるナイフのブレードは、互いの力を拮抗して激しく鍔迫り合う音を奏でた。
その音にさゆるは、やっと相手の存在に付いている名前を思い出す。
仕切り直しで弾かれた距離に自ら飛び込み、その心臓を狙うべく腕を伸ばす。
急いた様子で後ろに下がった影は、動揺した様子を隠さず、その刃を斜め下へと打ち逸らした。
そして、今度こそと殺気を顕わにナイフで首を掻きに迫り来る。
「(でも、この存在は)」
さゆるはその名前は意識に浮かべる。
それは自分の狂気、絶望……そして破滅願望。
どれも、現実のさゆるに寄生するように寄り添い、そして侵食してきた“さゆる、そのもの”
次、次、次……防ぎ、攻勢に踏み切るさゆる。両手で描かれる直線と孤は、鋭い刃物の悲鳴と共に文字通りの火花を散らす。
その攻防は本当に互角だった──最初に、さゆるが影の自分が何であるかを悟る前までは。
今は押し負けている。まるで、現実と同じ。
さゆるの日常を、内側から削り食らうかのように。
「……」
悟る。このままでは負けて、全てが破綻する。
しかしそれに対して、さゆるはどこまでも冷静だった。
いつかは来る──理解していた、破滅の瞬間。
同時に、押し負けていたさゆるの背中に“遊園地であったもの”である遊具の柵が当たった。
逃げ切れない──受けたのは、過去の夢にすら見捨てられた様な、軽い眩暈。
影は、それを見逃さなかった。
「………………」
至近距離に潜り込まれたさゆるの臓腑へ、幅広のナイフが深々と突き刺さった。
一瞬ぞっとする程冷たく、次に爆発したかのような熱さと痛み。
影が嘲笑う表情を見た気がした。
しかし──それと同時に。
全力でナイフを突き刺して丸見えとなっていた影の背中に向かい、さゆるは無言で刃物を突き立てた。
もつれ合うように倒れ込む。
夢の終わりだと、誰かが告げている様な気がした──
海に沈んだかのように暗い、そして息苦しい。
「………………」
その重みで、さゆるは目を覚ました。
しかし、体から重みが抜ける事は無い。
勝てるとも、負けるとも思っていなかった。そんな心を蝕むように、確実にアレは存在している。
「……結局……生きながら死んでいるような状態が続くのね……」
夢を振り返り、喉を締め上げるように零れた、心の悲鳴。
今は相打ち。
しかし、今尚忍び寄っては己の中で着実に存在を増していく影の存在に、次に勝てるかは分からない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月03日
参加申し込みの期限
2016年03月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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