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『 コロシアイ 』
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【この意識で、確信するまで】
霧谷 朧
は逃げる様にその場を駆け抜けた。
「(人の不幸は蜜の味というけど悪趣味にもほどがある──!)」
彼を襲っていたのは、絶対的な理不尽だった。
真っ黒の自分のシルエットだけを模した影が猛烈な勢いで飛び込んできては、朧の姿を捕まえようと手を伸ばす。
それを寸でのところでかわしながら、朧は見覚えのある夜の情景の中を、見知った障害物を敢えて乗り越え、または蹴り倒す事で、何とかその猛攻を凌いで来た。
深夜の孤児院施設は、とても静かで。
ものを引っ掻き回すその音だけが、とても派手に響き渡る。
──うさぎは言った。コロシアえ、と。
「(あんなウサギの思い通りにさせたくないけど、解決策が見つからないし……)」
テーブルに引っ掛かり尚も襲ってくる影の音を聞く。
「(影は躊躇なく襲ってくる……!)」
影は俊敏だった。朧がどれだけ凌いでも、逃げても逃げても襲ってくる。腕を、肩を掴まれたらその時点で、命と引き換えに鬼ごっこは終了だ。
朧には分かっていた。煙として現れたその瞬間から、既に分かっていた様な気がしていた。
──それは自分。ずっと逃げる自分を追い掛けて、その後ろにいた自分。
背を向けてきた、“これが自分だ”と訴え続ける彼から逃げ続けてきた。それでも、日常の陰に、常にそれがいる事を知っていた。
椅子を引き倒し、直前まで迫ってきていた影がそれに足を取られる。
影の方が圧倒的に早い。圧倒的に強い。
だが──それは、朧しか目に入っていない。
障害物に救われる様に、朧はただひたすらに逃げ続ける。
「(いつも、ぴったり後ろにいたのだから……『おしまい』と言わない限りなくならない。
逃げても逃げても……逃げ切れないのは分かってる!)」
影は、障害物など見えないとばかりに、一直線上に追い掛けて来る。自分の背後に、常に物が来るように駆けながら、朧は施設内の一つの部屋に飛び込んで鍵を掛けた。
複数回、ドアを叩く音。そして沈黙──
自分の事だから良く分かる。諦めた訳じゃない、何かドアを破る手段を探しに出ただけだ。
「もう、少し……もう少しだけ、待っ……」
ドアを視界に入れて、それでも耐え切れなくなった様子でしゃがみ込む。
昔とは違う。昔、両親さえも存在を放棄した自分。
“いらないのだ”と、そう思い、ただ立ち尽くしていた過去の自分。
それでも──昔に比べ、友達も出来た。蓋をして目も向けられなかった自分に、少しずつ、自分でいていいのだと、そう思い始められた矢先の出来事だった。
「(せめて、もう少しだけ待って欲しかったのに……!)」
泣きそうな声を俯き抑えた。
響き渡るドアを破壊しようと何かをぶつける音が響いた。
同時に、耳に響いた最初に現れたうさぎの声。
『ねえ、まだかな。まだかな。
まだにんじんに味付けされてないんだけれども』
「──!」
それで、気付いた。
『こういう風に創った』──これは、うさぎが勝手に作った世界だ。朧に湧き上がったのは、ただひたすらの怒りと苛立ち。
「勝手に、俺を、作んな、っ──!!」
ドアが軋み始める音と朧の拳が壁を打った音はほぼ同時だった。
「(なんでお前なんかにそんなことされなきゃいけないんだ。
勝手に俺を作るな! だったらこれは『俺であっても俺じゃない』)」
烈火の様に滾る理不尽が滾る──それはまるで、ドア越しの相手から感情の一部を奪い取ったかのように。
一瞬止まるドアの音。再び鳴る勢いが若干弱まる。
その隙に、朧はドアから離れてその部屋の中央に力強く立ち上がった。
「なら……思い切り、」
──ぶつかる事を、躊躇わない。
ドアが破壊され、影が部屋に乱入して来る。
朧は、それを正面から睨み付けた。
「通りで、真っ黒なんだと、思った──っ」
掴み掛かってくる影の腕を、こちらが掴む。
相手の手が、朧の肩に掛かった。勢いが混乱し、互いが床に転がり込む。
朧の中から、影への恐怖は消えていた。
目の前の影は確かに自分。自分だが──本来ならば、影が抱えているはずの怒りを、今は自分が抱えている。
自分を見捨てた親への絶望、孤独、存在意義──理不尽、その不満や怒りは今、朧が手にしている。
その部屋の中を、急に赤い回転灯のランプが回る様に真っ赤に染めた。
『システムエラー! システムエラー!!』
うさぎとはまた違う音が、そんな言葉がこだまする。
「そんなの、知ったことじゃないし!!」
今、完全に影よりも朧の方が強かった。
影から、心の一部を奪い返した──過去の自分が思うべき怒りと理不尽を、今朧が確かに手にしている。
感情のままに相手を抑え込んで、馬乗りになって相手の首に手を掛けた。
影には苦悶の表情一つ浮かばない。力一杯に締め付けて、完全に相手が動かなくなってから手を離す。
影が、煙の如く塵に還って消えていく。
真っ赤に染まっていた世界が沈黙した。
「……ほら、やっぱり……こういう事さね」
朧は、影を殺して尚、自分の心の背後に立つそのその姿を見た……
今の自分が抱える分も巻き込んで、怒りの総てを吐き出した。
それでも、自分の影は消えてはいない。
……より鮮烈に、自分とはっきりと同じ姿を伴った影は、ただ静かに立ち尽くしている。
殺しても、消える事は無い。
その影は──ただ、朧が強く己の存在を見てくれる事“だけ”を望んでいるのだから……
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月03日
参加申し込みの期限
2016年03月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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