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『 コロシアイ 』
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【最後の一欠】
ぐらりと世界が傾く様な気がした。
地震、ではない。そして倉庫で仕事の荷物整理をしていた
天動 記士郎
は、そのドアが叩かれ開かれた中からタキシード一式に身を固めた二本足のうさぎが現れたのを見て、深く深くため息をついた。
「また、ですか……」
非現実に引き込まれるのは慣れている。記士郎は首を傾げながら歩いてくるうさぎを、半ば呆れた様に出迎えた。
「というわけでね。
失敗した上に今度は起きてる人まで巻き込んじゃった。今回はだめなのかなぁ……」
「困りますね、仕事途中で眠ってしまうだなんて。持っていたダンボールに割れ物は……」
「あ──確認は『生きて帰れてからにした方がいいよ。死んじゃうと、気分的に仕事どころじゃない』からね」
黒いうさぎが前を向く。
屈み込んでいた記士郎が正面を見ると、黒い影が、今まさに記士郎の姿を取ろうとしていたところだった。
しかし、それが全く同じ姿の影であったのなら大して気に掛かるところでもなかっただろう。
だが、そこにいるのは──
「そうきましたか……」
記士郎は珍しく表情を苦く険しく曇らせた。心は嘆息を洩らしたはずなのに、緊張からかそれで呼吸が出来た気がしない。
うさぎは記士郎を軽く突き飛ばした。
よろけて一瞬起こした眩暈の後──記士郎がいたのは、倉庫の中に立てられた、ボクシングリングの上だった。
目の前には、一人のボクサーが立っている。
髪は短く、両肩は隆々としており、その腕はついている筋肉が飾りではない事が分かる位に引き締まっている。
そんな──過去の自分は、自分への憎悪をその瞳に湛えて待っていた。
うさぎが両手で一本のにんじんを一口かじる。
まるで硝子のひしゃげて割れる音が、リングの合図のように響き渡った。
影が状況把握の遅れた記士郎へ向かい、右からのフックを放つ。
「ッ……!?」
今の記士郎が身体で覚えていた反応として、その拳を何とかかわす。
駄々漏れに溢れぶつけられる気合──記士郎は、自分の脳がキチリと、覚醒する音を聞いた。
もう少しでパズルのピースが全て嵌る様な、後一歩で全てが揃う。昔の、かつてリングに立っていた自分と同じ感覚。
「一度は……きちんと向き合えということですか」
いつの間に身に着けていたのだろう、記士郎の腕には青いグローブが付けられていた。影は赤色のグローブに長丈のボクシングパンツ。こちらは日常の作業服。機動性としては、若干不利かも知れない。
それは、過去。試合に勝てなくなり諦めそのリングを去った、プロボクサーの1シーン。
過去の自分は、勝利を諦めた己を、未だどうしようもない程に恨んでいるのだと──それが手に取るように伝わってきた。
影の目は記士郎と同じ。しかし、その瞳は赤かった。血が流れている様に赤かった。
繰り出される鋭すぎる刃と同様の拳を、記士郎は肩や腕を駆使して捌くが、避けたはずの拳はその記士郎の顔に、はっきりと血を流した傷として痛烈な痕を残していく。
相手の攻撃をかわし続ける。
勝てない理由は明白に存在していた──それが分かっていたからこそ、記士郎は潔くリングを降りた。
……闘争心が湧かなかったのだ。どんな強敵を前にしても、勝つという信念がまるで湧かなかった。
如何に火薬があろうとも、導火線に火がつかなければ意味が無い。
それは、まるで火種という1ピースが見つからないが為に、完成しないパズルの絵柄を量産しては、価値の無い敗北を生み出し続けた。
その光景は、段々と適確に相手からのパンチが入ってきたのに反撃すらしようとしない、過去の自分そのものであっただろう。
「──────!!」
目の前の影が、声にも音にもならない咆哮を上げた。
記士郎へ、左顔面へ向けられた“殺意”を含めた重い一撃が直撃する。
世界が暗転した。
しかし、
記士郎はその中で──やっと“火種”という、迷走していた最後の1ピースを見つけだした。
一気に覚醒する意識。倒れ崩れそうになった身体を脚に力を込めて支え切る。
凶悪な影の右ストレートを、記士郎はあと数センチ当たらないラインまで顔を捻らせ交わしながら、その腕の外側から重ねた左フックを全力で叩き込む。
全力でのカウンター・ブロウを受けた影の頬から何かが砕けた音がした。
影から吹き飛ぶ透明なマウスピースと折れた複数の歯の数々。
それを、彼と接する誰もが見たことの無い、冷静ながらもまるで獲物を狩る獣の瞳で見つめた記士郎は、よろけ倒れ掛けようとした影の顔面に、躊躇い無く右フックを抉り込ませた。
頭蓋への骨折も含まれるであろう、影は正面に膝から崩れ落ちた。
彼は見つけた。
今までずっと、見つからなかった最後の1ピースは……『相手の殺意』だと──
「明確な殺意を持つものは容赦しません」
今までの日常の世界では決して出来なかった戦いを、こうして今寝子島において全身全霊をもって楽しんでいる自分がいる……過去の自分と向き合って初めて気が付いた。それすらも、明確なる成長の証。
殺意が無いものは殺せない。
だが……裏を返せば、相手に殺意と実行する力さえあるのなら──
記士郎は、ふうと肺の空気を吐き出して。
リングを降りていつも通りの佇まいと、いつも通りのにこやかな笑顔で、立ち尽くすうさぎに告げた。
「悪食もほどほどにしてくださいね」
うさぎは、記士郎にこくこく頷くと、毛皮越しでも分かる蒼白な顔を隠さずに、その場から全力で逃げ出した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月03日
参加申し込みの期限
2016年03月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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