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『 コロシアイ 』
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【停滞無き加速】
それは、余りにも白い空間だった。
壁が見当たらず、それでいながら出口は無い。
見える景色はただただ白のみ。天井の空さえ、それが塊なのか空の色なのかも分かりはしない。
その中を、
御剣 刀
は対峙していた。
「お前は過去の、あの時の俺か?」
答えなど、聞かなくても分かっていた。既に真剣を抜刀した影が、改めて柄を握り直す音が響いた。
ヤバいうさぎだと思っていたけれども、今回はその怪異には感謝しよう。
何故なら──一度は、向き直るべきだと……違う、“殺りあっておくべきだと”そう思っていたのだから。
「お前が俺を殺したいと思うように、『俺もお前を殺したい』」
ありありと、刀の口が偽り無き本心を紡ぎ出す。
「ああ、あの時望んだ手を届かせられなかった俺を認められるわけない。
──叶えたい夢に、成したい望みに、
俺の伸ばした手は届かないのだと、示し続けるようなお前を赦せるわけねえだろ!」
一喝。白の空間はその言葉をどこまでも伝え切った。
「こいよ、お前が今まで先へ進むために殺してきた俺だというのなら、今の俺が先へ進むためにまた殺してやるよ!」
吼える様に高らかに上げられた、剣鬼の叫び──硝子がひしゃげる音は無く、代わりに響いたその声を合図に、影は容赦なく、仁王立ちで剣を構えたその姿に襲い掛かった──
一撃目にして、影の刃は二つに“切れた”
折れたのではない、日本刀は精神を宿す──見る限り全く同じ素材の太刀筋によって、その刃を明確な意志で刀は、切ったのだ。
瞬時に、影は空間から同じ太刀を生み出して袈裟懸けに振るう。
刀はそれを受け止める。正面から受け止めながらも、刃こぼれ一つ起こさない。
影の脆弱さの証明。それを、刀は当然のものとして見つめていた。
幾度と無く続くやりとり。地面には、刀の攻撃を受けた影から散った赤い華が咲く。
刀は影の攻撃を殆ど一撃でいなし、その隙に容赦なく一撃を叩き込む。
一撃ではなく、幾度かの剣戟が続く時もあった。
だが、それでもその技は刀本人を出し抜けるほどのものではなく、合間にろっこんを使い合えば、明確なまでに刀の方が早かった。
それは、刀にとっては当然の出来事だった。
常に、同じ場に立ち尽くすのを許さない事を自分に課した。
ただ、前へ進み続ける事のみを己に誓った。
故に、100回やったら100回、今の己が勝つ。そうでなければならない、それ以外は認められない。
力量の差は明白だった。
影は四肢各所を斬られ、血の花は満開を通り越して雨となる。
それでも、刀の影は攻める手を緩めようとはしなかった。勝てなければ勝てるまで──過去の自分が、そして今の自分が例外なくそうである様に。
よろけた一歩から踏み出された弱々しい一撃。避ける事も出来たそれを刀は敢えて手に持つ剣で受け止める──それが、全てとなった。
失血により影が立ち上がれずに片膝をつく。
影には骨にまで至る傷が多数あった。立てない影の代わりに、何を思ったのか刀がその目の前に屈む。
そして手を差し出し、告げた。
「消えるな」と。
「帰って来い。消えずに俺の中に居続けろ。
お前がいる限り──俺は手を伸ばして走り続ける。
届かせる、必ず届かせる、願ったときに望んだ手を届かせ掴んでみせる。
……それを成せるか、俺の一番近くで確かめてろ」
日本刀が、腕から落ちる。消えない憎しみを交えた手が、それでも差し出された刀の手を掴んだ。
握る手には忌々しさを、憎しみを。それでも、影は認めた──己の敗北を。
「そして聞きたくなったら『今のお前ならあの時手が届いたか?』って聞け。
その時の俺なら『ああ、今なら届くさ』って答えるから」
一度、正面から刀とその影の瞳が合った。
影が、塵となり消える──消滅かと思われたそれは、刀の心に溶けるように再び滲み染み入るのを実感した。
“消えた訳ではないのだ”と、僅かな安堵と共に実感して刀は立ち上がる。
影は血の跡諸共消えていた。
白い、どこまでもどこまでも広い空間に、刀一人が残される。
僅かに天井から、厚いガラスに罅が入る音がした。
この空間も、もう直ぐ終わるのだろう。そう言えば、ここは夢であった事を刀は今更ながらに実感する。
その胸に手を当てて、崩壊の始まった世界で安心した様に天井を仰いだ。
「なに、今の俺もすぐにおまえ等の仲間になる。
だって俺は今より先に進むことを望んでいる。
ならば──過去の俺の亡骸が己の道を進んできた証明になっているように、この俺も先へ進む俺に殺されて進んだ証明になるんだから」
その手は誇らしく、胸元で強く握られた。
今度は硝子ではなく、コンクリートの砕ける様な音がした。遠くの天井の一部が砕けて落ちていくのが目に入る。
ここも、もう直ぐ終わるだろう。
「──それを俺は望んでいるんだよ……停滞こそ、御剣刀の終わりだから」
その言葉を最後に、無数に降り注ぐ瓦礫が刀の姿を隠した。
しかし──最後に目にした天井から見えた青空は。
その目覚めが、この上なく清新である事の証明だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月03日
参加申し込みの期限
2016年03月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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