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『 コロシアイ 』
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【悲痛】
ガラスのひしゃげる音はしなかった。
ただ、小さな泡沫が深い海底から静かに浮かんだ。それが、合図──
服部 剛
が瞳を開ければ、そこは僅かに光の差し込む海の底だった。
「夢……? いや、それかて……」
足を動かす。見るからに水の中、しかし想像だけでも重そうであった水の抵抗も何も無く、足は陸上と同じ軽さで動かせた。
思えば息も出来る。通常の水の中ならばとっくに溺れていただろう。
「ここ……俺の心情世界、って奴やろか……」
呟く声が空気に伝わるように確認出来た。夢の中であることには間違いなさそうだ。
「夢にしてははっきりし過ぎや……何やてこんなところに──
……っ!?」
繋がる海底に視線を滑らせたその先に人影を見た。
前髪で隠された左目に学ラン姿──昔の自分の姿をした、幾度と無く神魂の影響で現れては、己を剛の「本質」と名乗るその姿を。
それを剛は退けた事がある。それ故に、思わなかった。
──また現れる可能性、そして現れたとしても──
「(何で……黒い奴は嗤うとるん?)」
あの時、勝ったのは自分のはずなのに。何故、何で。
その動揺は剛の表情にはっきりと浮かび上がった。隠し切れない心の揺らぎは、明瞭に彼に──相手の影へと伝わった。
一気に影との距離が短くなる。
端から見れば影が駆け寄っただけだが、虚を衝かれた剛にその姿は捉え切れなかった。
不意に相手が眼前に攻め寄り、腕をつかまれ身体ごと後ろに押し倒される。
そして、自分が地面に打ち据えられる音を聞くのと同時に、ほぼ間髪入れずその左腕に何かが叩き付けられた。
声も出ない、脳まで支配する熱と痛み。何が起こったのかと瞬時に湧く油汗と共に僅かにそちらに目線を送れば──己の左手の甲を貫通した、一口のナイフが。
「……っぐぁ……ッ!」
目にして初めて分かる具体的な激痛。背筋を走る寒気。
その中を、影が音無き言葉で嘲笑った。
『俺に立ち向かえただけで、いい気になるなや。
証拠がこれや。俺に反応できんかった。過去から逃げとる、臆病で半端もんのガキが』
目が語る。口許がつり上がる。言葉など要らない。その表情の全てが剛に向かい語り掛ける。
しかし、その鮮烈過ぎる痛みは、剛の思考をまるで人形の糸を切ったかの様に一気に冷却させた。
影が更に追撃するように、ブレードに地の文様が入ったダマスカス鋼のナイフを手に落とす。
「……なんで、や……」
震える、泣きそうな剛の声。
それでも、とっさに今度は右手に振り下ろされそうになったナイフをかわして、死ぬ気の思いで立ち上がり影の側頭部に拳を打ち据えた。
よろめく影。その間に距離を取って、存在するだけでも激痛を発する左手のナイフを一気に引き抜く。
強引に引き抜かれたそれは、一層の赤色を迸らせた。雫が溢れ、指先を滴り落ちる。
「………………」
それは、今この現状を泣けない自分の代わりの様に爪の先から零れていく。
本当の願いは、影である“本質”を認めた自分を含め、全てを強く受け入れる事であったはずなのに。
もはや……相容れない、と理解する。それはとても哀しい事だった。
「(……殺ろう。
それでしか、止めれへんなら。それでしか……分かり合えへんなら)」
──本当は言葉が欲しかった。影の言葉に“それは違う”と否定出来る心が欲しかった。
それなのに、現実は……何も出来ないままの、互いに否定し、すれ違う事しか出来ない『殺し愛』。
剛は空を仰いだ。眩い水面など存在し得ないその底で。
今、この自分の心には日を燦々と浴びる陸上など存在しないのだと知る──
剛は相手の攻撃をかわしながら、強く念じた。ナイフをものともしない重い武器──現れたのは両の手に収まる一口の実戦をふまえた斧槍だった。
左手は添えるだけでも痛むが、それよりも強さを望んだ。今は……戦うだけの、その力を。
影の笑いが、深くなった様な気がした。
ナイフの手数を重量で打ち倒す。
影が折られる都度、新しいナイフを生み出すが、それらぶつかれば、確実に折れるのは斧槍ではなく相手の方。
そして、ナイフを弾いた瞬間。
影の手首が有り得ない方向に曲がる隙を見逃す事無く、剛の斧槍は影の胸に深く沈み込んでいた──
それは、あまりに不本意な夢の結末。
目を覚ました剛は、濡れている頬に気が付いた。
自分は勝った。それなのに、この虚無感は何なのか。この至らなさは何なのか。
「……なあ、どうすれば、
俺は『俺』と一つになれる……?」
落ちた涙が止まらなくなった。
夢を逡巡して、気付いてしまった。
あれは……影がわざと負けたのだ。
こちらが──己が無力だと、見せ付ける為に。
その証拠に、心に残る。
止めを刺したその瞬間。影が海底で口にした、最初で最後の、その言葉──
“ざまぁみろ”
手で押さえても止まらない、幾ら零れても減らない無力感。
剛のその瞳から溢れ出る、つらく胸苦しい悔し涙が、ただその場に滴り落ちては消えていった……
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月03日
参加申し込みの期限
2016年03月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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