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『 コロシアイ 』
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【打ち克つ】
足元からひやりとした空気が流れてくる。
多喜 勇生
は背中に打ち放しのコンクリートの冷たさを感じながら、目の前の存在を凝視していた。
薄暗い部屋。消えたうさぎ。写し身の様に現れた、もう一人の自分──
「(こんなこと信じられないよ……あれは、)」
──本当に過去の僕なの──?
初めて感じる、背筋を這いよる怖気……これを殺気と呼ぶのであれば、目の前の存在が襲ってくるのも時間の問題で……
そう自覚した瞬間、硝子のひしゃげる様な歪な音が、大して広くもないこの部屋の中に大きく響き渡った。
それはまるで──始まりの合図を鳴らすかのように。
瞬間、影が動いた。
ぎらつく瞳が勇生を捉える。その手には黒一色のバールを掲げて。
「わ──ッ!!」
狙い澄まされたのは顔面。
一度、二度、三度──一度目はバールの攻撃を横に、二度目は思わず屈み込んで、バールの届かない三度目は、顔面へのつま先での蹴りから逃れる様に、埃の積もった床を転がった。
「……目……?」
立て続いた攻撃を何とかかわして、距離を取り体勢を立て直す。その時になって、勇生はやっと気が付いた。
その対象が、全て自分の目に行なわれているという事──執拗なまでに襲ってきた部位は、顔──その目に集中しているという事。
勇生は、今掛けている眼鏡に手を触れた。
少し前まで、手放すという概念すらなかった目そのものを隠す瓶底眼鏡。
それは、全て己の印象を悪くさせる目つきを気にしての事だった。勇生の外面と内面はあまりに違い過ぎた。
顔の造形一つで、誰一人として勇生の内面を見てくれる人はいない。
コンプレックスと呼ぶにはそれは余りに深かった。
もういっそ誰にも見られなければ良い──悲しみと辛さも含めて、勇生はその全てを眼鏡の内側に閉じ込めた。
それだけを考えて掛けていたこの眼鏡。
「(……過去で、一番憎んでいる自分……だとしたら、目の前の存在は、確かに僕、だ……)」
音が聞こえるのではないかという程、勇生は自分の掌を握り締めた。
思考に意識が偏り掛ける。しかし、バールを持つ相手の攻撃を、勇生の身体は半ば無意識でかわしていた。
思うのは、とある人のこと。
奇跡の様に出会えたその人は、勇生に言ってくれた。
“この目で良い”と──そう言ってくれたのだ。
──だから、今自分はこう思える。
影を見た。
過去を振り返って──“あのままでいたら”目の前のような存在になっていたのかも知れない、と。
勇生は己の眼鏡に手を掛ける。
眼鏡を外す手が震えた。少しずつ受け入れられる自分がいる。それでも、少しずつだ。
この目は今でも、押さえ込んできたもの全てを含めて怖い。
──それでも、
「この目を……好きだといってくれる人がいたんだ……!」
瞳を隠していた眼鏡を、もぎ取るように投げ捨てた。
……本当は、受け入れられていないのかもしれなくて。ただただ自分は弱いままかも知れないけれども──だからこそ、今、形になっているあの心の中の影を倒さなければならないと思った。
自分は、今向き合っている。
この方法で良いかは分からないけれども──今の自分に“今を示す”には、この機会を逃す訳にはいかない。
強く念じる。左手には過去の力から守る為の鉄製の厚手の手甲が、右手には影と対になる様な、銀に僅かな光も反射する長めのバールが浮き出るように現れた。
影がついに、なりふり構わず黒のバールを勇生に向かって振り下ろす。
それを手甲で防げば、勇生が覚悟していたものより遥かに衝撃は少なかった。
勇生は即座にバールを振り下ろす。自分の力とは思えない勢いの元、バールを叩きつけられた影は頭から赤い血を流してその場によろめく。
血が滴る顔を押さえた影と目が合った。
恐怖に息が詰まる、止まる。しかし、それは影も同様だった。睨み付ける視線はそのまま、攻撃の手は止まったままだ。
「(……! あいつも、僕の目が嫌いなんだ……)」
先に動けたのは勇生の方だった。勇生は影に飛び掛るように掴み掛かって馬乗りになる。影は暴れるが逃れられない。
──これが、過去とは違う“今を存在してきた自分”という力の形──
息を止めて、力一杯に。
「(今しかない──これで終わりだ!)」
振り下ろしたバールは、相手の目を貫くように、その頭蓋を破壊した──
しばらく、勇生は呆然としていた。
影が消えるまでの間。
じわり、と。影から溢れ滴る鉄錆の臭いのする液体が、その服と手を汚していく。
「……忘れない……」
自分の過去との向き合い方が、本当に過去の自分を殺す事で良かったのかは分からない。
ただ、
「(忘れない……僕の中にも、こんな感情があった事だけは、覚えていなきゃいけない)」
その思いを深く胸に刻むと同時に、影は役目を果たしたかの様に、流した赤い液体もろとも、灰のように崩れて消えた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月03日
参加申し込みの期限
2016年03月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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