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R&R Agency:File01:春の肖像
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● 事件の終わり
絵を受け取った数日後、深見 春子は静かに息を引き取った。
春子は、刀やあやめが報告した今回の顛末をすべて受け入れた。
母・フユについても「仕方のない人ね」と言って。
結局のところ、春子は、母より長く生きたのだ。母を赦せるくらい、長く。
春子は月から自分に似た球体関節人形を買い取ると、父が大事に取っておいた白い着物を着せ、母に似せて髪を結ってやった。そして自分の死後、その人形を『春の肖像』とともに荼毘に付すよう言い残した。
春子の血縁者はなかったため、葬儀は関係者のみの簡素なものだった。
その後、春子は四十九日を待たずに山間のとある霊園に埋葬された。
◇
ブリジット・アーチャー
が春子の墓前に花を供える。
冬の風が冷たく頬を切る。枯れ枝がざわわと頭上で揺れる。
墓石には深見 遙幻とフユの名も刻まれている。
「いろいろあったが、これでようやく三人は家族になれたんだな」
手を合わせ、
御剣 刀
は誰へともなく呟いた。
弘明寺 能美子
は泣きじゃくる
桜庭 円
の肩をそっと抱き、春子に伝えた。
「私は遥幻庵の在りし日を見ることが出来ました……美しいもの見せてくれて、ありがとう」
リンコはそんな彼らを、少し離れたところでゆるり煙草を吹かしながら見守っていた。
遅れて来た
如月 庚
、
屋敷野 梢
、
薄野 九月
が、リンコの傍で立ち止まった。
梢が言った。
「今回の事件で私、ちょっと考えちゃいました。……女っていつ母になるんだろうって。母親って私たち子どもにとっては最初っから母親じゃないですか。母が女だったころのことなんて想像もしないっていうか、子どもを産んだらスイッチが入ったみたいに女から母になるような気がしてましたけど……なんか……そうじゃないのかもしれませんね」
「フユさん、亡くなった時23とか4とかですもんねー……でも人が孤独の中で変質してしまうのと同じように、霊も変質するって鞠さんも言ってたし、生きてた時は春子さんを愛するいいお母さんでもあったと思うな。だって、春子さんにこんな人形作ったりしてたんだもん」
九月はベッドの下から見つけた着物の人形を見つめる。
能美子が振り返った。梢と九月は駆け寄って行って人形を花の傍に座らせてやった。
庚がリンコに訊いた。
「絵を……燃やしちまって良かったのか? 未完とはいえ相当の値がつくんじゃないのか……?」
するとリンコは煙の輪っかを空に吐き出し、こう答えた。
「いいのよ。それが依頼者の望みだったんだもの。見つかったスケッチブックや手紙だけでも相当な資料的価値があるし、報酬も充分貰ってる。それに……」
「それに?」
「ああいう絵は残しておかない方がいい。父も母も幽霊になっちゃうくらい想いの強い血筋みたいだもの、あたしたちがここで裏切ってオークションなんかに出したりしたら、春子さんに末代まで祟られそうじゃない?」
くすっとリンコは肩を竦めたけれど、庚は彼女が口にしなかった部分に、別のものを感じ取っていた。
それは、感傷、というものかもしれなかった。
リンコは崩れゆく煙の輪を目で追って、天を仰ぐ。
「そういえばね、この霊園、春になると桜が綺麗だそうよ」
春になれば。
美しい桜が咲くだろう。
花びらは雪のように舞い、世界を淡く染めるだろう。
あの絵のように――。
◇
シーサイドタウン、R&R Agency事務所。
部屋の奥。
坂内 梨香
が、窓を背にした立派で重厚なボスのデスクで、パソコンを弄っている。
その手前に並べられた事務机では、
夜海霧 楓
と
鬼崎 あやめ
が今回の事件の報告書をまとめている。
どうやら宮辻不動産の方は今回の結果に満足しているらしい、とは梨香の談。
あちらは幽霊の件さえ解決すれば良かったのだ。元幽霊屋敷では住まいとしては買い手がつかないかもしれないが、遙幻のアトリエというウリもあるから、改装してミュージアムにするなど、使い道はありそうだ。
扉近くの応接ソファには、仕事の合間にダベりに来た
九杜 アメ
が気楽そうに座っていて、あやめが土産に買ってきた箱根の温泉まんじゅうを頬張りながら、あれやこれやと今回の事件について話している。
「――でさ、帰り際、鞠って子に声をかけたんだ。梨香さんの会社面白そうだし話聞いたらどうかな、ってさ。どうも学校には行ってないみたいで……眩しそうに見てたんだよ、こっちを。だから『あの子達の事が気になる、また会いたいなら、アピールくらいはしてみたら?』って言ったんだ」
「それで……その子、何て答えたんですか?」
あやめはアメの向かいに座ると、自分も饅頭に手を伸ばす。ちなみにこの饅頭、当然のことながら経費で落とし、ちゃっかり家族用まで買ってきたしろものである。さすがあやめ、抜け目ない。
「いやあ、小さく首を振っただけだったね。そんで宮辻って男と一緒に行っちゃった」
「その男に恋心……ですかね」
「わからないな。ただ素直になれなかっただけかもね」
そういってアメはお茶を啜る。
そこに、スケッチブックを抱えた
芹沢 梨樹
が顔を出した。
「『春の肖像』を見たら人を描きたくなって。モデル探さなきゃ、と思ったんだけど……俺、友達少ないから……ここなら誰かいるかと思ってさ」
「モデルかい? ヌード? やってもいいけどここじゃちょっと恥ずかしいな」
アメがからかうようにニヤッとする。
「え、と、脱がなくても……いや、脱いでも……」
しどろもどろになる梨樹。
そのとき事務所にリリリリン、リリリリン、というクラシカルな音が響き渡った。
リンコの席にある古めかしい黒電話のベルだ。
コール3回、不在のリンコに代わってあやめがその受話器を取る。
「はい、R&Rエージェンシーです。ご依頼ですか?」
<了>
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あとがき
担当マスター:
笈地 行
ファンレターはマスターページから!
ご参加ありがとうございます。笈地です。
久々の事件モノ。
たくさんのみなさんにご参加いただき、とても楽しく書かせていただきました。
今回、R&Rエージェンシーのエージェントとして行動していただいた皆様は、
エージェントリストに登録され、事件の折には声が掛かると思ってください。
(依頼を受けるかどうかはあなた次第です)
R&Rでは事件の内容によって、都度、向いているエージェントを募るので、
今回ご参加いただかなかったPCさんも今後機会がありましたら、ぜひ♪
これからもいろいろなタイプの不思議な事件に取り組んでいきたいと思いますので
またの御縁の折には、よろしくお願いいたします!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月27日
参加申し込みの期限
2016年03月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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