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R&R Agency:File01:春の肖像
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● 絵の在り処
「寝室!」
食堂で図面と睨めっこしていた
新井 すばる
は、それを聞くや飛びあがって駆けだした。
「ちょっとすばる、どうしたのよ!」
「俺も行く!」
ブリジット・アーチャー
と
握 利平
がそれを追う。
二段飛ばしに階段を上り、寝室の扉を勢い良く開け、撮った写真に興奮している飛鳥をおしのけて、濁った鏡のまわりを丹念に調べる。
「うん、やっぱりどう考えても」
「なになに? どうしたっていうのさー?」
飛鳥が興味深々に尋ねる。
「図面と測量結果が合わなかったのさ。ボクの測量が正しければ、寝室と子ども部屋の間に隙間がある。で、もしかしたらこの鏡は……ってね」
利平が鏡の縁に指を掛ける凹みを見つけた。引っ掛けて鏡をずらしてみる。するとその後ろから――
「隠し戸棚だわ!」
ブリジットが声を上げる。
遙幻はここに、個人的な宝物や思い出の品を保管していたのだろう。戸棚にあったのは、手紙の束や何冊かのアルバム、それからフユのものかと思われる白い着物。着物を広げると中から風呂敷包みがころげ出て、床に当たってかたんと軽い音を立てた。
「これ……この大きさって……」
厚み3センチほどで絵葉書大。ブリジットが慎重に包みを開ける。
キャンバスだ。
額装のない桜吹雪の中に。
女がいた。
幸せそうな雰囲気の女だ。
女は白い着物を着て、やや後方を振り向き、桜の中にいる誰かを見ている。
絵は未完なのか、女の表情は白く抜けたまま。
けれどよく見れば、こめかみに白いものが一筋二筋、混じっている。
顎や首のラインも、十代のそれではない。寧ろ、年を重ねた女のものだ。
追って部屋に現れた
弘明寺 能美子
が、何かあった? と訊ねようとして言葉を呑んだ。
「それが『春の肖像』……なのね」
絵を見た能美子は、同情のような憐みのような複雑な表情を浮かべた。
「触れなくてもわかるわ。それは春子さんを描いたものじゃない。フユさんを描いたんだわ。……これはフユさんの春の姿、春の肖像なのね。自分と共に生き、自分とともに年を重ねたフユさんを、遙幻さんはキャンバスの中に描いたのよ」
「そう。たぶんね」とすばるは言った。
「タイトルが『春子の肖像』でなく『春の肖像』なのは、こういう訳だったんだ」
◇
『――で、その後どうなったんだ?』
画面の向こうで
夜海霧 楓
が問いかける。画面のこちらにいるのは夏夜、それと飛鳥だ。
「そりゃもう、たーいへんだったんだから!」
飛鳥はゴシップでも報告するみたいに大げさに言って見せる。
「尾鎌君の一撃で、フユさんの霊が常闇君から抜けたんで、常闇君自身が自分の身体に戻れたところまでは良かったんだけどさー。そのあとフユさんは球体関節人形の身体に入ってまた暴れてさー」
サキリや蛇那伊に加えて庚もろっこんを発動させて立ち向かい、ようようフユを取り押さえたのだという。
「で、寝室で見つけた人形を見せたら今度は『春子』とか呼びながら泣き崩れてさ……どうやらフユさんが娘のために手作りしたものだったらしくって。母の気持ちが戻ってきた、って感じ?」
そこに追い打ちというかたちで、すばるたちが絵と着物を持って飛び込んできた。
能美子は結局、絵に触れたのだ。
そして、絵に込められた想いを読み取った。
娘をモデルに、妻を描いた遙幻の想いを。
――君は美しい。僕にとって君はいつまでも愛しい人だ。
それを聞いた途端、人形は蹲り、慟哭した。
『ふむ、それで?』
「それでおしまい」と夏夜が言った。
「人形は糸が切れたみたいになって泣きも笑いもしなくなった。宮辻さんが『逝ったな』って呟いたのが、すごく耳に残ってる」
『遙幻の方は?』
「正規の手順で――って僕もよくわからないんだけどさ、雪村さんの身体から出て行ってもらったみたいだよ。フユさんの方が片付いたら、なんか遙幻のほうも、もうここに居なくてもいいや、って感じになったみたいで。降霊会が終わったあと、お祓いみたいなこともしてたけど、形式上って感じだったみたい」
「絵は見つかり、幽霊は成仏した。僕もいろいろ面白いものが見れて、めでたしめでたしーってとこなのさ!」
飛鳥は心霊写真が撮れたんだーと、これ見よがしに通信用のカメラに向ける。
寝室の鏡を映したものだが、空中に白っぽいものが浮遊していて、それはオーブだとかなんとか……。
◇
通信を切り、楓は
八神 修
を振り返った。
シーサイドタウンのR&R事務所。寝子島も、もう暗い。リンコは頬杖をついて面白そうに今の通信を聞いており、
八神 修
もまた興味深そうにメモを取っていた。
「八神は今回の事件、どう思う?」
楓の問いかけに、修はふむ、と腕組みする。
「不動産屋の策謀の可能性については考えたくないな」
「それは俺も同感。証拠もなかったし。幽霊はいた、って報告書には書くことにするわ」
「そうだな。では幽霊はいたとして……思うに、遙幻は生前からフユの幽霊の存在を薄々感じていたんじゃないだろうか。フユは、美しい娘に成長した春子さんに嫉妬し、母の心を忘れた悪霊になってしまっていた。そこで、春子をモデルにフユの絵を描いて愛を示そうとした」
「ところがフユは絵が自分を描いたものだと知らなかったんだな。寧ろ春子を描いたと思って、嫉妬した?」
「少なくとも、絵に込められた想いは、フユには届かなかった」
「で、遙幻は幽霊になった。春子さんが心配で。妻が娘を呪い殺すようなことがあったら困る。だが遙幻にとってもフユはもはや怖い存在だった。だからフユの目を盗んで昼のアトリエにのみ現れてた……ってとこか?」
楓はペンをくるくる回しながら考えを零す。
修はふうと一息、珈琲を含み、「……推測だ。報告書には記載するなよ」と片目を瞑った。
「ところで夜海霧。幽霊から春子さんへの伝言はなかったか?」
「あ、それそれ。雪村って霊媒師の身体から遙幻を帰す前に、桜庭が聞いたって。そしたら」
――お母さんと、待っているよ。
そう言ったらしい。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月27日
参加申し込みの期限
2016年03月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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